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日出づる国、異世界に転移す  作者: ワイアード
第5章 ハルディーク皇国編
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第86話 検問所での襲撃

夜分遅くより失礼します!

ーードム大陸 中ノ鳥半島 ウンベカント街道



草が生い茂る広い草原の中で、舗装された道を月明かりに照らされながら進む荷馬車の一団。

彼らの荷台には『鉄・銅』と書かれた大きな木箱が多数乗せられていた。


しかし、彼らはウンベカントへ荷物を運ぶ商隊では無かった。彼らはハルディーク皇国により雇われた傭兵部隊である。多額の金と引き換えに日本の中ノ鳥半島内にあるウンベカントと自衛隊基地を奇襲…殲滅する事を任務としていた。無論、木箱に入っているのは鉄でもなければ銅でも無い……中には血に飢えた傭兵達が多数忍び込んでいた。


無事、手筈通りクドゥム藩王国の国境付近の関所を超える事が出来た彼らは、このまま何事もなくウンベカントへ着くだろうと予想していた。



「良し…このまま行けば。」



傭兵達は溢れでそうな興奮を何とか抑えて進めていく。すると、かなり離れてはいるが地平線の奥に大きな光りが見えた。



「…見えたッ!あれが噂のウンベカントか⁉︎」



彼等はそこへ向けてひたすらに馬車を進めていく。しかし、暫く進んで行くうちにアレがウンベカントでは無い事に気がついた。



「アレは何だ?」



更に進む事でそれが何なのかハッキリと分かった。


検問所である。


舗装された道の先にはゲートが作られていた。先に出ていた関係の無い他の商隊キャラバンがそこで自衛官達と話をしていた。


ゲートの隣には小さな建物が複数と見張り台の様なモノが建てられていた。その直ぐ側に82式指揮通信車(CCV)と軽装甲機動車(LAV)が停まっている。そして自衛官と『CFW』が至る所に居た。


異常なまでに明るいサーチライトに照らされた周囲。舗装された道に大きな列を成している荷馬車…周りは何も無い草原のみ。道を外れてコッソリと行こうにもかなり目立ってしまい直ぐに気付かれる事は確実であった。


その上空を『無人偵察用ドローン』が飛んで居た。


地平線…草原の彼方まで建てられた高さ5m近くはある金網フェンス、その上には鉄線網が貼られていた。とても普通に通る事が出来そうに無い場所の中での唯一の道が…やはり検問所しか無かった。



(こんな検問所…見た事ないッ!…誰も見た事が無いモノばかりだが…分かる。此処はかなり厳重である事は、見た事がなくともハッキリと分かる。)



おそらく他の荷馬車に乗っている傭兵達の全員がそう感じていただろう。しかし、彼等もこういった事を想定していなかった訳ではなかった。彼等とてそれなりの『準備』をしていた。



他の商隊キャラバンが検問をパスし、ゲートをくぐって先へと進む。傭兵達が潜んでいる荷馬車が前に進みゲートの前で停車、当然の事ながら自衛官達が歩み寄ってくる。



「どうもーこんばんはー。夜分遅くまでご苦労様でーす。」


「あ、いえいえ!そちら様も遅くまでご苦労様です、ハイ。」



笑顔で話しかけてくる自衛官に同じように笑顔で返した。自衛官の手にはID認証装置が握られていた。



「それでは、IDカードをお見せ下さい。」



IDカード…中ノ鳥半島へ入る商隊には予め日本政府より許可を得て、IDカードを手渡されている。しかし、彼等はそのIDカードをちゃんと用意していた。このIDカードは、とある商隊から多額の金で買い取ったモノである。



