第十二話 次回の開催は未定です
「第一回、これからどうするか会議~!」
「いえーい!」
「朝からうるさい」
「というわけで、次に助けに行くのは?」
「えっと、近いのはアネモイかな?アネモイは風の精霊なんだ」
「そうね。近いといってもエルフの森までは結構あるけど」
「エルフの森? そこに精霊がいるのか」
二人がうなずく。
「アネモイの精霊殿はエルフの森の最深部にあるんだよね」
「エルフたちは信心深いから封印されたアネモイを守ってるかもしれないわね」
「なるほど。じゃあとりあえずエルフの森に向かって、エルフと接触するのが当面の目標か」
「「異議なし」」
というわけでまたまた道を尋ねに冒険者ギルドに向かうことになった。冒険者ギルドまじインフォメーションセンター。
「フレアさん、こんにちは。また道を聞きたいんですけど」
「マモルさん、こんにちは! すごい話題になってますよ。何でも精霊を連れている冒険者がいるとか」
あー、昨日のがもう噂になってるのか。まあどうせ隠せないと思ってウリカイに口止めはしてなかったけど。
「そうよ! 私たちが精霊なの!」
「ヘスティアはすぐ調子に乗るんだから」
そう言うカリュプソもまんざらではなさそうだが。
「それで今度はどこに行かれるんですか?」
そうだ、世間話をしに来たわけではない。
「はい、エルフの森に行きたいのですが」
「エルフの森ですか? それなら場所は分かりますが、あまり近づかない方が賢明だと思いますよ」
そうなのか? 確かにエルフと言えばあまり人間と仲良くしないイメージがあるけど。
「どうして? エルフは精霊と友好的だったと思うけど?」
カリュプソが理由を問う。ちなみに今日は二人とも自由に飛んでいる。
「それは……。すみません。私からは言えません。行ってみれば分かると思います。場所は南へずっと行ったところにあります。近くにアマンという街があるのでそこを目指していると言えば着くと思います」
フレアさんが言葉を濁すなんて珍しいな。
「ありがとうございます。無理言ってすみません」
「いえ、気を付けて下さいね」
情報を手に入れたのでギルドを出ようとしたとき、
「ちょっとそこのお兄さん」
と呼び止められた。声のした方を見ると、おば……ゴホン。ベテランの女性冒険者が手招きをしている。
「何でしょうか」
「あなた達エルフの森に行くの?」
「そうよ。それがどうかしたの?」
「あなた精霊さん? かわいいねぇ。私にも子供がいるんだけどこのくらいのときが一番かわいくて……」
「本題は何かしら?」
ナイスだカリュプソ!
「あらごめんなさい。今エルフの森は危険なのよ」
それはフレアさんも言ってたな。
「どういう風に危険なんです?」
「それはね……」
女性は声を潜める。
「正方教の兵がエルフの森に攻め入ってるのよ。それでエルフの森に近づいた民間人が巻き込まれる事件が起こってるのよ。ほら、フレアちゃんって正方教の信徒じゃない。だから言い辛かったんだと思うわ」
「正方教? 初めて聞いたな」
「まあこの辺は王都から離れてるし無理ないわ。王都にはね、でっかい教会とかもあってみんな正方教を信じてるのよ」
どの世界にも宗教はあるんだな。でもなんで正方教の兵士がエルフの森を攻めているんだろう?
「分かりました。ありがとうございます」
「いいのよ。おせっかいを焼きたくなる年頃なの」
そして今度こそギルドを出る。
「じゃあ早速しゅっぱーつ!」
「まあ、待て」
「なに? もうお金はあるでしょ?」
「……食料がない」
俺はたっぷり間を使って衝撃の事実を告げる。
「ふざけてないでさっさと買いに行きなさいよ。私は馬車の時間調べてくるから」
カリュプソに怒られた。日持ちする干物とかを中心に買うか。
「カリュプソは私とは違ってしっかりしてるわね!」
なぜお前が偉そうなんだ。
「ほら、ない胸張ってないで買い物いくぞ」
「はぁ~!? まだ成長期来てないだけですぅ~」
500年待って来ないならもう一生来ないと思うが。
そんなこんなで干物、干し肉、芋等々を買ってカリュプソと合流。話し合いの結果翌日の朝一番の馬車で出発することにした。そういえば家に帰る前に寄るところがあったな。帰る前に寄っておくか。
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