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日出づる国、異世界に転移す  作者: ワイアード
第3章 ウンベカントの動乱編
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第39話 ヴァルキア大帝国

本日2話目です


前回の話もそうですが、無理やり感が否めないですね。



ーー北の大陸『メガラニカ』 ヴァルキア大帝国



この大陸周囲の海域は、北という事もありかなりの極寒である。そして、その大陸を囲うように標高6000mは超える巨大な山脈が輪を作るように連なっている。



そして、その山脈の内部には…さっきまでの寒々しい海域とは思えないほどに木々が生い茂り、美しい湖が太陽に照らされてキラキラと輝き、近世ヨーロッパに現代の機械的文明を取り入れた様な幻想的かつ活気的な大都市が広がっていた。



整備された道路、その道路を行き交う『自動車』、都内から響いてくる声は、恐らく『スピーカー』から通して話していると思われる。何かの特売をしているのだろうか。



そして、何よりも気になるのは…大空を飛び交う大小様々な船。



多数のプロペラのような物を取り付けて飛んでいるが、明らかにプロペラだけでは補えない程巨大な船も優雅に空を航行していた。中には、プロペラも付いていないのに空を飛ぶ船も存在している。



オーストラリアの倍近くはあるこのメガラニカ大陸全てが『ヴァルキア大帝国』の領土である。




ーーヴァルキア大帝国 帝都ヴァルシア



帝都の空を飛ぶ一隻の空中船、その両舷からはヴァルキア大帝国の国旗がひらめいていた。そして、その船からスピーカーを通して男の声が聞こえてくる。




『ーー我がヴァルキア大帝国は永遠に栄える偉大な国である!今こそ、我がヴァルキア大帝国の軍門に各国は下るべきだ!次なる選挙も我ら『軍民党』に清きッ!清き1票を!ーー』



するとその船からは大量のビラが舞い落ちてきた。そこに書かれているのは勿論、軍民党の事と徴兵の義務の事であった。



『〜ヴァルキア大帝国の救世党である軍民党こそが絶対である。〜 もうすぐ徴兵期である!18歳以上の男性は3年間徴兵に応じる義務がある!〝男は国に尽くせ!女は国に尽くす男に尽くせ!〟』




「なぁなぁ!お前次の選挙はどこに入れる⁉︎」


「そんなの決まってだろ?『軍民党』だよ!」


「やっぱりお前もかぁ〜…俺もだけど。」


「だってよ〜…30年前に起きた『未曾有の天変地異』の時、積極的に国を先導してくれたのが『軍民党』だぜ⁉︎」


「周辺諸国の脅威から守ってくれたのも『軍民党』だったよな。」


「『軍民党』になってからは戦争は全戦全勝‼︎ヴァルキア大帝国は歴史至上最も栄えた時代に生きてる俺たち…本当に『軍民党』様々だよ」



「軍民党!エルエンディア‼︎」


「エルエンディア‼︎」


「エルエンディア‼︎『マート・レーリー党首』‼︎エルエンディア‼︎」





ーーヴァルキア大帝国 第2航空基地『リ・ラガード』



『ーオルネラ外務大臣が搭乗されている第5艦隊旗艦『リューブラント』がもう間も無く到着される。6番ゲートへ…整備兵は直ちに準備せよー』



航空基地の管制塔からのアナウンスで一斉に6番ゲートへと向かう整備兵。そこは、空中艦船を収納する為の巨大な格納庫だった。内部は色んな整備用の大小ざまざまな重機が取り付けられていた。整備兵達は格納庫の壁際にある鉄製の通路を急いで行き来しながら忙しそうに準備をしていた。



そして、大空をゆっくりと航行しながら航空基地へと向かって来る。一隻の艦船…第5艦隊旗艦『リューブラント』である。


1番の特徴は艦首部分に取り付けられた巨大な『剣』である。何となくガレー船を思わせるモノであった。



『ーこちら『リューブラント』、着港許可を求む。ー』



『ーこちら管制塔、着港を許可する。6番ゲートへ向かって下さい。ー』



『ー了解。ー』



『リューブラント』はゆっくりと格納庫へと入っていく。チカチカと光る緑色のライトが赤色に変わると、『リューブラント』は停止する。すると格納庫の上部から複数の巨大なワイヤーとホースが伸び『リューブラント』に装着される。それと同時に『リューブラント』から大量の蒸気が大きな音とともに噴き出してくる。



プシューーーーーーーッ!



