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三十五話「懸念」

前回の投稿日見てドン引きしました(本当にごめんなさい)

継続して投稿しようと思った結果短くなってしまいました。


 宴会を終えた後、俺達は港町セトノスを出発し再びD級昇格試験の護衛依頼の旅に戻った。

 ここからは今までの道のりを通って拠点の街、”壁都市チサラハヤ”に戻ることになる。全く同じ道を進むだけだし前半は全く問題なくここまで来れたので精神的にもだいぶ楽だ。


 メンバーも最初はDQNな奴らと警戒してた”魔天狼”の連中も戦力的には頼もしいし時々軽く突っかかってくるけど悪い奴らじゃない。というかこちらにすごく喧嘩腰だったのは最初くらいだ。あれは一体なんだったんだろうか……。彼らも違う街のギルドに来たばっかりで舐められないようにしてたとかかな?


 ”満月の森”のメンバーは流石年季が違うと言った所か常に冷静で俺達や”魔天狼”が好き勝手言った意見をうまく纏めてくれているリーダーポジだ。

 精神年齢的には俺の方が上のはずなのに同じことをやれと言われても多分俺じゃ出来ない気がする。これが帯妻者の余裕って奴か。ぐぬぬ。


 なんだかんだでうまく纏まってきたのかその後も危なげなくかつ前半よりかなり早いペースで進み、拠点の街まで残り一つの村を経過すれば着く所まで来ていた。


「そういえばカールさん」


「なんだよ」


「この村”ロビン村”でしたっけ。よく女性が行方不明になるとか言ってませんでしたっけ、あれってギルドに報告とかした方が良かったんですかね」


「ああ、あの話な。宴会した次の日に思い出してちゃんと報告してあるぞ」


 えっ、マジか。ちゃんとそういうこと報告してるんだ。失礼だけど意外だ……。というかそういった町とか村での近況も報告した方がよかったのかな? 試験的な意味で。


「一応ギルドの方でも把握してたみたいだけどな。これ以上増えるようなら騎士団に依頼するとか言ってたぞ」


「冒険者ギルドが動くんじゃなくて騎士団が動くんですか?」


 というかやっぱ騎士団とかあるんだ。と思ったけどよく考えたらイリスさんって元騎士じゃん。普通に忘れてたわ……。


「今回は人的被害の可能性がかなり高いからな……。そうなるとそれなりの人数の組織の可能性も高い。俺達冒険者も盗賊退治をしたりするが、そりゃ依頼があるからだ。調査、捕縛、売られた人間の捜索等までになると人数も時間もかなりかけなきゃならねぇ、それに見合う依頼料をあの村が出せると思うか? 無理だろうぜ、だったらもう国に頼るしかねぇよ」


「そもそもあの村がちゃんと納税しているなら国が動くのは当然なんだけどね」


 とイレーヌさんが会話に入ってくる。


「魔物の仕業っていう選は無いんですか?」


「ほぼ無いな。あの辺りは魔物が異様に少なかった、ゴブリンやオークもほとんど見なかったろ? あれは誘拐をやりやすくするために定期的に狩られている可能性が高い。魔物が少なければ村人の警戒心も薄くなりがちになるしな」


「ゴブリンやオークが隠れ潜んでるという可能性は?」


「あのなぁ、あいつらにそんな知性はねぇんだよ。あっても縄張り意識くらいのもんだ。まぁ上位種なら別かも知れないが、それも無いだろうな」


「どうしてです?」


「もしそうだとしたらどれくらいの規模の群かわからないが普段は群を人間に見つからないように統率し、女性を攫う時にも目撃者がいないように行動していることになる。そこまで知性があるとなると王クラスが統率している可能性がある。だけどな、王クラスってのは突然現れることはないんだ。個体差はあるが生まれてきた時は全部同じクラスからなんだよ、そこから他の魔物や俺達人間を殺して成長していき進化し続けて王クラスになるんだ。しかも強い魔物ならともかくゴブリンやオークくらいだと進化するのに一定の条件があるしな。この土地はその条件に合わねぇ」


 ふぁ~ん、なるほどねぇ。渡り歩いてきた可能性もあるんじゃ? と考えたけど近距離ならともかく長距離で移動すればなにかしらの痕跡が残るのでギルドの方に必ず情報が入る筈とのこと。


「まぁ上位種がいるなんて万が一にもねぇと思うぜ。それよりよぉ」


 なんだろう、急に近づいて耳打ちしてくるカールさん。


「あの宴会以来、クロエの事見てるとすげぇドキドキするんだけど」


「……あー」


「おい、なんだよその反応。俺あんま覚えてねぇんだよな。……もしかしてドキドキな展開とかあったのか!?」


「確かにドキドキはしたかも……」


 あんたの顎が砕けてないかってことでだけど。


「マジかっ! 何があったんだよ!」


「僕の口からはちょっと……」


「お前もかっ! うちの連中に聞いても『カールの名誉にかかわるから』って言って答えてくれねぇんだよっ!」


「本人に聞けばいいじゃないですか」


 聞いたらまた殴られると思うけど。


「それがよ、聞こうとして話かけようとして目を合わせるとドキドキしちまってつい視線を外しちまって話しかけれないんだよな……」


 さも恋心みたいに言うけどそれただの恐怖だからね。


「しかもだぜ! 相手も意識してるのかほんのり顔が赤くなっているみたいだったぜ。その後、神に祈りを捧げるように手を組んでたし」


 そういえば身体強化の魔法って新陳代謝とか血行とかも良くなるんだよね。あと神に祈ってるときに指の骨がボキボキ鳴るのはおかしいと思うの。


「これって脈ありだよな!? 思い切って迫ってみるか? 最近まで壁ドンってのが流行ってたんだろ?」


「(カールさんの脈が)あるといいね」


 はたして何がドンされるのか……。

お久しぶりでございます。いつもお読みいただきありがとうございます。

なんといえばいいのか、前回も大変お待たせしてしまったのに感想等書いて頂いたのにまた同じことをしてほんと進歩なくて大変申し訳ないというか。

一話ごとは短くなるかもしれませんが出来るだけ更新していく所存でございます。

そのうちキャラ紹介とかも書く予定です。

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