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流転するアルケウス ~inherited Meme~  作者: イトウ モリ
第18章 改過の黒 ~exhaustion〜
184/395

piece.18-1

17章から継続している残酷描写は18-1までです。

苦手な方はご注意ください。



 僕は手に持ったナイフを、何度も何度もアスパードに突き立てる。


 アスパードはなかなか静かにならない。

 いつまでもうるさい悲鳴をあげ続けている。


 ああもう、うるさい。


 僕はアスパードの喉めがけてナイフを突き刺す。

 アスパードの口から、ゴポゴポと赤い泡があふれだす。


 もう黙れ。

 早く死ね。


 お前が死ねば、セリちゃんは笑ってくれる。


 バラバラにしたアスパードの体を箱に詰めて、セリちゃんに贈ろう。

 箱には真っ赤なリボンをかけて――。


 これでもう安心だよって。


 そう言ってプレゼントするんだ。


 きっとセリちゃんは喜んでくれる。




(……本当に……?)




 急に体が冷えた。


 僕はいま……なにを考えていたんだ?


 セリちゃんがそんなことをされて喜ぶはずがない。


 僕はなんでそんなことを……?




 血だらけのアスパードが僕を見下ろしている。

 ひっくり返った頭が、わずかにくっついた首の皮にぶら下がっていた。


 首の取れかけたアスパードが持っているのは、さっきまで僕が手に持っていたはずのナイフだ。




 いつの間にか、僕とアスパードの体勢が逆転していた。


 逃げようとしても体が動かない。


「あははは! 交代だなー! お前の頭にかわいくリボンをかけてやるよ!

 せいぜい大事に飾ってもらうんだな!」


 アスパードが笑いながら、ナイフを振りかぶった。



 ナイフが、僕に向かって振り下ろされる――。




 足に鋭い痛みが走って、僕は叫んだ。



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