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二十九話「嫌な予感」

いつもお読みいただきありがとうございます。

 模擬戦をした日から数日は討伐依頼をこなし、4人での行動に慣れてきたので夜営の訓練も始まった。夜営は森に3日ほど滞在して昼は魔力操作や剣術の訓練、夜はテントを張り火をおこして見張りと休憩を交代で行う。


 イリスさんと見張り番になった時に、魔術学校の入学試験の内容について聞いてみた所、この大陸の簡単な歴史知識と四則演算が主な内容とのこと。

 魔法に関しては、入学時点ではまだ使えない子もいるらしく別に発動ができないからといって入学が出来ないわけじゃないらしい。これは、まだ幼い子供に魔法を覚えさせるとMPを使い切ってしまう可能性があるので学校で厳しく習った後に覚えさせた方が良いとの方針があるからのようだ。


 実際、魔力を使い切って亡くなってしまう子供が毎年何人か出ているのだという。そういった理由で魔力量の管理がしっかり出来るかというのを確認するために四則演算も試験内容に入っているとのこと。


 魔法が発動できるかより重要なのは魔力量らしく、12歳時点で最低20は必要らしい。20ってことは年齢が上がった際にちょうど5割の確率で魔力量が上がったとしても生まれた時点で14は必要になるということだ。

 魔力量が多いもの同士の子供は確実に普通の子供より魔力量が多く生まれてくるらしく、貴族は優秀な血統作りに余念がないそうだ。


 この魔力量に対しては心配がない。逆に魔力量がありすぎるというのがある意味心配だ。あとは大陸についての知識か。これはイリスさんに教わるか本を買うしかないだろう。……本、高いんだろうなぁ。立ち読みとかできませんかね。



 夜営をする以外の日は相変わらず、午前中は狩り、午後は狩りの続き、もしくは魔法と剣術の訓練となっているが俺の実績上げの為に狩りの割合が増えている。オークも持ちきれないのに狩っていてだいぶもったいないことをしてる。

 

 今日はなにか新しい魔法が使えないか街の外にでて一人で実験をしている。

 とりあえず安直に今使えない属性について考えてみる。まずは光だけど以前いった廃坑でも言ったように光の原理がよくわからない。


 白熱電球だっけ?あれは熱によって発光してるんだっけか。だとすると熱か? あれ? 熱を電気に変えてるから熱で発光するわけじゃないんだっけ?

 やばい、神様に言われた通り全然知識チートできそうな気がしない。とりあえず熱を発生できるか試してみよう。温度を上げるといえば俺の中で思い浮かぶのは電子レンジ。確かあれは分子運動を活発にすることで温度が上がると聞いたことがある。


 魔法で少量の水を出し、その水に分子が激しく動くイメージをしながら魔力を注ぐ。

 見た目は変化ないけど……。試しに触ってみるとちょっと生暖かい。運動量が足りないかなと思い、激しく振動させるイメージで魔力を注ぐがやっぱり見た目に変化はない。触って温度を確かめようとした瞬間、突然激しく沸騰して水が噴き出す。


 うおおおお!? なんだこれ! というかだいぶ熱くなってたのか、危ない。と、とりあえず熱を発生させることはできたけど、ここからどう光につなげていくかがわからない。……うーん、もういいや。これで熱魔法として使っちゃおう。


 沸騰した水ぶつけるとか地味だけど結構エグイよね。魔物相手に効くか分からないけど対人なら結構有効そう。対人で魔法使うことがあるかわからないけども。


 その後は逆に運動なくせば温度下がるんじゃないかという単純な思考でやってみた所、見事成功して水を氷にすることができるようになった。

 魔物を探して試しにやってみた所、氷漬けにはできるけど水魔法で水集めて熱魔法で温度下げて凍らして、敵が死んだのを確認してから溶かすという3度手間になってしまったのでほとんど使えそうにない。


 ただ、私生活では大活躍しそうだ。食事中にイレーヌさん達がエールを飲んでる所を見てたけど常温で飲んでいる。日本では当たり前に冷えたお酒が飲めるけどこちらは常温が当たり前だ。やはり、お酒やジュースなどの飲み物は冷やした方が美味しいと思うし、電子レンジと同じ機能なら冷めた料理の温めもできるはずだ。

