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「お願いです!!!なんでも言うこと聞きますから、僕とエッチしてください!!!」


頭を地面に擦り付け見事な土下座を披露すると、胸をいっぱいに満たす羞恥など全く気にせず大声で叫んだ。


これが僕の、人生でいちばんプライドを捨てた瞬間だった。



僕は高橋裕太(たかはしゆうた)、17歳。

美術部所属の冴えない高校2年生だ。


もともと人と関わることや喋ることが苦手なコミュ症というやつで、高校でも友達は片手で数えられるほどしかいない。


趣味はアニメ鑑賞や本を読むこと。美術部ということもあってか絵を書くことも好きだ。

誰かとやる必要もないし、自分一人の世界に没頭できる、そんな環境が身に合ったのだろう。

 

そのせいか、クラスの女子からは根暗インキャと陰で揶揄されてしまっている。それは思春期真っ只中の一人の男としては臓腑を握り潰されているかのような強烈な痛みがあった。


彼女いない歴=年齢。更にはろくに女の子と話すこともできない。

童貞だし、毎日エロゲーやって性欲満たして賢者になって。その繰り返し。


あー、セックスてどんな感じなんだろう。

こんな僕にも春が訪れないかな、とかずっと現実味のないことも思っていた。


転機は2年生へと進級した頃だ。

僕の目の前に、天使が現れてしまったのだ。

それがーー


「あはは、必死すぎでしょ」


頭上で腹を抱えて笑うのは、金色の髪。耳にはピアスと整った顔に綺麗に施された化粧。着崩した制服からは谷間が露出していて、スカートも極端に短い。


亜久里(あぐり)ゆい、いわゆるギャル。


彼女はこんな僕とも仲良く接してくれる、クラスの人気者で。


どうやら彼女は、頼めば誰とでもヤるいわゆるビッチというやつらしい。

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