「はいはいえーっと…『あいでぃーカード』ですねぇ。……ハイどうぞ!」



男は抵抗なくIDカードを手渡した。自衛官は、認証装置にIDをかざしてピピッっという音が鳴る。すると、何故かさっきまでニコニコしていた自衛官の顔が強張った。



「…………失礼ですが、貴方達はどこ商会の者ですか?」


「はい!私達はクドゥム藩王国お抱えのバースケルト商会の者です!」


「バースケルト商会…はいはい。」



自衛官達が次々と集まりつつあった。気がつけば列の左右を囲むように『CFW』達も現れていた。



「……貴方様のお名前は?」


「はい、えーっと…ミードと申します。」



すると自衛官の顔が更に強張り、手でジェスチャーをしながら言った。



「荷馬車から降りなさい。」


「…えっ?」


「降りなさい!!!」



突然の怒声に驚く男。彼は半ば強引に荷馬車から降ろされ地面に倒し抑えられてしまう。



「そ、そんな!何かの間違いですよ!!!」



何故バレた⁉︎何故なのか!…彼は全くもって理解できなかった。



「こちら中ノ鳥半島国境通りの検問ゲート。身元不明の商隊を発見。IDカードを持っていましたが、登録されていた顔と名前が一致せず。野盗集団の可能性あり、繰り返す野盗集団の可能性あり。数はー…恐らく1000人以上、荷馬車は200台ほど。」


『……本部より了解。20分後に輸送用トラックを送る。武器を持って抵抗するようならば発砲の許可も出てる。』


「了解。」



通信を終えた自衛官が再び荷馬車の方へ振り返る。するとー



「殺っちまえーー!!!」


「検問所を奪え!!!」



もうバレたと思ったのか、後続の荷馬車に潜んでいた傭兵達が武器を持って飛び出して襲い掛かってきた。



「ッ⁉︎避難射撃ぃー!!!」



咄嗟の事で引き金を引く20式小銃が荷馬車から血相を変えて襲い掛かる傭兵を撃ち抜いていく。



ダダダダダッ!!!



「ぎゃあッ!」


「ぐぅ!」



荷馬車から勢いよく落ちる様に倒れていく。突然仲間が見たことの無い銃で撃ち殺された事で一瞬だけ怯む傭兵たち。その隙に、自衛官と『CFW』達は荷馬車から距離を取って、射撃を開始する。



「野盗集団だ!撃て!」


『攻撃開始。』



飛び出して来る傭兵達へ向けて発砲を開始する。荷馬車は銃撃によりあっという間にボロボロへとなっていく。荷馬車にまだ潜んでいた傭兵達は1人また1人と銃弾に身体を撃ち抜かれ倒れていく。



「な、何だこの銃は⁉︎」


「リロードに時間が掛かるんじゃないのか⁉︎」



自衛官達はとにかく傭兵達と距離を詰められる事を避けて撃ち続ける。相手は接近戦に長けている。並みの反射神経ではない、下手に白兵戦を仕掛けたら逆に殺られるリスクが高すぎるからだ。



