表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
伝説の英雄に召喚されたゴーレムマスターの伝説  作者: 三月 北斗
第十四章 穏やかな日々(?)
145/220

4 穏やかな日々(後編)

 夕飯のメニューはチーズ入りハンバーグだった。

 すごく美味しかったけど、食べ過ぎがさらに加速した気がする。

 いや、これは気のせいじゃないな。

 もっと身体を動かさないと、あっという間に太りそうだ。


 ……ユーニスやアラベスやマーガレットも同じメニューのはずだけど、太ったりしないんだろうか?

 寿命が長い種族は体型も変わりにくい?

 僕が見ていないところで身体を動かしてるのかな?

 聞いてみたい……。けど、聞いたら怒られそうな気もする。



 白い粘土で猫じゃらしを作ってルビィと遊ぶ。

 ゴムボールを追加して、人形サイズのオニキスも参加して……。それなりに良い運動になったと思う。

 そろそろ寝ようかと思った瞬間、閃いた。


 かなり前の話だけど、ダンスの練習がうまくいかなくて、リンドウに身体を動かしてもらって何とかしたことがあった。

 つまり自分で剣の練習をしなくても、そういうのが得意なゴーレムを造って、代わりに身体を動かしてもらえば良いのでは?


 ……それでも、ある程度の筋肉は必要かな?

 いや、待てよ。

 デノヴァルダルの街にガーディアンを見に行った時、討伐に来た騎士たちが全身鎧を着てたっけ。

 あんな感じで、僕が中に入るゴーレムにすれば——


         ☆


「今日も女神さまに起こされたのでしょうか? 朝からお疲れのようですが」

「ごめんなさい。昨日、寝る前に思いついたことがあって、いろいろやってる間に外が明るくなって……。ただの寝不足です」

 テーブルに朝食のメニューを並べながら、心配そうな表情でマイヤーが声をかけてきた。

 リンドウに起こしてもらって熱いシャワーを浴びたけど、寝不足すぎる顔は隠しきれなかったようだ。


「寝不足の原因は、こちらの鎧ですか?」

「そうそう。鎧を造るのは初めてなんだけど、思ってたよりずっと難しくて、時間がかかってて……」

 テーブルの隅に模型サイズの鎧が置いてある。

 今のところ、形になっているのは身体を覆う部分だけで、残りのパーツは作っている途中だ。

 手を守るガントレットを作ろうとしたら、指を動かせるようにするのにパーツがいくつも必要で……。一晩かかっても完成しなかった。


「こういうことを言うのは差し出がましいかもしれませんが……。あまり無理をなさらないでくださいね」

「みゃあみゃあ〜」

「昨日はやり過ぎたって、自分でも思ってるから。これを食べたら午前中は仮眠して、続きは昼からにするよ」

「了解しました。昼食はソウタ様にあわせて用意するように指示を出しておきますので、目が覚めたらお呼びください」

「ありがとう」


         ☆


 午後のお茶の時間。

 武器や防具に使う素材について、ユーニスに質問してみた。

 金属系で有名なのがミスリル、オリハルコン、アダマンタイト。

 ゲームや漫画でしか見たことがない素材が、この世界では普通に使われているようだ。

 扱いやすそうなのはミスリルかな?

 軽くて丈夫なイメージがあるし、銀色の全身鎧は普通だよね。


 ついでに石系の素材についても質問してみた。

 途中からマーガレットも話に入ってきたけど、二人とも石についてはあまり詳しくないようだ。

 太陽石と月光石って石が魔術具に使われる素材として有名だけど、どう使うのかまではわからないらしい。


 ……前に会った、石像使い(ゴーレムマスター)のおじいちゃんなら知ってるかな?

 いつか、アイアンゴーレムやストーンゴーレムの素材を見てもらって、詳しい話を聞こうと思ってたんだけど、いまだに会いに行けてない。

 譲ってもらった粘土で仮初めの石像(テンポラリゴーレム)の呪文にも慣れたし、しっかりお礼がしたい。

 他にも面白そうな粘土の情報があったら教えてほしい。

 ここで思い出したのも良いきっかけだし、近いうちに行こうかな。

 たしか、アラベスなら連絡が付いたはず……。

 新しいゴーレムが完成してから行って、感想を聞くのも良いかも。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