もしもクラス全員が『小説家になろう』の読者だとして、そんな場所に『悪役令嬢に転生しました』が起きたら
ここは日本のとある高校。
その一つのクラスでは、不思議なことがよく起きる。
「ただいまより、学級会議を行う!議題は、『ピタ子さん突然の変貌について』だ!」
「皆さんお気付きの通り、あの性悪令嬢である『ピタ子さん』に変化が起こっている。それも劇的にだ!」
「日々俺たちM男を『愚民』と呼び、鞭で叩いてくださっ」
「お前は黙ってろ」
「とにかく、今までひどい行いをしてきた『ピタ子さん』が身を潜め、人に優しい『ピタ子さん』になったのです。これはある事例と一致すると思われます」
「というと?」
「『悪役令嬢に転生しました』という事例だ」
「つまり、『ピタ子さん』の性格の代わりに、誰か別の人格が侵入したのです」
「『ピタ子さん』本人が心を入れ替えたって言う可能性もあるのではないか?」
「あの傲慢お嬢様が心を入れ替えるなんて、天地がひっくり返ってもあり得ない。お前だってそれくらいわかっているだろう!」
「静粛に!皆も言いたいことはあるだろうが、一度聞いてもらいたい!今から我々の取るべき行動を決めようと思う。
候補は二つ。ピタ子さんを問い詰めて、事実を吐かせる。もう一つは我々は何も知らないフリをして彼女にーー中に入っているのが彼か彼女か知らないがーー充実した『悪役令嬢に転生しました』ライフを送ってもらうことだ!これには皆の協力が必要だ。今から五分ほど相談した後、決定を下そうと思う。話し合ってくれ!」
五分後。
「では皆の答えを聞こう!問い詰める方に賛成の者。五名か。では『転生』ライフに協力して行くということでいいんだな?では早速これからのストーリーについてのプロットを……」
彼等は力を合わせて彼女ーー中身は男の子ーーの為に逆ハーレムを作り、地獄の日々を送らせてあげましたとさ。
めでたしめでたし。