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日出づる国、異世界に転移す  作者: ワイアード
第2章 テスタニア帝国編
20/161

第16話 4カ国会談

与野党の答弁が出てきますが、上手く書けてる自信が無いです…。


日本国 ロイメル王国 アムディス王国 テスタニア帝国の4カ国会談が始まります。


本日は夜勤がある為、1話分のみの投稿とします。

ーー2月下旬 午前10時頃 ロイメル王国 会議室



ウンベカントの騒動から3週間後、テスタニア帝国からの使者ムローロ・ダッチス男爵がやって来た。この場にはー


・ロイメル王国

外務局局長 ホムルス・マトゥ

外務局員 ザハナス・テュート

外務局員 バリー・ロモン


・日本国

外務副大臣 淡島徹

外交官 舛添香

外交官 新堀克己にいぼり かつみ


・アムディス王国

外務局局長 ゴメス・メレディーレス

外務局員 キルト・スフルス

外務局員 ルックル・ミュート


・テスタニア帝国

外務官 ムローロ・ダッチス男爵

外務官補佐 ゾル・ラミュレス子爵

外務官補佐 トルーニ・コム・デンテス子爵


大きく円形の机を囲むように座る4ヶ国の政務官たち。その中でムローロ男爵は足組みをしながら葉巻をふかすという、およそ外務官とは思えない態度に日本国を始めとするロイメル王国やアムディス王国の政務官は不快感を見せていた。



「さーてと…んじゃあさっさと終わらせるか。ニホン国は本当に『雌エルフ』を差し出すつもりは無いということで良いんですな?今ならまだ間に合うかも知れませんよ?」



ムローロ男爵は葉巻を机に押し付けて消しながら話した。その行動に温厚で優しいホムルスは一瞬ピクリとこめかみを動かし苛立ちを見せた。



「えぇ、我が国は既にフレイヤ王女を一時的な我が国の保護下に入れる事を決定しました。」



「理解できんなぁ…元々ニホン国には関係の無い事だろう?」


外交官の新堀が答える。



「貴国の狙いはフレイヤ王女の『能力ちから』でしょう?私たちもまだ確認した訳ではありません…しかし、貴国が工作員を送り出してまで血眼になって探していた事を考えれば、恐らく彼女の『能力ちから』は本当なのでしょう。そうなれば、遅かれ早かれ我が国に対しその『能力ちから』を使ってくる事は明らかです。」


新堀の言葉に対し、テスタニア帝国の女性外務官のラミュレス子爵が見下しながら答える。


「そこまで分かっているのなら尚更我が国へ引き渡す必要があると思いますなぁ。そうすれば、その『能力ちから』を貴国に行使する事はありませんよ。」



「…しかし、そうなれば我が国を貴国の『属国』とするおつもりでしょう?」


するとムローロ男爵は答える。


「当然ではないか!『強い国が弱い国を支配する』…自然の成り行きではないか?無論、それなりの『国としての体』は残すつもりだ、その代わり貴国の国民を毎月1000人を奴隷として差し出すことだ。そうすれば、無駄な犠牲者を出さずに貴国の愛する『平和』を守る事が出来るぞ?」



ムローロ男爵は再び葉巻を取り出し火をつけ深々と吸った。そして吐き出された煙を淡島に向けて吐きかけた。だが、淡島は表情を変えずに答える。



「そんなのを『平和』とは言わない。ただの『悪夢』だ。『戦争』となんら変わらない…。」


淡島の答えに苛立ちを見せるトルーニ子爵は怒りのこもった声で問いかける。


「では…本当に引き渡しを『拒否』するということで宜しいのですな?そうなれば、我が国80万の大軍勢が貴国を攻め滅ぼす事になるぞ…それでも良いのかぁ⁉︎」



しかし、淡島はそれに臆する事なくただ真っ直ぐ視線を向けて答えた。



「我が国はフレイヤ王女を引き渡すつもりも、『属国』になるつもりも御座いません。この決定に変更は無い。」



ムローロ男爵はフッと鼻で笑った後、ロイメル王国の外務局局長に顔を向ける。



「ニホン国はこの様に話しているが、貴国はどうだ?まさか貴国もニホン国の様な愚かな返答をするつもりはないであろう?ニホン国と国交を結んでいる貴国も戦争に巻き込まれるのだぞ?さぁどうする?」



