銀河、16歳
青臭い青春かもしれない。でも、それを忘れちゃいけないよ。だってそれが、僕らが生きた証しなんだから。
おはよう、銀河。
君が産まれて16年だね。
君の16年は、僕らにとっての10億年分。
どれだけの生物が、君の中で死んだだろう。
ラムネを飲みながら、君は夏の中で言ったね。16歳は孤独だって。
君が10億年かけて知ったことを、僕らは16年で知ってしまったんだよ。
僕らは16歳。やっと同じだね。
空の色は君の青。
ラムネの季節。透明な不安。それが16歳。
大丈夫。クスリがいるほどじゃない。
大人になれば、忘れてしまうさ。
無神経になって行く自分が嫌いかい?
でも仕方ないよ。痛みを忘れてしまう恐怖が16歳なんだから。
銀河は不安。銀河は青い。
あとどれくらい手を伸ばせば、君のいる空の天井に手が届くのだろう。
たぶん、僕の小さな手は、永遠に孤独な君の空白を埋めることはできないんだろう。
永遠の否定が君を孤高にする。
だからこそ、宇宙はあんなにも無数の星という涙に満ちているのだろうね。
僕は16歳の中で生きている。銀河の中で生きている。
僕はそのうち死ぬよ。歳をとって。
もしかしたら、歳をとる前に死ぬかもしれない。
その頃君はまだ16歳。
永遠に近い時間が経っても、君は16歳でいてくれる。僕が生まれ変わったら、また大人になれない僕らの話しをしようよ。
僕らは16歳。
ありがとう、銀河。
おめでとう、銀河。