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二十話 「パーティ参加(本採用)」

いつもお読みいただきありがとうございます。

本日2話目です。

「じゃあ、さっそくこのまま向かいますか?」

「えっ、あんた杖は?」


 杖?杖がどうかしたのかな。確かに魔法使いと言えば杖だけど。


「いや、持ってないですけど」

「「は?」」


 おおう、イレーヌさんとユリアさんがシンクロしてる。クロエさんは変わらずポワポワしてる。可愛い。


「魔術師の必需品でしょ。なんで持ってないのよ!」

「えっ、そうなんですか?すいません、独学なもので。でも杖を使わなくても今まで問題なく使えてたので大丈夫ですよ」

「えっ、杖使わないで魔術って発動できるの?」


 イレーヌさんがユリアさんに向かって言う。


「専門的なことはちょっとわからないわ。ただ杖を使わない魔術師なんて聞いたことはないわね」


 なんだって。まさかMP効率がやたら悪いのはそのせいなのか?

 でも今日杖を買いに行くのは時間かかるし、そういうのはじっくり選びたいからなぁ。


「まぁとりあえず使えるので大丈夫です。行きましょう」

「あんたがいいならいいんだけど。でも後から杖がなかったからなんて言い訳は使えないんだからね」

「はい、わかってます」

「じゃ、向かいましょう。クロエ行くわよ」

「はいはーい」



 はいそしてやってきました。森の奥です。


「とりあえず、ゴブリン1匹相手に戦ってもらうから。ダメそうならフォローはするから運が悪くなければ死なないでしょ」


 単体で行動をしているゴブリンを探しながら森を進む。


「いたわ。この指の先、だいたい50メートルほど先よ。近くまで一緒にいくからそこから一人で倒しなさい」


 コクリと頷き、身体強化の魔法を発動させる。

 うわ、緊張で体が震えそうになる。ギルさんとの特訓を思い出そう。

 ええと、ゴブリンはこちらの姿を見かけると真っ直ぐに向かってきてナイフや剣を無茶苦茶にふってくるだけだから冷静に対処するか投擲や魔法などで距離が離れている間に仕留める。単純な攻撃だから、こちらのステータスが上回っていれば能力でごり押しも可能とのことだったはずだ。


 残り20メートルの距離で行動を起こす。向こうもこちらに気が付いたようでこちらに方向転換をする。俺は身体強化によって強化された足腰と風魔法を使って体を押し一気に加速する。そのままゴブリンには向かわずゴブリンの横にある木の幹を蹴って体を浮かし、風魔法で位置を調整ゴブリンの真上に移動する。

落ちながらゴブリンの首の後ろからナイフを突き立てた。首から大量の血が吹き出し、そのまま倒れる。もう動かないのを確認してから二人に声をかける。


「倒せました」

「すごかったけど……。あんた魔術師よね?魔法はどうしたのよ」

「使いましたよ、身体強化の魔法と風魔法。浮き上がったりしたのが風魔法です」

「なんか私の思ってた魔術師と違う……」


 クロエさんはすごいねーって言いながら頭をなでてくる。なんだこの癒し系美少女。でもさっきのでゴブリンの血がついちゃってますからあんま触らない方がいいですよ。なんかちょっとこの血くさいし。


「じゃあ次はわかりやすく攻撃魔法で倒します」

「なんで最初からそっちを使わないのよ……」


 日本の忍者スタイルを実践できるかと思ってギルさん達と秘密の特訓をしてたんだよね。ヤンさんなんかはクソカッケェなその戦い方とか言いながら真剣に俺の話を聞いていたし。実際カッコウイイ。

 今度、知り合いの職人さんに忍び装束を作って貰うっていってたから出来たら俺にもその職人さんを紹介してもらおう。

 あとはこうやって体を使って倒していった方がレベルアップ時に能力が上がりやすいかと思ったんだ。

 森を歩いている最中に二人の戦闘スタイルを聞いたんだけど、クロエさんは獣人特有の筋力を生かした両手剣での主戦力として。イレーヌさんは剣と盾を使ってクロエさんのサポートをする戦い方らしい。

それを聞いた際にこっそり二人を鑑定してみるとクロエさんはSTR、イレーヌさんはDEXとVITが他のステータスより高くなっていた。

レベルアップ時にすべてのステータスが確実に1上がるわけじゃないことはギルさん達のステータスを見たときにわかっていたけどどう上がるかはまだ用検証だ。


 そんなことを考えていると今度は2匹のゴブリンが歩いているのが見える。


「2匹いるわね。私が1匹相手するからその間にもう1匹をって形でいいかしら」

「いえ、大丈夫です。2匹とも任せてください」


 ゴブリン2匹に対して遮蔽物の無い位置取りを意識して近づく。

 鋭い刃の風魔法をイメージし、意識を集中させる。

 ゴブリン2匹が気づきこちらに走ってくるが、あとは射程圏内に入ったら魔法を発動させるだけでいい。

 ゴブリン達が無警戒で武器を振り上げながら魔法の範囲内にはいってきたので魔法を発動させる。一瞬突風が起こり、次の瞬間にはゴブリン2匹の首が切断されたいた。

 確かにこの遅さでなにも考えないで向かってくるゴブリンは俺の敵じゃないかもしれない。ただやはりまだ連発はできないので数が増えると厄介だな。そこらへんはパーティを組むことである程度解消されそうだけど。


「こんな感じです。どうでしょうか」

「いいわ、十分すぎるほどよ。まさかこれだけ威力の高い魔術が使えるなんてね」


 良かった。なんとか認めてもらえたみたいだ。

 クロエさんもすごい威力だね!って中腰で顔の高さを合わせながら頭を撫でてくれる。クロエさんはマジ癒されるなぁ。顔の高さを合わせてくれているから彼女の猫耳もすぐ近くにある。そのまま衝動的に触れようとするとイレーヌさんから本気のチョップを食らう。マジ痛い。


「問題ないみたいだから今日はこれで帰るわよ。うずくまってないでサッサと行くわよ」



 まだ俺がモフモフを堪能する日には遠いみたいだ。またVITが上がってしまうな。


3話目はできれば22時頃に投稿する予定です。

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