ホムルスはふぅ…と軽く息を吐いた後に答える。



「テスタニア帝国の莫大な兵力…とてもではないが我が国だけの力ではどうしようもないな…」



ホムルスの言葉にムローロ男爵はニヤリと笑う。



「(ふふ…当然だ!それが普通なのだ!黙って我が国の『属国』になればそれで済むこ…)」



「我がロイメル王国はニホン国と共に戦う道を選ぶ!」


「「……えっ?…はぁー⁉︎」」


あまりの予想外の答えにムローロ男爵達は声を出して驚いた。


「き、き、貴様⁉︎何を考えておるのだ⁉︎」


ラミュレス子爵が綺麗に束ねていた髪が乱れる勢いで詰め寄るかのように問いかける。するとホムルスは怒りの表情で答える。


「『何を考えておるのだ』だと?…それはコッチのセリフじゃい‼︎さっきから貴様らのその『態度』はなんじゃ‼︎それが国と国との架け橋を担う外務官のする態度か⁉︎我らをバカにする様なその言動全てが不愉快だ‼︎相手に対し『敬意』を払えない様な国の『属国』になるつもりは無い!ならば我らは『誇り』を守るために戦う!かつての…我が国の友好国だった『ゾハン公国』の様に‼︎‼︎」



いつものホムルスからは想像できない程の怒りの形相だった。そして彼の口から『ゾハン公国』の名が出てくると、彼の目から涙が流れていた。



ムローロ男爵達はワナワナと怒りをあらわにしていた。次にアムディス王国へと顔を向ける。


「ゴメス殿はどうだ?ま、まさかこやつらの様な馬鹿げた答えはせぬだろう?な?」


ムローロ男爵は精一杯の笑顔でゴメスに問う。しかしその笑顔が明らかな『作り』であることは誰から見てもわかっていた。



「貴国とは…まぁ…そのぉ…『色々』とあったが…全て水に流そうではないか?それに我が国は既に貴国の何倍もの領土と兵力を有しておる、『あの時』とは違う…。そうだ!我が国の『右腕』の様な地位を貴国へ与えようぞ!」


「…。」


ムローロ男爵の必死のアプローチに対しゴメスは目を閉じて腕を組んで聞いていた。


「それに貴国はつい最近までドム大陸統一を目的とした『聖戦』をやっていたではないか?何故一度占領した土地を返還したのかは分からんが、貴国のバルトルア国王も『奴隷』が欲しくて行った事だろう?我々は『同じ洞窟のグレムリン』(日本で言う『同じ穴のムジナ』)ではないか?」



この言葉に対しゴメスはカッと目を見開きムローロ男爵を睨みつけながら答えた。


「我らのバルトルア国王を…貴国の『愚帝』と一緒にするな…。」



「へ?…」


ムローロ男爵達は信じられないといった表情で固まってしまった。ゴメスは話しを続ける。



「もとより我が国は貴国と手を組むつもりはない…ここに貴国の『居場所』は無い。さっさと失せろ『小物』ッ!」



ムローロ男爵達は勢いよく立ち上がった。その顔は怒りで真っ赤になっていた。そして3ヶ国に対し叫び声に近い言葉で話した。



「我がテスタニア帝国は神に選ばれた国だ‼︎その国の慈悲を断るとは…ッ‼︎良いだろう‼︎‼︎ならば貴様らの国を焦土と化してやる‼︎貴様らの国の民を全て奴隷にしてやる‼︎男どもは生きたまま皮を剥いで『剥製』にしてやる‼︎女どもは平民達の『慰みモノ』にし、老人とガキどもは翼龍の餌にしてやる‼︎神に選ばれた国に逆らうという事がどうなるのか…存分に思い知るがいい‼︎‼︎」



ムローロ男爵は会議室のドアを足で思いっきり蹴り開けて出て行く。しかし、その時右足を軽く引きづる様に歩いていた為恐らく痛めてしまったのだろう。他の外務官も焦りながらあとを追う形で会議室を出て行く。その際、そのうちの1人は会議室に唾を吐き捨てた。



