①《リビング・デッド》
実はフリーの小説家。
ツイッターやってます。
「@Ichigo_Milk___」
キャラクター紹介
中家鬱
焼野原高校一年の女の子で夏の日は冷たいフローリングリビングで寝転がるのが趣味。
チャームポイントのポニーテールと裏腹に、保健室の次元桐崎先生の手によりバストZカップからAカップにする魔術を受けるなどの秘密がある。ただし十二時間が経てば戻ってしまう。
次元桐崎
焼野原高校 保健室の先生でバニーガール姿で白衣を上から着ている女性。
ナカノ・メア
焼野原高校一年の男子生徒で中家鬱が驚かせるための実験体の一人、昔からの幼馴染。
プロローグ ー 生える/映える ー
「ねーねー、おかあさん。なんでおとうさんと結婚したの?」
まだ幼い女の子は必死に問いかけました。
するとおかあさんはこう言いました。
「あの人ね。私を見ても怖がらなかったのよ?私の……そうね……」
何故だかわからない桃色髪ツインテールの女の子はポカンとしたままおかあさんを見つめている事しか出来なかった……。
◇
そして時は十年前を遡る。
第一章 ー 地/血 ー
東京都内某所。
焼野原高校は別にその場が焼野原になったからそう言う名前になったとかって言う理由である。
過去に戦が繰り広げられている中、沢山の死体の山が出来ていた場所に建てられた場所である事で有名。
そんな中、朝の教室に一人倒れていた女の子がいた。カーテンを閉めて暗くしている雰囲気がまた恐ろしく思えるだろう。
とは言えやはり登校時間だけあり生徒が入って来るのを待っているようにも見える、その女の子はピクリとも動く事無く……そして暗い教室に一人の生徒が入って来た。
「うぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ガバッと起き上がった女の子は一人の生徒に襲いかかるふりをしてその場で止まった。
が……。
「お前は一体いつまでそれをやる気だ」
と一人の男子生徒に真顔で言われてしまった。
名前などとうの昔から知っている、このもの一つ動じない人物は……。
「ナカノくん!?嘘ぉ!?私の渾身の恨めしやが効かないなんて……」
眉間にシワを寄せて悩むナカノは思い切り教室のカーテンを開けて中家にこう言った。
「……中家は好きだな、それ」
◇
四月と言う事もあり、この月は中々フローリングゾンビとしては死にやすい……と言うよりは寝転がりやすい季節ではあるので人の目を盗んでは大の字で教室の床で寝転がる事が良くある。
が、もちろん他の人がそれをすればすぐにバレるが中家は別だ。
人の目を盗むのが、得意分野なのだ。
「花よりだんご……花より弁当……花よりゾンビ……いーや、弁当でしょ」
中家の友達の島崎夢子が中家と会話していた。どうやら近々お花見に向かう様だが。中家はそれに対して深く悩んでいた。きっと持ち物が決まって無いのだろう。ナカノはその姿勢を見て深く頷いた。
「早く場所取らないとさ、寝転がる場所……無くない?」
しかし予想通りの展開で流石に頭を抱えてそのまま話に水を刺しに来たナカノ。
「いや、場所取りの話ちゃうんかい。と言うか何なら俺も同行しよう。どうせ暇だしな……女の子だけに行かせるわけにはいかない」
ナカノくん本当にー!?と言いつつ目をキラキラさせて近付いて来る中家に対して島崎はそっと「ありがとうナカノくん。明日には行く予定だから頼もしいな」と微笑み頼りにしてくれた。
これが人間の答えだぞ中家。
「明日は夜何だろう?何やら要る物があればRINEでよろしくな。ってか三人で良いのか?もう一人くらい誰か……っているのか中家……」
俺が話している途中に中家は何かに気付いたかのように自分の机へと戻った。しおりしおりー!春のしおり!と言ってノートに書き出した。
「じゃあ島崎さん、中家。今日の放課後に買い出しに行こうぜ」
「はーい、二人ともよろしくね!」
そしてこのショートヘアーの島崎さんだが現在はうちの生徒会長とクラスで一番賢い人なのだが、どこかふわふわ浮いているような、素敵な笑顔が武器だ。
◇
授業も無事に終わり、放課後。
俺が掃除当番になってしまい、中家と島崎さんは先に買い出しに行ってもらった。
夕方の誰もいない教室に差し込む光。
若干幻想的で悪くないと思った。
「さて、サボってないでさっさと掃除を開始しますか……」
俺はそう呟いて掃除を開始した瞬間。
突然、幻想的な夕日の光は無くなり、いつの間にか外は真っ暗になっていた。
第二章 ー 夢/現 ー
教室の照明も全て明かりが消える。完全に真っ暗と言う訳でも無く、薄暗くだが視界が開けている。
「もうそんなに掃除してたっけか?じゃあ帰るか……」
帰ろうとした瞬間、天井から何か水滴のような音がした。雨漏りだろうか。
しかし今日は雨なんか降っていない。
「何だこれは……水じゃないな……?血液か?」
俺はその時、何となくだが。