「休むな!撃て撃て!」



後続の荷馬車から降りてきた傭兵達が武器を振りかざして襲い掛かって来る。全員が統一性の無い装備で種族も様々であった。


激しい銃撃が5分程続いた後、傭兵部隊は次々と引き上げて行くのが見て取れた。



「畜生が!!!やってられっかよ!!!」


「このまま突っ込んでも死ぬだけだ!!!」


「金はもういらねぇや!」



恐れをなした傭兵部隊は完全に戦意を失い撤退して行く。



「撃ち方やめ!!!」



銃声が止み、再び夜の静けさが残った。時折聞こえるのはまだ息のある傭兵達のうめき声が耳に入る。



「被害報告。」


「ハッ!死者は出ていませんが、自衛隊員2名が敵の矢に当たり重傷です。」


「そうか分かった。…生き残りを見つけて手当しろ。」


「ハッ!」



検問所の指揮官の児玉こたま二尉は、たまたま近くにいた生き残りへと近づく。生き残った傭兵は腕を撃たれて呻いていた。



「痛え〜〜痛えよぉ〜〜う、腕がぁ〜」


「おいお前…」


「痛え〜〜痛え〜」


「おい!!!」


「ッ⁉︎な、何だよぉ!痛え!…クソッ」



児玉二尉は、傭兵に一瞬だけ怒鳴った後に質問をする。



「お前達はただの野盗か?」


「ち、違ぇよ!俺は…よ、傭兵だよ!」


「…傭兵?っとなるとお前達は雇われてここへ来たって訳か?」


「だったら何だよ!!!…痛えぇ…クッソ!」


「何処に雇われた!!!」


「ひ、ヒィッ…は、ハルディーク皇国だよ!ニホン国の…ウンベカント…あとニホン軍基地の襲撃……それでー」


「それで今回の襲撃を?…そうなのか!!!」


「そ、そうだよぉ〜…は、早く手当てしてくれよぉ〜…何だよ畜生!…あんな武器をニホン軍が持ってるなんて報告も聴いてねぇぞ!」



児玉二尉は近くの衛生兵に手当てするよう声を掛けてその場を立ち去る。すぐに通信科の隊員へ今回の情報を報告するよう指示を送る。



「敵はハルディーク皇国に雇われた傭兵だった…しかし、傭兵達に十分な戦略的情報を渡していなかった。……妙に引っかかるな。」



児玉二尉は本当に敵の狙いはこの中ノ鳥半島なのかと疑問に思うほど敵の襲撃作戦は粗末そのものだった。



「こ、児玉二尉!」


「ん?どうした?」



1人の自衛官が児玉二尉の元へ近寄り報告をする。



「……あの…ジャーナリストの高見たかみ氏が…」



自衛官が顔を向けた先を見ると、傭兵達の死体にカメラを向けてシャッターを切る1人の眼鏡を掛けた男がいた。危険だから下がるよう指示を出す自衛官を払いのける様無視しながらシャッターを切り続ける。



「はぁ…全く敵も最悪のタイミングで襲撃して来たものだな。」


「…ど、どうしましょう?…下手に制止しようとすると『報道の自由を侵害する気かッ⁉︎』と…」



児玉二尉は頭をボリボリと掻いた後、渋々高見と呼ばれるジャーナリストの元へと近づく。


高見はひたすらにシャッターを切り続ける。傭兵の無残な死体、撃たれて苦しみ悶える姿を撮り続けた。



「ふぅー…見てみろつつみぃ。この自衛隊の蛮行を…まるで南京大虐殺を見ているかの様だ。」



高見がカメラを構えながらニヤついた顔で呟くとその後ろにいた堤と呼ばれる相棒が、ビデオカメラを構え、一帯の様子を映していた。



「み、見てますよ高見先輩…この映像はしっかりと…うっぷ。」



死体を見慣れていない為に強い吐き気を催す堤に高見は呆れながらも心配して声を掛ける。



「おいおい大丈夫か堤?…俺たちは許されざる日本の汚点である『自衛隊』の蛮行を日本国にいる世間一般の皆様へお伝えしなきゃならねぇんだぞ。後でちゃんと録画されていなかったってのは、中々に腹立つ事だからなぁ。」


