第5話 後日談
「んー、慣れないな」
鏡に映る自分の顔をまじまじと見ながら自然とにやける。
以前の自分よりも多少、顔が整っている。
前の自分もそんな言うほど悪くはないが、今の方が多少・・・
認めよう、今の方が断然イケメンだ。
背も高い、髪のキューティクルも最高だ。
怪談に巻き込まれ階段で死んだ。
正確に言うと無意識ではあるが自分から巻き込まれに行ったのだが。
次に目が覚めたときには、新しい体になっていた。
保健室の先生が用意してくれた器に魂を定着させてくれた、ということは、この顔は保健室の先生の好みということなのか。
面食いか。
どうして魂の定着ができるのか聞くと、保健室の先生だからと答えになっていない答えではぐらかされてしまった。
ただ、怪談といった現象に対して問題が起こった際の調整役だということは教えてくれた。
一度は死んだ身。
新たな人生を歩むのもいいが、いかんせん学生の知識と経験ではどう生活していいかさっぱりわからない。
どうしたものかと考え込んでいると、保健室の先生が何を今更といったように言ってきた。
「これからは私の助手として働いてもらうに決まっているだろう」
就職先が決まった。