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0.フリーリー王国の貴族の結婚事情

自由恋愛推奨の理由はつるりと指が滑りました。でもまあそのままで。


フリーリー王国では今、貴族の間でも自由恋愛が推奨されていた。


発端(ほったん)は、政略結婚の限界、というようなものだ。

お互いの家に利があるうちはいい。

家業や領地経営がうまくいっている間は仲良くできる。少なくとも表面上は。


だが一度(ひとたび)落ち目になると途端に手のひらを返す家が多発したのだ。

たとえ姻戚関係であろうとも、助けない時は助けない。特に何の情もない伴侶やその実家のことなど。

婚姻による絆などその程度のものなのだ。

表面的ではない真の友人関係のほうが助けてくれる確率は高いのだ。


もちろん落ち目になった伴侶の家に手を差し伸べる実な家も確かにあった。

あったのだが、援助よりも足蹴(あしげ)にしたり離婚したりと冷たい態度を取る家が過半数を超えてくると事態は一変した。


気の合わぬ者と結婚するよりも想い合う者と結婚するほうがいい。


そう考える若者が増え、親も支持し出したのだ。

想い合っていても家のために泣く泣くその想いを断ち切った者が親世代に多かったのかもしれない。

自分の見た夢を子供たちに(たく)す気持ちもあったのかもしれなかった。


家格はあまりにも離れていなければ、本人の努力次第で教育はどうにでもなる。

現実はそこまで甘くはないかもしれないが、できるだけの協力はしようと意気込む親たちに感化(かんか)され、ますます機運は高まる。


もちろん政略結婚がいいならそれはそれでいい。

自由恋愛も権利として認めてくれさえすればいい。

家のために子供を産み、産ませ、愛する者とは愛人関係だなんてもう嫌だ。

愛する人と一緒に暮らしたい。


そんな一部の者たちの思惑もあるとかないとか。

実際に離婚して愛人と再婚したという話もちらほらあるとか。


でもとにかくまずは出会わなければ恋に落ちることはない。

それには出会いの場になる場所が必要だ。


というわけで、学園という名の集団お見合い場へと、年頃になると放り込まれることになった。

読んでいただき、ありがとうございました。


明日、もう一話投稿予定です。

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