「わ、分かってますよぉ〜…じ、自分あっち側を映してきます。」


「おう、気を付けてな。」



顔色の良くない堤がふらふらの足取りで奥へと歩いていく。その様子をやれやれといった表情で見ていた高見は、直ぐにカメラを構え直す。

するとそこへ児玉二尉がやって来た。



「…高見さん。まだ安全が確保されていない状況ですので、もう少し後方へお下がりください、危険ですので。」


「…そうか?私としては貴方自衛隊が銃を持ってウロついている所は何処も変わらず危険だと思うがね。」


「……とにかく、カメラをしまって下さい。」


「はぁ?…コッチは現場の真実を伝える為の名誉ある仕事をしてるんだ!お前達日本の恥晒しどもの劣悪な蛮行を国内へ伝える為のな!」



高見が血相を変えた顔で詰め寄りながら怒鳴り散らすが、児玉二尉は特に臆する事なく直ぐに下がる様指示を出す。



「お願いですから…早く後ろへ……まだ傭兵達が潜んでいるやも知れないのです。」


「……そうですか?ではお返事いたしましょう…そっちこそ失せろ!クソ自衛官がッ!」



高見はドンっと児玉二尉を突き飛ばした。児玉二尉は少し後ろに押されてしまい、高見は続けてシャッターを押し続ける。



「…高見さん。」


「児玉さんよ…じゃあ聴くがこいつらは本当に襲って来たと思うのかい?もしかしたら友好の証でこっちにハグしようと近づいただけじゃあないか?」



小馬鹿にしたかのような表情で話し始める高見に対して、児玉二尉はすこし溜息を吐いた後に答える。



「…武器を持って走って来たんです。」


「互いの武器をぶつけ合って親睦を深める部族がいることも聞いたぞ?それと同じ類なのでは無いか?…ただ武器を持って近づいて来ただけで簡単に引き金を引くんだな?…お前達は立派な人殺しだよ!!!」



周りにいた自衛隊員達はイラついた顔をしながら作業をしている。自分たちは襲って来た敵対勢力と戦っただけなのに何故悪者扱いされるのか…納得がいかなかった。



「そもそも…本当に傭兵なのかどうかも怪しい。あんたは直接聞いたらしいが、そう答える様に誘導尋問とかしたんじゃあないか?」



言い掛かりにも程があるが、ここでキレたら益々状況は悪化する。児玉二尉は何とか平静を装い落ち着かせる。



「とにかく、ここは後ろへ下がってくださいお願いします。」


「イヤだね。」



高見は続けてどんどん戦闘地帯跡へと入っていく。そこへ先ほど別方向へ行っていた堤が小走りでやって来た。



「た、高見先輩!すみません、やっぱり向こう側は自衛隊の警備が厳しくて通れませんでした!」


「はぁ〜〜?ったくしょうがねぇな。どれどれ、ここは俺が行って奴等にガツーンとー」



次の瞬間、2人の近くにあったボロボロの荷馬車の木箱から、傷だらけの傭兵部隊の生き残りが飛び出して来た。傭兵は、持っていた短剣を1番近くにいた堤に向けて振り下ろそうとしていた。



「くたばれニホン軍めーー!!!」


「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁーー!!!」



ダダーーンッ!!!



数発の銃声が聞こえたと同時に、傭兵はドサリと倒れてそのまま起き上がる事はなかった。


堤は尻餅をついて完全に腰が抜けてガクガクと震えていた。そんな堤の元へ直ぐに高見が駆け寄る。



「お、おい!堤…堤!!!」


「は、はい…え…との…えっと…」



完全に気が動転している。とにかく落ち着かせようと持っていた水筒を堤にゆっくりと飲ませる。その後に高見は誰が銃を撃ったのか辺りを見渡すと、少し離れた所で銃口から煙が僅かに出ている20式小銃を持った1人の隊員がいた。



「お怪我はございませんか?…だから危険だと申したのです。」



その隊員は、土方ひじかた一三じゅうぞうであった。彼は現地特別調査隊の副隊長にして陸曹長、今回の騒動を受けてやって来た応援の1人である。


彼は2人の元へゆっくりと歩み寄る。



「…先ほども…児玉二尉の話していた通り、ここはまだ安全とは言えない状況である為…どうか引き返して頂きませんか?」


「……いや…それはー」


「あ、それとも…撃たない方が良かったでしょうか?…もしかしたらこの人は…ただハグしたかっただけかもしれませんでしたからねぇ。それにしても…ナイフを片手に迫って来るハグとは…中々に刺激的な行動ですね。」


「ッ!……チッ。」



高見達は何も反論できなかった。ただ下唇を噛んでその悔しさと苛立ちを抑えようと必死だった。しかし、堤自身はむしろ自衛隊員に感謝の気持ちを抱いていたが、高見の事を考え軽く礼をしただけで済ませた。



「…フンッ……憲法改正して真っ当な組織として認められただけでも調子に乗っていたのに、『此処へ』来て、限局的ではあるが武力行為の簡易化が確立されてから益々調子に乗って来やがったな。」


