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そして僕は待った。
ディマーズが来て、セリちゃんの行方を探っている間も、いい子にして待っていた。
ステラの仲間のワナームさんや、ロキさんから剣を習ったりして待っていた。
同じくステラの仲間で、ブライトさんというおじいさんからは、怪我や病気の治し方を教えてもらったりして待っていた。
偉そうなステラの話し相手にも、めんどくさいけど、ちゃんとなってあげた。
そんな毎日を過ごしている間に、いつの間にかディマーズはどこかに行ってしまった。
村では作物が大豊作で、みんな食べ物の心配をしなくてもよくなった。
すごく平和な日々が過ぎていった。
僕は待った。
セリちゃんが帰ってくるのを。
でも――。
セリちゃんは帰ってこなかった。
どんなに待っても、セリちゃんは帰ってこなかった。
10日経っても、20日経っても、セリちゃんは帰ってこなかった。
セリちゃんは、僕との約束を守ってはくれなかった。
信じて。
そう言ったのに。
約束。
そう言ったのに。
セリちゃんは、僕との約束を、守ってはくれなかった。
セリちゃんは、帰ってきてくれなかった。
第6章 留別の赤 <RYUBETU no AKA>
~separation~ END
<赤の章> 完