『ー着港完了、お疲れ様でしたー』



横から伸びる渡し橋、そこから出てくるのはオルネラ外務大臣。多数の警護を引き連れて『リューブラント』を後にする。



「お疲れ様でした!オルネラ様!」


「……アンブロワーズ、国内は大事ないかしら?」


「えぇ勿論ですとも!皇帝陛下が皇城にてお待ちです、外に『自動車』を用意しておりますゆえ。」


「自動車は…あまり好きじゃないわ……自動車から出る排出ガスが…この美しい大地を汚してしまう…。」


「そのような事を…我が国の優秀な科学者達の血と汗と涙の結晶ですぞ。確かに…あの排出ガスは問題ではありますが、それも後半世紀もすれば解決できるでしょう。」


「……だと良いのですけど。」



格納庫から外に出ると真っ白な自動車が止まっていた。他にも多くの報道陣がメモ帳とペン、ストロボカメラを持って待ち構えていた。中にはミッチェル撮影機の様な物を持ちいつでもフィルムを巻く準備をしていた。



そして、オルネラの姿が見えてくると報道陣は一斉に彼女の元へと駆け寄る。



「オルネラ外務大臣!今回の会談は6年ぶりでしたが、如何でしたか⁉︎」


「我がヴァルキア大帝国は今回の会談ではどの様な立場を表明しましたか⁉︎」


「オルネラ外務大臣!カルテロ報道社の者です!どうか一言ッ!」



絶え間なく光るカメラのフラッシュ、撮影機のフィルムが回るカラカラとした音が辺りを包み込む。


オルネラは立ち止まり報道陣の方へ身体を向ける。報道陣達は一斉に彼女を注目する。



「……我がヴァルキア大帝国は…あくまで傍観者としての立場を選びました……我が大帝国の民達を…ヘタに危険に晒すわけには参りません…ヴァルキア大帝国は、来るべき時まで…待ちます。」



「「オォ〜〜ッ‼︎」」


再び一斉にフラッシュがたかれる。オルネラはそのまま自動車へと乗り、皇城へと向かう。





ーー皇城 謁見の間




「レイグラーフ皇帝陛下、オルネラ外務大臣様がお見えになられました。」



応接室の玉座に座っている髭の長い老人がいた。彼はこのヴァルキア大帝国の皇帝レイグラーフ・ユーセフソン皇帝。



そして、彼の隣に立っている黒スーツ姿の男性はマート・レーリー。軍民党の党首である。



代々この国の皇室と国家代表党首は深い繋がりがあった。しかし、実質この帝国の国家代表党首は軍民党が永らく続いていた。



それは120年前に起きた、ヴァルキア大帝国建国至上最も最悪な天変地異が起きた際、混乱した皇室政府やどの政党よりも真っ先に行動を起こし先導したのが軍民党だからである。そのため、皇室から絶大な信頼を得ているのだ。



正直な話、次期国家代表党首を決める選挙・投票はパフォーマンスでしか無く、30年前からずっと軍民党が国家代表党首そして君臨している。




「おぉ…戻られたかオルネラよ…。して、此度の会談の件だが…アレで良かった…。」


「光栄でございます皇帝陛下。」



レイグラーフ皇帝の言葉にオルネラは跪きながら答える。すると、皇帝の隣に立っていたマート党首が声を掛けてきた。



「しかし些か気になりますなぁ〜ニホン国は…多少話しには聞いていましたが、まさか本当の事だったとは…一体彼の国は何なのでしょうなぁ〜?」


「今現在分かっていることは…テスタニア帝国に勝利できるほどの文明を持つ国であること…後これは不確実な情報なのですが…」


「ん?」


「ニホン国は…『異世界から転移してきた国』との話が…。」


「ほぅ…それはそれはまた…不思議なものだ…そう思いますよねぇ?皇帝陛下ぁ?」


「………それが事実なら…これは運命なのかもしれんのぅ…。」



マート党首は顎をなぞりながら不敵な笑みを浮かべながら口を開く。



「先ずは…彼の国の情報収集が必要だな…」



するとオルネラはマート党首に対しある提案を口に出す。



「マート党首……それならうってつけの『種族』がいます。」



「ほぅほぅ…それは何かなぁ?」



オルネラは先程までの物静かな出で立ちと表情からは想像出来ないほど大きく口元を歪ませて不気味な笑みを向ける。



その表情にレイグラーフ皇帝やその側近達も思わずギョッとする。



「『ダークエルフ』です……。」

空中戦艦の容姿についての上手く説明したいけど…上手く出来ないのが悔しいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] オルネラ「ダークエルフです」ニタァ 皇帝「(なんだこいつ怖ッ!)」 オルネラ嬢の喪女感と皇帝の弱メンタルには草生えます。もしかしたら皇帝陛下を前にしてテンションがおかしくなっている可能性も…
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