表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

1私は今、恋をしている。

駅ですれ違った彼を、好きになる。




偶にすれ違うと、嬉しくなる。






もっと彼を見たくなって、




彼とすれ違う時間を覚えた。




彼の電車の時間を覚えた。




彼の乗る電車を覚えた。






魅力的な彼を、もっと見ていたい。




自然体な彼を、もっと見ていたい。






いつの間にか、




彼の乗ってくる駅を知った。




彼は自転車で駅に向かうと知った。




彼はマンションに住んでいると知った。






自室に戻って、鍵をかける。




一人戻って、鍵をかける。






知る事は喜びで、




隣人を装って差し入れを持っていく。




知る事は哀しみで、




仕事を装って差し入れを持っていく。






彼は一人暮らしだった。




家族は遠くに住んでいた。




彼は病気だった。




家族は全く知らされていなかった。




彼は入院する事になった。






彼の横顔。




彼の苦しげな顔。




彼の笑顔。




彼の辛そうな顔。




様々な表情を見せてくれるようになった彼。






写真を一枚、少し離れて儚い笑顔を。




スーツを一着、少しよれてる着慣れたものを。






残り火は微かになり、




私の想いは燃え上がる。






彼が欲しい。彼しか居ない。




私が必要。私しか居ない。






横になっても格好良くて、




目をつぶっても綺麗な顔立ち。








ああ、私は今、恋をしている。




この燃え上がる様に、




弾け飛びそうな鼓動は、




誰にも止めることが出来無い。






さあ、私と共に、行きましょう。




大丈夫、喋れなくても。




大丈夫、動けなくても。




大丈夫、愛してくれなくても。






私が、貴方を好きなのだから。




私が、貴方と共に居たいのだから。






さあ、私と共に、帰りましょう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