静寂に包まれる会議室…

すると先に口を開いたのは舛添だった。


「ハァー…分かりきっていた事とはいえ、とうとう始まってしまうのですねぇ…。」


「『戦争』か…1世紀ぶりですねぇ淡島副大臣…」


「もうすでに1週間前に決まった事さ、野党からの反発は半端なかったが『あの時』の映像を全国に流したのが決め手だったな。」


「あれには流石の野党も大した反論は出来なかったですしね。」



ーー

『あの時』の映像とは、リマーベル達がウンベカントにやって来た時の映像である。あの時あの場所に居た『WALKERウォーカー』からの鮮明な音声付きの映像がフルで流れた。その時の彼らの言動、自衛官に対する暴行が国民たちの危険意識を一層と高めた。


(あんな野蛮な国が日本を侵略しようとしている…対話で解決できる国には思えない…仮にあの国と交流出来るようになったとしても、日本は悲惨な未来を辿る…そして真っ先に『悲惨』な目に合うのは私たち『国民』だ…)


野党は与党に対し「平和を脅かしているのはテスタニア帝国では無い‼︎今の与党だ!どんな理由があったとしても戦ってはならない‼︎対話で解決をしろ!過去を繰り返すつもりか⁉︎」


それに対し広瀬総理は『あの時』の映像をプロジェクターを通して見せた。そしてー


「あの国は自国以外を『奴隷産出国』としか見ていないですし、とても対話でなんとかできる国でもない。あの国と国交を結んで我が国が豊かになると?あの国と国交を結んで国民に何の悪影響も出ないと?日本が奴隷体制国家と国交を結べば、他国へのイメージダウンに繋がり、我が国は廃ってしまう。」



「……だが…それは、この国を戦争にー」


「これは『一種』の防衛行為だ。この国の『平和』と『誇り』を守るため、我が国は再び『刀』を抜かなければならないのです。」


「…そ、それは…異常なまでの暴力思想だ!あなたはこの『戦争』を正当化したいようですね!」


「そういう野党は、遅かれ早かれ国民に襲い掛かる『奴隷体制』の脅威を正当化したいようだ。『奴隷体制』がいかに野蛮で醜くくて酷いのかは子供にだって分かることだ。そんな国と関わるために『先人達』はこの国を発展させたんじゃない‼︎」


広瀬総理の言葉に対し、与党からは拍手喝采が一斉に沸き起こった。野党からは「こ、これは軍国主義の言動だ!」といった発言が聞かれたが、野党からも何人かが立ち上がり拍手をしていた。


ーー


ザハナスはホムルスの方へソーっと近づく。

ホムルスは目頭を抑えていた。


「ほ、ホムルス局長?」


「あぁ…すまない…大丈夫だ。」


ロイメル王国外務局員のバリーはムローロ男爵がテーブルに消し捨てた葉巻の屑を一つ一つ丁寧にとって片付けていた。


「…例え…国や種族が違えど…国同士の会談場所は『神聖な儀式』の様なもの。そんな場所をこの様に故意に汚すとは…あの国には『誇り』というものが無いのですな…。」


この様に発言しながら、バリーは次に吐き捨てられた唾をハンカチを使って拭き取る。


淡島はホムルスに近づきハンカチを渡す。ホムルスは「ありがとうございます。」とお礼を言い、涙を拭く。


「迷惑でなければ…その涙の理由をお聞かせ頂けませんか?」


ホムルスは鼻で軽く深呼吸をして落ち着いた後、口を開いた。


「…ハイ。我が国とゾハン公国は同盟に近い友好国だったのです。私が20歳の頃から続いた関係で、それはもう…災害や飢餓に襲われた時は互いに助け合った仲です。」


「そんなに長く…。」


「ですが…今から8年前にゾハン公国はテスタニア帝国に一方的な宣戦布告をされたのです。無論、ロイメル王国はゾハン公国へ援軍を送りました。その時、グラディス国王と私は正式な援軍支援声明を出すため、軍船に乗ってゾハン公国へ向かったのです。」



ゾハン公国とテスタニア帝国は中ノ鳥半島から北へ約3000㎞弱に存在する『ガルカイドニア大陸』という場所にある。



「だが…ゾハン公国へ向かう航海の途中…まだゾハン公国まで3日が掛かる所での出来事だった。我々の目の前に数隻の軍船がやって来た、ゾハン公国の軍船だった。国王陛下と私はゾハン公国からの出迎えだと思った…だが違かった…ゾハン公国の軍船は突然我が国の軍船に対し数本の矢を飛ばしてきた。届きはしなかったが驚いたよ…何故我々に攻撃をしてきたのか…するとゾハン公国の軍船から音声拡張魔法具を使ってこう言ってきた。」


