神々しいですね。目が痛いです。
うじうじ考えても意味ないですからね。
「すみません。誰かいらっしゃいますか?」
間を開けずにノックされる。
「どうぞ」
ガチャリと扉がなり入って来たのは6才でも分かる凄いお方。
見た目だけでも神聖な空気がわかる
腰まである白銀の髪にコバルトブルーの瞳
この王都の神殿を全て総括されておられる神官長。
そして現王弟殿下であられる『ルシウス・セレナーデ』様
「やあ!君がノア・ライゼア君かな?」
ノリッ軽!
「はい。ノア・ライゼアと申します。」
「それ以上は言わないでいいからね。倒れた子に口上を言わせるほど鬼になったつもりは無いよ。」
どちらかと言えば、ルシウス様は物語に出てくる大天使や、女神様みたいな者でしょう。
「ん?君はあまり喋らない性格なのかな?
それとも女の子って事がバレないように黙っているのかな?」
「何を言っているのでしょうか?王弟殿下。」
反射で言ってしまったがしょうがないでしょう。
誰にもバレた事が無いのに
私はこの方の警戒レベルを引き上げるとしよう
「勘違いしないでくれ。私は事実を確認しただけだよ」
ああ、もう嫌だ。
こういう人はねちっこいんだよ
この何か分からない空気が続くよりはカミングアウトするか…
「はい。事実は先程、王弟殿下が言った通りです。」
ああ、言ってしまった。
何故か泣きそう。
「え〜っと、ノア・ライゼア、6才で現在は教会暮らしの女の子で合っているかな?」
無言で頷く。
けどなんか胡散くさいんですよ
「ノアちゃん!王宮に興味はないかい!」
「無いですね」
反射で言ってしまったその2だけれども、問題はないだろう。
この人だし…
「ふふっ、私の特性はね、鑑定なんだよ。君は6才なのに700も魔力がある。それに君と同年代には王子や高位貴族の子息や令嬢がうじゃうじゃいる。まあそこでお友達兼護衛として居てもらいたいんだよ。」
うじゃうじゃとは、1匹いたら100匹いると言われるあの虫さんのような言い方ですね。
そして、偽装は成功しているようです!
「…は?」
お〜っと後ろから付いてきた言葉によりライゼア選手、戦闘不能になってしまいました。
茶番のアナウンサーは生きているようですが、
「すみません。護衛というのは…」
給料が出るなら行きたい所、なぜなら通販を使いたいからだ!
本当はスキルなのだから、魔力の燃費が分からない今、もしもに備えてお金は持っておきたい
「ああ、安心してくれ。普通に大人の護衛もつくし、お家はこちらが用意するし、お給料もでる」
なんとめちゃくちゃいい話じゃないですか。
けれどもうまい話には裏があるものです
「具体的に仕事内容などはどういうものですか?それにこの姿でいいんでしょうか?」
キッチリ詰めていけばどんなものかわかるはず。
後、女の嫉妬や嫌がらせはひどいからな。
できればこの姿が良いしな
さあ、ルシウス様はどう出るのでしょうか?
「うんうん。その姿なら、仕事内容は執事って所かな。
勿論、服を変えたりシャワーを浴びたりしてもらうけれど……基本、そのままでいい。
ああ!シャワーは君の部屋に設置しよう。すまないね。執事やメイドは大浴場に入ってもらう事に
なっているんだ」
うわ、流石だな。
ちょっと仕えるだけなのにシャワー
だけれどもまだ頷く気は無いし本音はもうちょっと詰めておきたい
他に質問したいことはっと
「もし執事になったらお仕えする方は誰なんでしょう?」
現在、国王には三人のお子さんがいらっしゃる。
年齢的に第二王子か、第三王子だろう。
「まあ、まずは私についてもらう。それで基礎的な事を習ってから就いてもらうようになる。
先程言い忘れてしまっていたが、お茶を淹れたり、厄介者を追い払ったりもするかな。
主に貴族令嬢をね」
最後の言葉だけは聞きたく無かったんですがね!
そのご尊顔なら光に集まる虫よりも、貴族令嬢が集まるでしょう。
先程の1匹いたら100匹いる虫よりタチの悪い貴族令嬢という虫がね!
まあ、こんなグチグチ言っているが返答はもう決まっている
「王弟殿下、ふつつか者ですがよろしくお願いいたします」
「ああ、君の事は私が責任持って引き受けるから安心してね」
多少茶番をしてしまっていたが、最初から返答は決まっていた。
第一、6才じゃ雇ってくれる所なんてほぼない
お金が欲しいと思ったら引き受けるのが一番だった。
だが、少し負けた気がするのは気にしない
本当に…
主人公はまだ眼帯にはなっておりません!