襲撃
更新遅くなりましたごめんなさい(__)
「しゅ、集団攻撃してきた!?」
間抜けな声で、ミオが叫ぶ。慌てて俺は、自分の手でミオの口を塞いだ。
「しっ、近くにいるんだぞ!」
「ご、ごめん。」
俺はミオの手を取って立ち上がった。
「兄ちゃん!聞こえるか!」
「お、おう!」
「敵はおよそ30体!三方向から10体ずつ攻めてきている!」
「30体?一体どれだけいるのよ!」
ミオは呆れ顔で肩をすくめる。
「とにかく、さっさと片付けちゃいましょ、裕くん!」
「え、俺も!?」
「何言ってんの。あんた超能力者でしょう?ほら、早く!」
「あんまり慣れてないんだけど・・・」
俺は渋い顔で、飛び上がる。基本的な超能力、サイコキネシスだ。
「颯真くんはあっちをやってくれてるから、裕くんは手前側のを何とかして!」
「お前は!」
「奥を片付ける!」
そう言って俺たちは、それぞれの方向に飛び散った。
空の上から、以前の紫色の目の人間がよく見える。俺の担当は、数えてちょうど10体。
と、やっと俺に気が付いたのか、全員が一斉に俺の方を見上げた。
「来るっ」
俺は高く飛び上がると、追いかけてきた数体に火の雨をお見舞いした。
少し難易度の高い、パイロキネシス。うまくいったようだ。
「グオオオオオ…」
直に攻撃を食らった3体がうめき声をあげて落ちていった。
しかしまだ7体残っている。
しかもまだピンピンしている。
「フシンシャ、クジョ。」
仲間を倒された怒りか、いつも以上のスピードで襲い掛かってくる。
とりあえず俺は空高くに避難して、ちょっと迷った後に念じた。
その瞬間、大きな氷塊が姿を現し、7体全員を巻き込んで落ちていった。
クリオキネシス。失敗の多い超能力だ。
そして俺の役目は終了。
ミオは、大丈夫だろうか。
俺は奥の方に移動した。
「ミオ!」
「あ、裕くん!無事?」
「ああ。そっちは?」
「相手じゃなかったわ。10秒でコテンパン。」
・・・心配した俺が馬鹿だった。
「と、とにかく。颯真は?」
「全部倒してた。もう戻ってくるはずだよ。」
「そうか。」
安心した刹那。
「ぅわああああっっ!!」
「!?」
「颯真だ!」
「ちょ、裕くん!」
間違いなく、颯真の声。
颯真に、なにかあったんだ。
俺は頭が真っ白になって、ただ声のする方へ走った。
そこにいたのは。
「…ふん。また虫けらが邪魔をしにきおった。」
手足を拘束された颯真と、長髪の若い男だった。
上品だけどどこか甘ったるい声。青のアイシャドウ。
全身から怪しい雰囲気が漂っている。
「あ、あんた、何者よ!?颯真くんを放しなさい!」
「ほお。それはできない相談ですね。」
「どうして!」
「決まっているじゃありませんか。私の友達をいじめたから、ですよ。」
「友達?」
「ええ。」
「もしかして、あの紫色の目の…!」
「そう。」
男はそう言うと、目を大きく見開いた。
瞳がみるみる、紫に染まっていく。
「そして・・・。あなたがたも友達をいじめた。責任は取っていただきますよ。」