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二十二話「杖とショタ」

本日の投稿になります。

今日は時間がなく一話のみとなりそうです。

ブックマークと評価ありがとうございます。

 ―――――イレーヌside――――――


「……貴女小さい男の子が趣味だったの?」

「ぶっ!?」


 突然のユリアさんの言葉に思わず吹き出す。


「あなた達がよく行動を共にしてるってことでちょっと噂になってるのよ……」

「そんなのパーティメンバーなんだから当たり前でしょ!」

「……それでも報告が多すぎるの。それにね、手も繋いで悩ましい声まで出してたなんて話もあるの……」


 身体強化魔法の練習のことだ……。冗談じゃないわ、そんなことになってるなんて……。


「あれは、違うのよ。ちょっとした訓練みたいなもので!」

「訓練……ね、いったい何の訓練なのかしら」

「それはちょっと言えないっていうか、あいつの許可がないと……」

「………」

「ちょっと!なんで黙るのよ!そもそもクロエも一緒に行動してるし同じ訓練もうけてるんだから!」

「だから余計に問題なのよ……。あなた達、今この街の冒険者たちの中でなんて言われてるか知ってる?……ショターズよ」

「……なにその安直かつ直接的な名前」


 最悪だわ、と毒づかずにはいられない。そもそも私はあいつにそんな感情抱いてないし普通の同年代くらいの男性の方が好みだ。

 クロエはどう思ってるんだろうとチラリと横目でみるといつも通り、ポワポワしながら微笑んでる。この子妙にあいつに優しいし、まさかあり得るのかしら?

 ……最初は弟みたいな存在が出来て可愛がっているだけと思ったけど……。

同じ時期に冒険者登録して女性同士ということでパーティを組み、もう1年になるけどほとんど自己主張とかしない子だからあまり深い話はしたことなかったけど、まさか小さい男の子が好きだったなんて……!

 でもパーティ内の恋愛って結構ゴタゴタして解散とか多いみたいだし、あいつも2年後には魔法学校に入る予定だから結局離れ離れになるのよね。あいつの能力も惜しいし身体強化や魔力操作の訓練も積みたいから、クロエには悪いけどここはパーティ内の恋愛は禁止してもらおう。


「何かいろいろと考えてるのはわかるけど、肝心のハルト君は今日どうしたの?」

「……えっ?ああ、あいつね。あいつなら杖を買いに行っているわよ」


 もう会ってから一月も経っているのになかなか杖を買いにいかないから指摘した所、忘れてた!みたいな顔をして後「明日買ってきます」って言って皮袋に入ったお金の数を確認していた。たまに買い食いをするくらいでほとんどお金を使わない奴だからかなり良い物を買えるんじゃないだろうか。あ、でも入学金のためにあまり使えないって言ってたかも。しかし、あれだけの魔術の腕だから一定水準以上のものは買ってくるだろう。またパーティの戦力が上がると思うとこれから先の活動に期待が止まらない。そうね、そろそろオークに挑んでみようかしら。



―――――ハルト side――――――


 今日は杖を買いに来ております、どうもハルトムートです。

 先日イレーヌさんに指摘され、そういえば忘れてたなと思い、本日は午前中に休みをいただきました。

 そんなこんなで魔法店に来ているのだ。ゴブリンとウルフの討伐でだいぶお金も稼げたしちょっと奮発しちゃおうかな。


「すいません、杖が欲しいんですけど金貨1枚くらいでおすすめのものってありますか」

「……その金額だと魔法鉄を使った物か銀を使った杖かな。銀の方は魔力伝導率が高いけど魔法鉄に比べると脆い。逆に魔法鉄は強度はあるけど魔力伝導率は銀に比べると低いよ」


 なるほど・・・。なら銀の方一択だな。近接なら杖使わないで剣と短剣使えばいいし。


「では銀を使ったものでお願いします」

「ありがとうございます。杖の長さはどうします?使う人の身長はどれくらいかな?」

「あっ、使うのは僕なので短めのものでお願いします」

「ええっ、君が使うのかい?その年で魔術を使えるなんて大したもんだ。じゃあその杖の使い心地を試してみるかい」

「えっ!?ここでですか?」

「ああ、なにも発動させなくてもジンを出すだけでも使い心地はわかるはずさ」


 ……ジン?ジンってなんだろう。普通なら出来ることなのか?

なんのことかわからず突っ立っていると店員の視線が疑いのものに変わっていく。


「……君、まさかまだジンも出せないのかい?だとしたらこの杖はもったいないよ。まだジンが使えるようになるかもわからないのにさ。こっちの練習用の杖で十分だと思うよ」

「いや、違うんです。魔法は使えるんですよ!」

「はいはい、じゃあジンを出せたら売ってあげるよ」


 くそぅ、なんて奴だ。本人がいいって言ってるんだから売ってくれよ。

なんてことも言わずそのまま練習用の杖を購入する。

 もうちょっと粘ろうと思ったけどなんかもうめんどくさかったんだよね。

 最悪、見たら魔法使いなんだなってわかればいいかとも思ったし、今まででも普通に魔法使えてるし。ちなみに金額は銀貨一枚でした。安い。

そのままギルドに寄って買った杖を見せたらイレーヌさんにチョップされた。何故だ。










いつもお読みいただきありがとうございます。

昨日の夜の分は予想外に時間がとられかけませんでした。マニアワナカッタ。

明日は時間が取れるはずなので2,3話いけるはずです。


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