第2話 日本の決断
所々おかしなところがあれば改善していきたいです。それにしても文章力がないのが辛い…。
――日本国 首都東京 4月30日
首相官邸 会議室
「さてと、じゃあ始めますか」
日本国内閣総理大臣広瀬勝の一言により始まった各大臣を集めた会議。日本が異世界に転移してから半月。この会議は2回目である。しかし、これといった進展がないまま日本は未だに未知の世界で低迷していた。
「広瀬さん。日本のエネルギー資源の備蓄量は、どんなに節約しても1年半持つか持たないかぐらいです。それにしても、まさかこの様な形でエネルギー資源の輸入に頼ってきたのかを実感することになるとはなぁ」
経済産業大臣の渋川はこの様に話した後、深い溜息を吐く。周りの各大臣もそれにつられる形で溜息を吐いた。
「それにしてもこの『世界』に転移してから半月も経つが、未だに大きな暴動が起きてないのは良い意味で予想外だったよ。やっぱり、日本人はこういった緊急事態には強い民族だと改めて思うな」
「『日本人』なら、だけど』
官房長官の言葉に対し、広瀬総理は頬杖をついて答えた。実際、全国的に大きな暴動が起きてはいないが、所々で小さなデモや暴動は起きていた。
その参加者の8割以上が在日外国人達である。日本へ旅行中に異世界転移に巻き込まれてしまい、居場所も財産もなく日本政府へ生活の保障を求めるデモが発生していた。窃盗や強盗事件なども増えている為、警察や機動隊が休み無く対応している。
「各国大使も現状の説明と生活の保障を求めています。まぁ『調査中です』としか説明のしようがありませんが」
「生活の保障に関しては対応していきますが、無論日本人を優先的に行いますよ。差別だなんだと言われるかもしれませんが所詮は他国民。自国民を第一に考えるのは当然でしょう」
「そうだな。厚生労働省は如何ですかな?」
厚生労働大臣の田嶋が総理からの質問に答える。
「医療機関や公共施設などには思った程の影響は出ていません。しかし、国際事業や海外を主としたサービス事業は悲鳴をあげています。石油や天然ガスが見つかれば開発事業団を設立して、大分良くなるのですが」
「その生活保障については、生活保障を受けている人達を改めて精査して本当に必要な人だけ受けさせる様全国に実施するつもりです。あと、我々も含めた公務員の給料も最低3〜2割ほど引いてそれを生活保障に当てていきましょう」
「野党からの反発は必至でしょうね」
「今の日本は生きるか死ぬかの瀬戸際だ。そこは理解してもらう他ないだろ」
「いっその事、断食でもするか? (笑)」
小清水官房長官の言葉に会議室は少し笑いが出てきたが、安住外務大臣は暗い顔をしていた。元々が恐い顔のため、一層迫力が滲み出る。
「どうしたのよ?安住。恐い顔が益々恐くなってるぞ」
「顔の事は言わないで下さいよ、総理。ハァー…皆さんは不安じゃないんですか? 日本がこれからどうなっていくのか」
安住の質問に防衛大臣の久瀬が答えた。
「まぁ取り敢えず目先の事で出来る事は確実にやっていこうや。今自衛隊のP-3C哨戒機が調査に行ってる」
「でも日本の領空内までですよね。それに前回の会議で朝鮮半島や中国大陸が無くなっている可能性が高いそうじゃないですか。相変わらず、海外との連絡は取れませんし」
各大臣達が、一斉に難しい顔になる。皆は日本領空内だけで調査をしてもこれ以上の進展が無いのは分かりきっていた。他国との連絡も依然とれない。もし日本の領域外に調査範囲を延ばし、何処かの国の領空・領海に侵入した場合、攻撃などを受けその国との関係が最悪の形で始まってしまう可能性が高い。
「じゃ調査範囲を日本国外まで伸ばしましょうか」
「「ッッ⁉︎」」
沈黙した空気の中、突然広瀬総理は膝を叩いた。彼の皆が懸念していた危険性を無視しての発言に周囲は驚きを隠せなかった。
「ほ、本気ですか? 総理」
「そんな事をして万が一の事が起きたら事ですよ」
「何言ってんだ? このままじゃ日本が滅ぶのも時間の問題だろうが? 安心しろ、何か起きた時の責任は俺が持つ!」
「「……」」
かくして日本は異世界に転移して半月後、ついに国外への調査が始まった。野党からの反発は勿論あったが、このままでは日本が滅んでしまうかもしれないという国民の危機感が高い事もあり、比較的スムーズに事が進んだ。
さてさて、日本はついに日本国外への調査に動きました!