 オイゲンさんと相談して料理に活用できないか聞いてみよう。


 生活的にはかなり便利そうな熱魔法だが出来るならやはり攻撃魔法として使いたいと思い、試行錯誤してみる。

 氷を剣のような形にして作ったりもしたが冷たくて持ってられないし切れないし折れる。あとは氷柱みたいに鋭くして敵に当てるくらいだけど今の所、威力が微妙だった。もっと射出速度を上げないと敵を貫くまで至らない感じ。初速が足りない感じなので今度は自分で投げてから速度を上げるようにしてみようかな。


 他は地面を凍らせて転倒を誘うとか? 攻撃じゃないけど結構有効そう。発想力が足りないから今はこれくらいしか思いつかない。もっと有効利用できるはずなんだけどなぁ。

 

 そんなことを考えながら街の外から戻り、ラブリーアマーリエ亭に帰るとギルさん達がいた。なんだかものすごく久しぶりに会った気がする。


「あれ、ギルさんどうしたんですか」

「ああ、俺たちここ最近依頼でこの街を離れたじゃないか。それで帰ってきたらここの料理を食べたくなってな」

「料理は美味いですからねここは」

「料理はってどういう事だオイ」

「このおっさんがいなけりゃもっと美味く感じるのにな」

「俺がいなけりゃ料理作れねぇじゃねぇか!」


 なんて冗談を言い合いながら、ふとヤンさんがいないことに気づく。


「あれ、ヤンさんは今日はいないんですか」


 すると突然真後ろから声がかかる。


「いるぞ」

「うわあああああ」


 吃驚した! え、いつの間に後ろに? というかその恰好ジャパニーズNINJAじゃないですか! ヤンさんは黒頭巾にスカーフ、そして黒い忍衣装を着て全身真っ黒の恰好だった。


「お前から忍者の話を聞いてから俺なりに修行してみてな。毎日続けていたらついに忍術というスキルが発現したんだ」


 嘘だろ……。なんでこっちにそんなスキルあるんだよ? 完全に地球のだろそれ。前から思ってたけど明らかに地球っぽい文化がこっちに伝わってる気がするんだけど。スキルとしてあるってことはこっちの神様が作ったのかな? 地球の神様もこっちの世界覗いてるって言っていたしこっちの神も地球を覗いたりしてるのかもしれない。


 こっちの神様に会ったことないけど地球の神様のノリを知ってるとすごいあり得そう。


 ちなみにスキルはギルド直属の鑑定士に有料で見てもらえる。ギルドの直属だから情報が漏れることはまずない。鑑定士は後になって自分の情報を隠したくなった奴や他人の情報が知りたい奴に狙われることが多いらしくやること自体は楽だが結構危ない目に合う仕事らしい。


「忍術ってどんなことが今は出来るんですか」

「今の所、気配を消すことと暗器を扱えるくらいだな。あとはかなり身軽に動けるようになった」


 他の奴にはいうなよ? とヤンさんが注意をしてくる。

 良かった。さすがに分身したり火遁とか使ったりはしないか。しかし口頭で説明しただけなのに実際に気配を消すレベルになるとはヤンさん恐るべし。後で二刀流についても話しておこう。


 いまだ俺は剣術のスキルも発現していないってのになんなんだこの差。イレーヌさんやギルさん達に大分見てもらってるんだけどなぁ。


「そういえば、もうDランクの試験が近いそうじゃないか」

「もうイレーヌさん達は受けられるんですけど、僕はまだ実績が足りないそうで待って貰ってるんです。そういえばギルさんもCランク試験が近いと聞きましたよ」

「まぁな。それでも早いもんだぞ。俺たちがDランクに上がったのなんて登録してから3年後だったからな」

「もし宜しければDランク試験の事でなにかアドバイスとか貰えませんか」

「そうだな……。Dランク試験は他のパーティと合同で行う。かなり長期の護衛になるからな。一日や二日だったら見張りの時間を増やして睡眠を削っても問題ないが長期にわたると厳しい、そのため何組かのパーティで見張りと睡眠を交代でとることになる。ここでパーティ同士でいざこざが起こるのが一番怖いな。過去には斬り合いに発展したこともあるらしい。当然そんなことをおこせば失格どころじゃない。ギルドから信用を無くして最悪登録抹消だ」


 それって組む相手の性格次第だよね……。なんか物凄く嫌な予感がするんだけど。いやまさかね、こういう時ばっかりそんなお約束が来るわけないよね。ハハハ。















日常生活の方が忙しくなってきたのでこれから毎日投稿は厳しいかもしれません。

文章の書き方等、ご指摘がありましたので出来るだけ直していきたいと思います。

ただ、書いている者がアホなのでなかなか直らないと思いますが何卒ご容赦を

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