十七話 「依頼達成」
本日2話目です。
冒険者ギルドに入り、ユリアさんのいる卓に向かう。
「薬草集めてきました。ここで出せばいいですか?」
「ううん、素材の買取カウンターがあるからそっちで数を確認してもらってからこちらに戻ってきてね」
「わかりました」
買取カウンターへ行き、眼鏡をかけた女性に話しかける。
「すみません、薬草を採取してきたので確認をお願いします」
「かしこまりました。……ずいぶん数が多いですね。数と毒草が混じっていないか確認いたしますので少々お待ちください」
一個一個鑑定で調べてとったから毒草は混ざっているのは万が一にもない。
おかげでMPがカラッカラだよ。
しかしどうやって薬草か毒草を見分けるんだろう。鑑定持ちかその道のプロの人なんだろうか。
こっそり鑑定を使う。
人族: 女性
アンゲラ (27)
Lv1
HP 105/105
MP 11/11
STR・・・13
VIT・・・13
INT・・・3
DEX・・・13
AGI・・・14
LUC・・・36
スキル:調合Ⅱ 水属性適正
調合は持ってるけど、鑑定とか持ってるわけじゃないのか。
調合にそういうのが含まれているのかな。
「確認終わりました。全部で160本ですね。毒草も混じってなく全部薬草なのも確認できました。ではこの板を持って受付カウンターまで向かってください」
「わかりました、ありがとうございます」
ギルド印の入った板に薬草、16と書かれた物を受取、ユリアさんの所に持っていく。
「ユリアさん、これお願いします」
「あら、ずいぶんたくさん採ってきたのね。初日なのにどうやってこんなに採れたの?普通5束がいいとこなのに」
「まぁ僕なりの探し方がありまして。内容はちょっと話せませんけど」
「ありえないと思うけど、誰かから奪ったりとかしてないわよね」
「そんなことしませんよ、ちゃんと自分で採ってきました」
「私だって疑ってないわよ。でもギルドの職員として聞かなきゃいけないの。じゃあ16束で小銀貨3枚と銅貨2枚ね」
「ありがとうございます。それとちょっと聞きたいんですがここら辺に鉱山みたいなところってありませんか?」
「あるにはあるけど・・・。どうしたの?」
「いや、ちょっと金でも掘って一発狙おうかと思いまして」
「残念だけど、鉱山は国が管理しているから勝手に掘ったりすると捕まるわよ」
なん・・・だと。
「廃坑なら勝手に掘ってもいいのだけど、時間と労力がお金に釣り合わないからおすすめはできないわ」
廃坑かー。確率少ないけどソナーがあればなんとかなるかなぁ。
「まぁでも、まずは地道な活動でランクを上げることね。少なくともランクがEにならないと廃坑のある場所には行かせられないわ」
「Eランクですか、遠そうだなぁ」
「まずはFランクね。Fランクなら採取系の依頼を200回達成できればなれるわよ。今回は薬草16束持ってきたから16回分達成ということになるわね」
結構多いな!
薬草2000本集めないといけないのか。
ユリアさんに聞くと薬草以外にも香草や食用の茸を集める依頼もあるらしい。
香草は数は見つかるけど単価が安く20本一束で50マニ、茸は数が少ないけど単価が高く10個で500マニだそうだ。
香草はともかく茸はソナーを使えばなんとか集まりそうだしメインは薬草にして茸もついでに探していこう。
薬草だけでも結構お金も貯まりそうだし、ランク上がったら防具でも買いに行こうかな。今の所持金は大銀貨一枚、銀貨一枚、小銀貨四枚、銅貨六枚で19600マニだ。冒険者ギルドを出てから魔法学校の入学費はいくらくらいか聞いておけば良かったことに気づく。
明日、ギルドに行ったときに聞けばいいか。MPも残り少ないし魔法の練習もできそうにないから今日は早く帰ってご飯食べて寝ちゃおう。
ラブリーアマーリエに帰ってくるとオイゲンさんが出迎えてくれる。そこは普通アマーリエちゃんのような可愛い女の子のポジションだろうが。
「おう、戻ったか。どうだった?宿代くらいは稼げたか?」
「はい、今日だけで小銀貨三枚ほどでした」
「おーおー、それなら安泰そうだな!」
「そうですね、問題なく稼げそうですし先に10日分ほど払っておきますね」
そういって大銀貨を取り出してオイゲンさんに渡す。
「ああ、悪いな。毎度あり。飯はまだちょっと早いから部屋で休んでてくれ。あとで水の入った桶とタオルを部屋に持っていくからな」
部屋に入り、オイゲンさんの持ってきてくれた水とタオルで体をふいて、今後のことを考える。まずは地道に採取でランクを上げ適当に防具をそろえる。Fランクから討伐系の依頼を受けれるようになるのでそこからはやはり討伐依頼をメインになるんだろうけど動きの鈍いゴブリンはともかくウルフはどうしよう。明日にでもギルさんに頼んで訓練させてもらおうかな。
そんなことを考えていると夕ご飯が出来たようでオイゲンさんから声がかかる。
「今日は、ハルトの初依頼達成の記念にオーク肉のステーキだ。かなり奮発したんだぜ」
「ありがとうございます。すごく美味しそうですね!いただきます」
味はまんまポークステーキだ。ガーリックがきいていてとても白いごはんが欲しくなる。いつか絶対に白いごはんを見つけに行くと思いながらポークステーキを平らげる。
「ご馳走様でした。オーク肉ってこんなにうまいんですね」
「おう、お粗末様。オーク肉は初めて食ったのか?」
「ええ、うちの村だと肉自体なかなか食えませんでしたから」
「ならまた祝い事の席で食わしてやるよ。うちの宿の料理としてはコストオーバーだからな」
じゃあ次はFランクにあがった時に作ってもらおうかな。
アマーリエちゃんは今日はもう部屋で休んでいるらしい、モフりたかったのに残念。諦めて今日はもう寝よう。おやすみー。
次は17時投稿予定です。