一話 「誕生」
気がつくと同時に空腹を感じ、自分の意思とは別に声をあげてしまう。
その声を聞いて母親らしき人物がこちらに近づいてくる。
茶髪で20歳前後の少し小柄な女性だ。
ああ、これから転生ものには付き物なあの羞恥イベントがくるのか・・・。
心を無にして母親らしき女性の露出した胸に口をつける。
「―――――――」
何をいってるのか全くわからん。
とりあえず鑑定で名前を見ようと女性に意識を集中させて鑑定と心の中でつぶやいた瞬間、意識が途絶えた。
気が付くと同時に空腹を感じ、自分の意思とは別に声をあげてしまう。
ものすごくデジャヴである。女性から母乳をもらい、改めて状況確認をしてみる。
女性に抱きかかえられ、近くには木でできた赤ちゃん用のベッドに薄い布がかけてある。これが先ほどまで自分が寝ていた場所だろう。
家も木造のようであまり広くはない。というかかなり狭い。
今いる寝室っぽい部屋とキッチンの部屋しかない。
母親に向かってもう一度、鑑定をかけてみる。
人族:女性
えっ、こんだけ?見ればわかるんですがそれは。
しかし人族か。異世界だしエルフとか獣人とかいたりするのだろうか。
そこらへん神様に聞き忘れてたな。というかステータスの種類が何を意味するのかもちゃんと聞いてないじゃないか。
HPは普通に生命力、MPは魔力量なんだろうけど、STR=筋力、VIT=体力もしくは頑丈さ、INT=魔力、DEX=器用さ、AGI=身軽さ、LUC=運って感じかな?
自分のステータスって見れるのかな。心の中でステータスとつぶやいてみる。
しかしなにもおこらなかった。
ステータス見れないのか、不便だな。
だがしかし!それを補うための鑑定ではないだろうか!
さっき使った感じだとものすごく簡単なことしか鑑定できないがまだ熟練度的なものが足りないのだろう。
ということでバンバン使おう。
問題は最初に使ったときに意識を失ったことだ。たぶん鑑定を使うとMPを消費するのだろう。そして自分のMPは1。MPを消費して枯渇状態で意識を失ったと推測できる。
そして今回は使っても意識を保てている。
つまりだ!MP枯渇状態から治ると最大MP量が増えるのではないか。
異世界小説ものでよくあったし間違いない、どんどん鑑定しよう。
目の前のベッドにかけてある布に対して鑑定を行うとそのまま意識を失った。
気がつくと同時に空腹を感じ(ry
枯渇になると結構な時間で意識を失っているみたいだ。めっちゃおなかすいてる。
母親から母乳をいただいて鑑定の熟練度上げとMP上げの続きをする。
今回の枯渇でMPは3になっているはずだ。
まず母親に鑑定をかける。
人族:女性
熟練度はかわらずか。まぁさすがにそんなすぐに上がるわけないよね。
次はもう一度布かな。そして布に向けて鑑定をかけた瞬間意識が途絶えた。