第二十五話 トール
「着きました」
馬車に揺られること丸1日。ようやく目的地に到着した。
「こっからは山道なんで歩いて行きましょう」
……まだだった。ってまた山登りかよ!
「話は聞いてたけど本当に山の上にあるのね」
「着きました」
大きな岩が転がっている山道を登ること数時間。ようやく目的地に到着した。
「じゃあ自分はここで待ってるんで」
「監視しなくて大丈夫かよ……」
「アテナさんには内緒っすよ」
そう言うとセオルは手ごろな岩に寝転がった。
寝るのかよ……。
「マモルー! いこーよ」
ヘスティアが指差す先には建物があった。石づくりの小さいピラミッドのような外観だ。その頂点には金属の棒が立っている。
「ちょっと、入り口がないんだけど」
「マモル君の出番ですね~」
うーん、この辺かな? 俺は側面の真ん中辺りを押してみる。
ズガガガガ!
「開いたー!」
「じゃあ、行きましょ」
どうやら地下へと続いているらしい階段に足を踏み入れる。階段は狭く、人が一人やっと通れるレベルだ。
すると前から話し声が聞こえてきた。前方に男が二人現れる。
「あ、先どうぞ」
「これはどうも」
ここは譲り合いの精神だ。俺たちは入り口に戻り道を譲る。
「これから遺跡に入るのかしら」
「ええ、まあ」
「そうなのね。お気をつけて」
さりげなく会話もこなしたし、レッツゴー!
「って敵じゃねぇか!!!」
「今更ですか~」
「こんなところにいるの私たちと正方教ぐらいでしょ」
「どゆこと?」
「アレックスさん! あれ精霊ですよ!」
「あら、ほんと。今日はついてるじゃない。って誰の股間にブツがついてるって!?」
「誰もそんなこと言ってませんよ……」
相手は二人。一人はオネエ口調の男。シルクハットにタキシード、片手に杖を持っている。
もう一人の部下らしき男は、白いシャツに黒いベスト。ウェイターのような格好だ。
「トールが封印されていたはずだ。お前たちが回収したのか?」
「トール? ああ、この精霊ちゃんのこと?確かにそうね」
「それ、こっちに渡してくれないかしら」
「あら、あなたは水の精霊さんかしら。嫌だと言ったら?」
「「「力づくで取り戻すだけ!」」」
「じゃあこれあげる」
「ウルトラファイヤ……ええ!?」
男はそう言うと鎚をこちらへ投げてよこした。
「ここにいるってことは副団長を倒したんでしょ? 無理無理! 勝てっこないじゃない。行くわよ」
「アレックスさん!? どこに行くんですか?」
「怒られるの嫌だからほとぼりが冷めるまでとんずらするわよ。あなたも早く来なさい」
二人はすごい速さで山を駆け下りていった。
「何だったんだ一体……」
「まあいいじゃないですか~。それよりもトールさんです」
「そっか。これが偽物だったら追いかけなくちゃいけないしな」
俺は鎚を手に念じる。封印解除!
「時が満ちたのか……。僕がこの世に再び舞い戻ったことで世界の均衡は崩れるだろう。どうなっても知らないよ? 召喚者……」
黒いマントをパタパタとはためかせ、そこに居たのは何かを拗らせていそうな少女だった。
金色の髪で片目を隠し、手袋までしている。これは重症かもしれない……。
「トールちゃん久しぶり! 元気してた?」
「あんたまだそのキャラ設定なの? 早いうちにやめた方がよくない?」
「また前髪おろしてるじゃないですか~。目を隠さない方が可愛いのに~」
親戚のおばちゃんか!
「お前ら僕を子供扱いするなっ!」
「だって可愛いんだもん」
「うるさい! ほぼ同い年だろっ!」
「余計に痛いじゃない」
「うっ」
「ほらこっちの方が可愛い」
「勝手に前髪をいじるなー!」
するとトールがこちらに気づいた。
「ご、ごほん! 君が僕を封印から解放したのか」
「ああ。俺たちは精霊を解放する旅をしているんだ」
「盟友を救う旅か……。悪くない、僕も同行するよ」
「一緒にお風呂入る?」
「ヘスティアは黙ってて! 今かっこいいとこだったのに……」
こうしてトールが仲間に加わった。ところで何か忘れてるような……。
「ふあぁ、よく寝たっすね。もう遺跡入ったかな」
「面白かった!」
「続きが気になる!」
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