今のこの現状を理解し、教室から出た。
しかし当たり前のように真っ暗で、とりあえず血液が落ちて来た上の階の教室へと向かう事にした。
「3-1組。先輩のクラスだが……こんなところから、まさか血液などは……」
静かに教室の扉を開けた。
そこには一人の女性が空中に浮いているように見えた……が、実際それは浮いている。
首を吊り、目と口は何かで抉られたのか真っ黒になって血塗れている。
スカートのしたからは糞尿の跡が残っている。
「島崎さん……?確か島崎さんは中家と一緒に買い出しに行ったはず……」
そして島崎さんの腹部には何か知らないが膨らみがあった。
恐る恐る手を近付けると腹部が膨らみ爆発した。
島崎さんの腹部に何か銃みたいな物が引っかかっている。
内臓でこべりついているのか、俺は我慢してその生温かい銃を引っ張り出した。
「霊……銃?」
俺がこの銃を持つと突然頭の中に霊銃と呼ばれる名前が記憶された。
「!?確かここから一階下は理科室だ……と言う事はそろそろ来るかも知れないな……あの不気味な人体模型と骸骨模型のお出ましだ」
半分皮膚半分内臓が見える昔からある有名な模型はギシギシと音を立てながらゆっくりこちらを囲むように近付いて来ている。
「これ絶対に動かないで有名な人体模型と骸骨模型のハズなんだが……この霊銃で試させてもらう」
廊下に出ていた俺は勢い良く襲って来る骸骨模型から霊銃で狙いを定め、トリガーを引いた。
すると骸骨模型は膨らみその場で爆発した。
異界に送るとか、そう言う意味ではなさそうで。
死人を労わる事を厭わない殺し方だ。
要はこいつらは敵だと言う事。
「こいつもか!!」
こちらにダッシュで向かって来る人体模型は霊銃で撃ち抜いた。
しかし骸骨模型とは別にまるで人間の肉片かのように爆散した臓器などが廊下に飛び散った。
「しかしこの一昔前の狩猟銃のようなクラシックな黒い霊銃……お前は俺を救う希望なのか?」
意味は無いが問いかけてしまう俺。
そう言えば中家が朝からメモっていたが……あれはまだ教室に残っているだろうか。
俺は急いで二階の教室へと戻り中家の机を調べた。
すると思った通り、机の上にはメモが置いてあり。
その内容には『逃げて!』と書いてある。
俺はすぐに教室から外へと向かった。
とりあえず外へ出ようと廊下を走る。
走っているとペタペタと音が聞こえる。
扉が閉まっている教室のガラス窓から複数の手の跡が俺を追跡するかのように追って来ているが、多分陽動なのでこれは無視。
「外には出たが……少しだけ降り注ぐ赤い雨、ほんの少しだけ見える赤い月……そして……」
俺はグラウンドの方を見ていたが後ろを振り返り再び学校を見てみると。
「俺を追跡していたであろう犯人の……学校を纏うかのように大きい一つ目の眼球が俺をずっと見ている」
その一つ目の眼球はしばらく俺を見続けると血の涙を流して来た。
これ、俺飲まれるんじゃないだろうか。
と不安だったが、どうも体が動かない。
どうやら俺もここまでのようだ。
この血液の激流に飲まれて俺は……。
しかし、誰かはわからないが……。
俺の目の前にかばうように両手を広げているポニーテールの女の子がいる。
誰だろう……瞼が重くて眠たい……俺は……。
エピローグ ー 暗/闇 ー
俺は気がつくと保健室のベッドで寝ていた。
あれはなんだったのだろう……掃除中に寝落ちして悪夢でも見たのか……?。
とにかく俺は状況を知るためにゆっくりと起き上がった。
すると横には何故か知らないが中家が寝ていた、付き添ってくれていたのか。
俺が起床した事により中家も目を覚ました。
「あ、おはよう!大丈夫?」
とは気遣いをしてくれるが中家の顔にもうつ伏せていたにしては赤い跡がある……。
怪我か?。
「看病してくれてありがとう……それと島崎さんはどうしたんだ?」
中家は一瞬ビクッとなったがすぐに「買い出し行って先に帰っちゃった。あはは!」
と頭をぽりぽりとかいて苦笑い。
なら良かったが、苦笑いしたいのは俺の方で。
何故かと言うと。
「その制服からはちきれるくらいのおっぱいって存在したんだなって言いたいんだよ、あ」
もう心の声がそのまま声になって出てしまい。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
と悲鳴をあげられて「見ないでぇ!!」と言われて俺を隠しているのかおっぱいが邪魔をして乳輪が俺の顔に直撃しているので俺は逃げる事さえ出来ない、今助けてあの時の女の子。
あとがき
こんばんは、いちごみるくです。
さて今作からはゾンビ物となっております。
ただのゾンビ物は面白味が無いので面白味としてはこの無表情の男の子と元気な女の子がゾンビ!と言う物語が進んで行きます。地獄に無意識に突入してしまい、突如異次元空間内部に進入してしまうナカノは果たして霊銃を使い生き延びる事が出来る?二巻でまたお会いしましょう!それでは!。