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伝説の英雄に召喚されたゴーレムマスターの伝説  作者: 三月 北斗
第十七章 魔獣警報レベル4
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5 魔獣警報

 お昼ご飯を食べて、軽く森を散歩して、午後のお茶の時間。

 マイヤーが入れてくれたお茶を飲みながら、ユーニスとマーガレットからフォルティナさんの話を聞いていたら、深刻そうな表情を浮かべたアラベスが喫茶室に入ってきた。

「お師匠様、マーガレット様。イムルシアのギルドマスターから魔獣に関する警報が届きました。警戒レベルは4。さらに詳細な情報が判明するまで待機して欲しいとのことです」

「レベル4、ですか……」

「なんだか面倒なことになりそうね」

 楽しそうに話をしていたユーニスの表情が一瞬で曇る。

 マーガレットはそんなに驚いてない感じ?


「警報が出るぐらい危険な魔獣が現れたってことですよね? 警戒レベル4ってどれぐらい強いんですか?」

「魔獣の危険度は五段階に分けられているの。レベル4は上から二番目。ダイヤモンドランクでも上位の冒険者じゃないと危険とされているレベルよ」

「そうなんですか? だったら、僕は無理かな……」

「ソウタ君は魔獣に興味があるの?」

「魔獣にも興味があるけどどちらかというと、ダイヤモンドランクの冒険者がどれぐらい強いのか、見てみたかったんですけど……」

 こっちの世界に来て半年ぐらい経つけど、未だに魔獣や冒険者の強さがよくわからないんだよね。

 アラベスや先代魔王がオニキスに力試しを挑んだけど、オニキスが相手じゃ参考にならない気がするし、ルハンナの街でグレートソードを持った男がアラベスに喧嘩を売ってたけど、あれは相手が弱すぎた気がする。

 ダイヤモンドランクの顔見せで基地に行った時、他の冒険者の実技試験を見られるんじゃ無いかと楽しみにしてたんだけど、オニキスとトパーズが土魔法が得意な人を相手にしただけで終わってしまった。

 戦うところをじっくり見たことがある冒険者ってマルーンぐらいだけど、伝説の英雄を基準にするのは問題があると思うし……。


「それなら、一緒に見に行きましょうか?」

「……良いんですか?」

「もちろん、ソウタ君なら大丈夫よ」

「僕はダイヤモンドランクになったばかりですけど……?」

 安全なところから見学するだけなら大丈夫かな?

「少し前に妖魔の森で、暴走した精霊を相手にしたでしょう? 警報を出すとしたら、あれがレベル5ね」

「ダイヤモンドランク上位の冒険者でも危険なため、手を出すのが禁止されているレベル……。レベル5は伝説の英雄が呼び出されるレベルです」

 マーガレットの説明をユーニスが補足してくれる。

「あの戦いを経験したんだから、ソウタ君はどんな相手でも大丈夫よ」

「そう、かなぁ……?」

 あの時、実際に戦ったのはオニキスとダッシュで、僕は離れたところから見てただけなんだけど……。本当に大丈夫なんだろうか? マーガレットが大丈夫って言うのなら大丈夫かな。


「マーガレット様。私もご一緒させていただいて、宜しいですか?」

 珍しく、僕の後ろに立っているマイヤーがマーガレットに声をかけた。

「……何が一番大事か、わかっているわね?」

「承知しております」

「まぁ、あなたなら良いでしょう」

 ユーニスとアラベスはずっと深刻な表情のままで、マイヤーはマーガレットから許可が下りてなんだかほっとしてる感じ。

「ふにゃあぁぁ〜」

 いつもと違う雰囲気も気にならないのか、テーブルの隅で丸まっていたルビィが大きなあくびをした。


         ☆


 夜になって、ギルドから詳細な情報が送られてきた。

 強力な魔獣が現れたのはイムルシアの東北地方。隣国との国境付近で、現在は南に向けて移動しているらしい。

 ギルドからの要請を受けて、既に複数のパーティが行動を開始。

 街や畑に被害が出ないように誘導して戦いやすい場所で罠にかけ、そのまま一気に倒す計画となっているそうだ。


 警報の原因となった魔獣はギノテリウム。

 本当ならゾウに似たおとなしい獣だが、大量の魔力を吸収して危険な魔獣に変化したのだろうと、ユーニスが説明してくれた。

 長い年月を経て自然の地形に魔力が溜まり、そこを通った獣が魔獣と化すのはそれほど珍しいことではないらしい。

 溜まっていた魔力がよっぽど多かったのか、今回は二体のギノテリウムが同時に魔獣となり、巨大化して暴れている、と。


 ……ゾウの時点で大きいと思うけど、さらに巨大化してるのか。

 まぁ、でも、妖魔の森で暴れてた炎の精霊も大きかったし、単純に大きくなっただけならなんとかなるのかな?

 妖魔の森で思い出したけど、豊穣の女神も魔力が濃くなってるのを放っておくと問題があるって言ってたっけ。

 なるほど……。こういうことか。


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