piece.25-7
食事の時間も、僕は料理中に周りにいた女の人たちから解放してもらえず、なんだかすごくにぎやかでやかましい時間を過ごす羽目になった。
女の人って、増えれば増えるほどうるさくなっていくらしい。
こんなにやかましい食事は久しぶりだった。
一体いつぶりだったっけ。
……ああ、ステラと一緒にいたときはこんな感じだったな。
ふいに懐かしい顔を思い出した。でもステラは1人で5人分くらいうるさかったな。
そういえばステラ、いまごろ何してるんだろう。
僕がセリちゃんと会えたこと、星読みで気づいてるかな。
1階の3級収容者の人たちは、比較的毒が軽めの人たちなので、一日に必要な作業をこなせば自由時間も十分にあるらしい。
ソファで本を読んでる人もいれば、仲間内でゲームをして楽しんでる人もいる。
中庭で散歩してもいいらしい。
想像していたよりも、居心地が良さそうだった。
ディマーズの人が定期的に見回りに来るけれど、ここの収容者たちはディマーズの人たちをそこまで警戒してないように見えた。
人によっては、ディマーズのメンバーと仲良さげに雑談をしてる人たちもいる。
こっそり賭け事をしてるグループがディマーズの人に注意されてたけど、軽い注意だけで済んでいた。(でも次回のごちそうの日はごちそうが食べれなくなったらしい。すごく残念がっていた。)
毒持ちの人たちって怖いイメージがあったけど、あんまり普通の人たちと変わらないように見える。
だけど、それはきっと、3級収容者だからなのかもしれない。
ふと視界の端に、ぐったりしているディマーズの人が目に入った。
壁に手をつき、ふらつきながらやっとのことで歩いてる。
僕はその人がすぐに誰か分かって、反射で駆け寄っていた。
「セリちゃん! 大丈夫? 具合悪いの?」
「……あ……。カイン……大丈夫だよ……」
力のない声で弱々しく微笑むセリちゃんは、目が真っ赤になっていた。
また、泣いてたみたいだ……。
僕の知らないところで、僕の見えないところで、セリちゃんはいつも泣いている。
支えたいのに。
傍にいたいのに。
どうしていつも僕は肝心なときに隣にいることができないんだろう。
「……セリちゃん……どうしたの……なにか、あったの……?」
セリちゃんは僕の顔を見て、「あはは。ごめんね、心配させちゃったね」と苦笑した。そして「実はさ……」と話し始めた。




