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伝説の英雄に召喚されたゴーレムマスターの伝説  作者: 三月 北斗
第十六章 ダイヤモンドランク
170/220

7 顔見せ(前編)

 マーガレットを連れて屋敷に戻ってきて数日後。

 いつものように朝ご飯を食べて、屋敷の玄関前に集合して、トパーズに乗せてもらって東の空に向けて出発した。

 トパーズに乗っているのはいつものメンバー。

 アラベスとマイヤーとユーニスとマーガレットと、あとは僕の相棒たちだ。

 行き先は大陸の東にあるリンガラム基地。

 そこで、長老会への顔見せが行われる予定だ。


 あらかじめ、地図で見た場所をリンドウが伝えておいてくれたみたいで、細かい指示を出さなくてもトパーズは東へ東へと飛んでいく。

 爽やかな秋の空。

 頬を撫でる心地良い風。

 最初のうちは地上の景色を眺めるのが楽しかったんだけど、大きな湾の上に出てからは海しか見えなくなった。

 海は綺麗だし対岸が見えないほど巨大な湾はすごいと思うけど、ずっと同じ景色になっちゃって、ちょっと退屈。

 そう思ってたらトパーズが速度を上げてくれた。


 ……こんなに速く飛んで、大丈夫なの?

 えっ? 進化する前からこれぐらい出せた?

 今は力が有り余ってるから、このペースでずっと飛べる?

 トパーズもすごいなぁ。

 それじゃあ、対岸に着いたらペースを落としてもらえる?

 地上の景色を見たいから……。頼んだよ。


 大きな湾をあっさり越えて、再び陸が見えてくる。

 森が広がっているけど、屋敷の周りの森とは微妙に印象が違う。

 住んでる人が少ないのかな?

 小さな村が点在しているだけで、大きな街はないようだ。

 ユーニスの説明によると、この辺りに三つの国の国境が集まっていて、どの国から見ても不便な場所になるらしい。

 そんな場所だからこそ、冒険者ギルドが自由に使っている、と。

 ……空を飛んでるときは、ユーニスじゃなくてユーノスだっけ?

 いつもより落ち着いていて、なんだか不思議な雰囲気だ。


         ☆


「ソウタ君、あれがリンガラム基地よ。上空から見るのは初めてだけど」

「私はいつも自分の翼で行くから、これぐらい見慣れた光景よ。……鳥に乗って行くのは初めてだけど」

 陸地に入ってからそれほど間を置かずに、大きな基地が見えてきた。

 高くて丈夫そうな城壁。

 砦と言うより要塞と言った方がふさわしい建物。

 冒険者が訓練をする場所かな? あっちは馬を休ませる場所かな?

 城壁で囲まれた中に学校のグラウンドのような広場や、背の低い建物が点在している。


「どこか適当に、空いてる場所に降りてもらえるかしら?」

「わかりました。……トパーズ、頼んだよ」

「ピーゥ!」

 ……基地の中まで飛んでいって、大丈夫なのかな?

 そんなことを考えながら横を見ると、いつの間にか、マーガレットが伝説の英雄の姿に戻っていた。

 マルーンと一緒に居れば、いきなり攻撃されることはないか。

 万が一、何かあったとしても、マルーンがどうにかしてくれそうだし。

「ピーゥピーゥ!」

 ……トパーズが僕を守ってくれるの?

 そう言ってくれるのは嬉しいけど、先に手を出さないようにね。

 余計な騒ぎを起こしたくないから。



 すーっと滑らかに速度を落とし、トパーズがグラウンドの中央に着陸した。

 いきなり弓を撃たれるようなことはなかったけど、革の鎧を着て長い槍を持った人が何人も周りに集まってくる。

「お久しぶりです、マルーン様。ようこそリンガラム基地へ」

 ……この人が部隊の隊長かな?

 一人だけ立派な槍を持った人が、マルーンに声をかけた。

「長老会のメンバーは集まっているかしら?」

「皆様、先ほど円卓の間に向かわれました」

「宜しい……。ソウタ君。早速だけど、案内させてもらっても良いかしら?」

「あっ、はい。お任せします」

 優雅な足取りでトパーズを降りるマルーン。

 続いて僕やユーニスたちが背中から降りると、トパーズはすーっと縮んで大鷲の姿に戻った。

 ……近くの森を見てくるの?

 トパーズなら大丈夫だと思うけど、気を付けてね。


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