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手帳

作者: 山野雪

念願のシステム手帳を購入した。


十年以上前は使っていたのだが厚さや重さを考えて近年は薄い手帳を年度ごとに新しくしていた。

見開きで一カ月、あとはメモがあれば良い。

いたってシンプルなものだ。


それほどのスケジュールがあるわけでもないのでひとマス、つまり一日に一つか二つ、予定が書ければそれで良し。


ところが困ったことに何でも紙類を手帳に挟む癖があるのだ。


お出かけした先でもらったパンフレットとか入ったイベントのチケット。

夏にはたまに行く野球のチケット。

今度行きたいライブの情報。

どこかでもらった割引券。

素敵なカフェのポストカード。


これだけデジタルな時代なのだから荷物にならない保管の方法はいくらでもある。

にもかかわらず紙でとっておきたい私。


そんな訳で1月から徐々に『付録』が増え始める。

バッグの中でハチャメチャになるので輪ゴムで留める。

4月くらいになると輪ゴムも弱くなるので普通のゴムバンドで留める。

8月にはそのゴムの長さを調節して緩くする。

11月には挟んでいるものがこぼれ落ちない様に袋に入れてまでも手帳に挟む。

ここまでくるもはや手帳なのか何なのか分からない。


子供用の付録付き雑誌なのか。

はたまた中身が厚すぎて食べずらいサンドイッチか。


見開きで一カ月、メモ10ページとしても極めて薄い手帳で済むはずなのにビッグマック位の厚さに膨らむ。


そんな時に友人からお食事のお誘いがあったりする。

『忘年会いつがいい?』

聞いてくれるな。


ビッグマックの中から12月と書かれた一枚を見つけるのは至難の技である。


そこで思い切って元に戻しシステム手帳にしたら、あら、快適。

クリアファイルもメモもジッパー付きポケットも何だってシステム化できちゃう。

パチっと留められバッグの中で踊らない。


すでに来年仕様に中身を移し今までの『付録』を取った旧手帳を見る。

こんなに痩せていただなんて。

さぞや重く苦しい思いをしていたことだろう。


私の手帳はスケジュールを記入するよりも付録品を収納する場所だったって事みたい。

気付くの遅いね。







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