「……はぁ…どうも。」



いつもながらのポーカーフェイスで軽くあしらう土方陸曹、そんな彼の態度に益々強い苛立ちがこみ上げてくる高見は更に、先ほど反論出来なかった分の鬱憤をぶつけようとしていた。



「どうした?…本当は俺たちみたいなのを助けて損したって感じか?あぁ〜やっぱり助けるんじゃなかった…オーマイガッ!って感じなんだろ軍国主義の偽善者さんよぉ!」


「…例えどんなに我々を罵ろうが…唾をかけようが何だろうが……そういう人達も護るのが自衛隊です。その本質は今も変わりありません。」



一切の迷いなく答える土方に、高見は一瞬たじろいてしまう。



「フンッ…いつか絶対に化けの皮剥いでやるぞ…日本の恥さらし共め!」



その後、堤の仲介もあり2人はそそくさと引き返して、ジープに乗ってウンベカントへと戻って行った。



「助かりました…土方さん。」


「敬語はやめて下さいよ…あなたの方が上官なんですから、児玉二尉。」


「訓練生時代の恩師にそんな……分かりまし……分かったよ、土方陸曹。」



彼の言葉にフッと笑いう土方陸曹は、そのまま現地の処理の手伝いを行なった。




しかし、そんな彼らの様子を遠く離れた草陰から覗いていた。『スキアーズ』達がいた。彼らは望遠鏡を覗きながら、無線機を使い始める。



「こちらミドル…傭兵部隊の多数がニホン軍の攻撃により殺られました。…生き残りは散り散りに…」


『了解。ご苦労様です、そのまま何もせずに引き返して下さい。』







ーーハルディーク皇国 皇城 通信室



ガチャッ


無線機を切って席を立つトニー・ジェミニェスがいた。彼は先ほどの中ノ鳥半島国境の検問所で、自衛隊とハルディーク皇国が雇った傭兵部隊との戦闘の報告を受けた後であった。



「どうでしたか?トニー。」



彼の後ろから声を掛けてきたのは兄弟のソニーである。



「えぇ、傭兵部隊が壊滅したとの事です。」


「おやおや、皇帝陛下への凶報がまた増えましたね。」


「ホホホッ全くですね。それにしても…イール王国海域での戦闘……『スキアーズ』による破壊工作…傭兵部隊による強襲作戦…全てが失敗ですね。」


「えぇ…失敗ですね。」


「全ての作戦が失敗……これは実に…」


「えぇ実に…」


「「作戦通りですねぇ…ホーホッホッホ」」



普段は表情を殆ど見せない2人からは中々に想像つきにくい甲高い笑い声が響き渡る。



「作戦失敗が作戦通り…実に矛盾してますねぇ。」


「矛盾していますなぁ…しかし、その通りなんですよねぇ。」


「…トニー、我が主力海軍艦隊のバルザック艦隊は?」


「えぇ、ウェールズ艦隊がイール王国侵攻作戦を引き継いでいます。バルザック艦隊は今頃はサードスト軍港まで引き返しているかと…モガモスカ中将率いる第II軍団は?」


「えぇ、『目的地』までそう時間は掛かりません。総兵力15万と150隻の砲艦、240機の飛行戦艦、500機の戦闘機が順調に向かってます。」



2人の話を聞くと、つまり本当の狙いは別の所にあり、今までの作戦は全て日本の注意をイール王国側と自国側へ向けるための大規模な『囮』であったという事である。



「さてさて…作戦も終盤ですねぇ。」


「終盤ですなぁ。」



2人はニコニコとした笑顔を互いに向ける。そして、トニーが懐から一枚の似顔絵を取り出した。そこに描かれてきたのはー



「さぁ…アルフヘイム神聖国を焦土と化してしまいましょう。」




エルフの国アルフヘイム神聖国が王女、フレイヤ・アルヴァーナであった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 土方十三が一三になってますよ
[一言] 以下の個所以降数行が正しく表示できていません。 また誤字報告で修正できません。 ご確認願います。 地平線…草原の彼方まで建てられた高さ5
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