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二十五話「酔っぱらいの中に素面でいるとつらい」

本日3話目です。

たくさんのブクマ、評価ありがとうございます。

ご指摘を受けて24話でのレベルアップ時のステータス上昇値を記入させていただきました。

 ギルドに報告にいき報酬をもらった後、オイゲンさんにオーク肉を調理してもらい、簡単な祝宴が開かれた。なんでもオークはEランク冒険者の壁らしくオークを倒せればDランクの試験を受けることができるらしい。

 ただDランクの試験を受けるにはEランクとしての実績も必要らしくこちらはまだ二人とも足りてないそうだ。

 俺はそもそもまだFランクなので今時点では関係ない話だ。もっともあと一月もすればEランクに達成できるとのことだ。

 Dランクに上がると討伐だけではなく護衛などの依頼を受けれることになるらしい。

 護衛依頼は危険度がまちまちになるが盗賊などの現れる場所を除けば、基本安全な内容で結構な報酬を頂けるそうだ。ただ、長期にわたって時間をとられたり、夜営の際の見張りを順にこなすため最低でも4,5人はメンバーがいるとのことだ。


 イレーヌさんはともかく、珍しくクロエさんもお酒を飲んで出来上がっている。二人はもう16歳なのでお酒が飲めるらしい。ここでは15歳でもう成人扱いされるみたいだ。もちろん俺は飲めないので素面だ、そもそも前世でもお酒は苦手だったからこちらの世界でも飲むことは少ないだろうけど。


「あんららちにはなしがあります」


 酔って滑舌が悪くなっていて聞き取りづらい。


「・・・え、僕とクロエさんにですか?」

「そうよおおお、あんららちねぇ。いっておくけどぉパーティ内のれんあいはきんしなんらからねー!」


 なにいってんだこいつ。


「いや、してませんけど」

「ごまかそうったってそうはいからいんらから!」

「・・・いや、本当ですよ。今の所クロエさんに恋愛感情があったりはしません」

「はぁーん。くりょえはどうなの?やたらこいつにやさしいじゃなぁい」

「イレーヌちゃんはどうなの?ハルト君のこと嫌い?」

「あたしぃ?きらいじゃぁないけどぉ」

「じゃあ好き?」

「まぁどっちかといわれたらねぇ。あに見てるのよ、あんらまさかあたしのこと狙ってるんじゃあないでしょうねぇ。たしかにあたしは可愛いけど・・・」


 クロエさんは割と酔ってないのかな。言葉に知性が感じられる。それに比べてイレーヌさんはダメだ。この人絶対翌日に後悔するタイプだわ。

 ちょっと聞いてんのぉ、と言いながら頭をペシペシたたいてくる。うぜえ。


「まぁイレーヌちゃんだったら許してもいいかなぁ。他の人だったら絶対許さないけど」


 ク、クロエさん・・・?殺気がとんでらっしゃいますけどもしかして酔ってらっしゃいますでしょうか?


「ハルト君、ほんと可愛いわぁ。ねぇ女の子の服とか興味ない?ああ、女の子と言えばずいぶんユリアさんと仲いいわよねぇ・・・」


 完全に目が据わってらっしゃる。マジか・・・マジか。

 お淑やかで癒しの存在だったクロエさんが・・・。明日からどう反応していいんだこれ。出来ればここにいる全員の記憶が明日の朝には消えていますように。

 これ以上ここにいてもいいことはなさそうなので早めに撤退する。オイゲンさんがこいつらなんとかしろよ、みたいな目で見てるけど知らん。

 俺はただの10歳児でオイゲンさんはここの店主だ。オイゲンさんが対応するのが然るべきだろう。


「じゃあ僕もう眠いんで部屋に戻らさせてもらいます」


 そういってダッシュで部屋に戻る。おっと部屋に鍵をかけるのを忘れないように。お約束属性はないけど万が一があるからね。今夜の記憶はなかったことにしよう。




「・・・おはよう。うっ、あったま痛ーい」

「おはよう、ハルト君」

「・・・おはようございます」

「昨日、なにかあった?気が付いたらベッドで横になっててさぁ」

「ナンモナカッタッスヨ」

「・・・?ならいいけど」


 イレーヌさんはどうやら覚えてないようだ。良かった(本人が)。

 だが問題はここからだ。

 チラッっとクロエさんの方を盗み見る。・・・いつも通りに笑顔でポワポワしてるように見えるけど、なぜかそれが逆に恐ろしい。


「イレーヌちゃん大丈夫?午前中休みとった方がいいんじゃないかしら」

「うー、そうさせてもらおうかしら・・・」

「じゃあ、ハルト君と二人で適当な依頼でも受けてくるわね」

「お願いー。じゃあお昼に街門で集合でいいかしら」

「わかったわー。じゃあハルト君行きましょう?」

「アッ、ハイ」


 なんだこのプレッシャーは。ともかくギルドに向かって歩き始める。


「そうだわ、ハルト君」

「・・・なんでしょうか」

「依頼を受けるときはユリアさんにハルト君が話かける?それとも私が話しかけた方がいいかしら」

「・・・オネガイシテモイイデショウカ」

「ええ、もちろん」






「お待たせ!・・・なんであんたそんな疲れた顔してるの?」


 待ってたよイレーヌさん!本当に待ってた!


「さぁ3人で行きましょう!3人で!いやほんとこのパーティは3人揃わないとね!」

「ほんとどうしたのよあんた・・・何かあったの?」



 何もなかったよ。ただイレーヌさんが来るまで物凄く視線を感じてただけで。

 この先いろいろな事に気を付けないと、俺の何かがいろいろとヤイ・・・。

 しかしもう癒しの対象がアマーリエちゃんくらいしかないな。今夜あたりモフりに挑戦しよう。




 その日の腹パンはなぜかいつもより響いた。








いつもお読みいただきありがとうございます。

クロエさんのキャラがどうしても薄くなりがちだったので濃くしようとしたら大変なことになりました。でもこのまま行きます。


日間ランキング21位になってるようで皆様には感謝感激の一声です。

とても信じられず私が一番ポカーンとしています。あり得ぬ・・・。

これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします。

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