ーー


『ロイメル王国の者達よ!我らゾハン公国

は貴国からの一切の援軍・支援を拒否する‼︎なお、我が国は貴国との国交を一方的に断交する‼︎』



グラディス国王を始め、ロイメル王国軍全員が驚愕した。


「(何故だ…何故なんだ…アンディ大公…我が友よッ‼︎)」


するとゾハン公国の軍船から再び音声拡張魔法具を使ってきた。


『此度の戦は我が国のモノだ‼︎テスタニア帝国に《勝利》したという名声と手柄は我らのモノ!誰にも渡さん‼︎とっとと失せろ!我らは…自国の《誇り》と《名誉》を守る為に戦う!』


「ーッ‼︎」


この時聞こえた声はゾハン公国の大公アンディ・メイルだった。そしてその時、グラディス国王は気付いた。アンディ大公の目から滝のように涙が流れている事に。いや、アンディ大公だけではない、その軍船に乗っているゾハン公国兵全員が涙を流していた。


「は、は、早く引き返せバカ共‼︎‼︎」


1人のゾハン公国兵が軍船から身を乗り出す勢いでロイメル王国の軍船に対し叫んだ!

すると、他の兵たちも続けてる。


「そうだ‼︎さっさと引き返せ!」


「俺たちの戦争だ!邪魔すんな!怪我するぞ‼︎」


「帰れ!帰れ!」


全員が涙を流しながら叫ぶ。


ロイメル王国の兵士たちもその事に気付いた。そして全員が気付いたのだ。


「(アンディ大公よ…まさか…我々を戦争に巻き込まれないために…テスタニア帝国の脅威に巻き込まれない為にッ‼︎)」




「アンディ大公…これで…宜しいのですか?」


「あぁ…構わん…すまんな、こんな事に巻き込んでしまって…」


「いえそんなことは…」


「お前たちも…別に逃げても構わんのだぞ?」


「我ら最後まで戦います!」


「すまんな…提督…」


その後、ロイメル王国は無理をして近づこうにも突然のハリケーンにより引き返すほかなかった。そして、ゾハン公国はテスタニア帝国に滅ぼされる。アンディ大公は公開処刑されてしまい、その死体は丸1年テスタニア帝国の帝都ロドムの広場に晒された。


ーー


「そんな事が…。」


「はい…いやいや!なんか辛気臭くなりましたな!申し訳ありません!」


「あまり無理はなさらない方が…」


「お心遣い感謝します。ですが…我らはもう同じ後悔はしたくありません…8年前の出来事で…もう十分です‼︎」



その話を近くで聞いていたアムディス王国外務局局長ゴメスはホムルス達を見つめた。


「(仮にあの時、ロイメル王国の1国と戦争をしても…恐らく我が国が敗けてただろうな…)」


「ゴメス局長…」


「あぁ…我らの蛮行が赦される訳ではないが…此度の戦、我らもニホン国・ロイメル王国と共に戦うぞ。」


「ですが…テスタニア帝国軍の兵力は…」


「わかっておる…15年前とは比べ物にならない程の兵力だ…奴隷兵も含めればあと20万はいるだろう…」


「ひゃ、100万ッ!」


アムディス王国とテスタニア帝国は領海を巡って昔から小さな争いが続いており、当時は互いに互角の兵力だった。しかし、15年前からはピタリとテスタニア帝国の軍船が現れなくなった。


「奴らは、力を蓄えていたというわけか…今奴らと戦ったら間違いなくアムディス王国は大敗するだろう。だが、今のアムディス王国は孤独ではない!」


ゴメスは淡島達を見つめる。すると不思議な気持ちが湧いてきた。


「不思議だな…彼等を見ると、ニホン国と共に戦えば敗ける気がしない…。」


こうして日本はロイメル王国とアムディス王国の2カ国と同盟を結び、共にテスタニア帝国と戦う事を誓った。これを『日ロア同盟』と呼ぶ。




3カ国がそれぞれの思いを胸に手を取り合って戦う決心をします。


文章力が無さすぎて本当に辛いです。他の人はどうしてあんなに上手く書けるんでしょうか…(泣)

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[一言] 三国同盟...公国...泣けるなぁ...
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