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流転するアルケウス ~inherited Meme~  作者: イトウ モリ
第6章 留別の赤 ~separation~
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piece.6-9



 そして僕は待った。


 ディマーズが来て、セリちゃんの行方を探っている間も、いい子にして待っていた。


 ステラの仲間のワナームさんや、ロキさんから剣を習ったりして待っていた。


 同じくステラの仲間で、ブライトさんというおじいさんからは、怪我や病気の治し方を教えてもらったりして待っていた。


 偉そうなステラの話し相手にも、めんどくさいけど、ちゃんとなってあげた。


 そんな毎日を過ごしている間に、いつの間にかディマーズはどこかに行ってしまった。


 村では作物が大豊作で、みんな食べ物の心配をしなくてもよくなった。


 

 すごく平和な日々が過ぎていった。



 僕は待った。

 セリちゃんが帰ってくるのを。



 でも――。


 セリちゃんは帰ってこなかった。




 どんなに待っても、セリちゃんは帰ってこなかった。


 10日経っても、20日経っても、セリちゃんは帰ってこなかった。



 セリちゃんは、僕との約束を守ってはくれなかった。



 信じて。


 そう言ったのに。



 約束。


 そう言ったのに。



 セリちゃんは、僕との約束を、守ってはくれなかった。




 セリちゃんは、帰ってきてくれなかった。


第6章 留別の赤 <RYUBETU no AKA>

  ~separation~ END


    <赤の章> 完

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