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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

クレイジー・ハングリー・ファットマン

作者: G-20

薄暗い、ジメジメしたかび臭い空間で、

男は「何か」を食べながら思い出す。


「ファットマン」って人はそう呼ぶ。

いつからそう呼ばれたか、わからない。

覚えていない。僕は小さい頃から食べるのが好きだった。

僕の家は商家の中でもとりわけ規模が大きく、生活はかなり豊かかな方であった。

そして、パパやママは僕に優しく、何でも欲しいものを買ってくれた。


ママは朝ごはんに毎日ホットケーキを焼いてくれた。

ホットケーキは、とっても甘いのが特徴だ。

一口食べると、口の中はふっくら、ふわふわ。

おいしいから噛まずにすぐに飲み込んでしまうんだ。

だからすぐに、10枚なんて量は直ぐになくなってしまうんだ。

ママは造形にもこだわるけど、僕は見た目より、量があった方が嬉しいな。

そのあとに、アイスクリームを1箱食べる。

これがまた絶品なのさ!甘くて冷たいバニラの味。

僕のパパが好きなもの。だから家にはたくさんある。

僕はこのアイスを初めて食べたのは、3歳くらいの時だと思う。

食べた瞬間、僕はこれを毎日食べて生きていこうと神に誓ったくらい衝撃的な味だった。

とろーりとする食感。クリーミーで濃厚。口の中から匂いが伝わるバニラのいい香り。


あの時は、幸せだったなー。


そしてそれを食べ終わったら、アップルパイを食べる。


アイスで食べた興奮を抑えるためさ!


少し、酸味のあるけど、これはこれで、おいしいんだ。

そこまで甘さがないから、我に返ることができるんだ。

こうして興奮を抑えるのさ。

そして、喉が渇いたらヨーグルトを飲み込むんだ。

ただ、ヨーグルトは苦いから、大量の砂糖を入れないといけないのが、面倒だ・・・。

混ぜ終わったら、ビン一本をがぶ飲みする。

これが、僕の朝さ!!


ファットマン

「んんんんん~~~~ん!!さいこおおおおお~~~~!!!」


最高だ!!そして、パパから残さず食べたご褒美をもらうんだ!


パパ

「ああ、マックスよ!良い食べっぷりだ!!見ていて微笑ましい!私の分まで食べなさい!」


パパは僕に、スクランブルエッグとソーセージ3本、

パンにオニオンスープをプレゼントしてくれる。

こんなに幸せでいいのだろうか・・・。


パパ

「さあ、そろそろ私は出発するよマイハニー!」


ママ

「あら、いってらっしゃい!早く帰って頂戴ね!!」


パパ

「できるだけ早く仕事を切り上げてくるよ!」


そういうとパパは上着を着て、玄関でママとキスして、商会へ向かった。

僕は、ミルクにはちみつを混ぜて飲み、ママに尋ねる。


ファットマン

「ねえ、パパは今日もケーキを買ってきてくれるかな?」


ママ

「いつも買ってきているでしょう?パパが忘れるはずないわ」


ファットマン

「でも、この前の水曜日は買ってこなかったじゃん?今日は水曜日だし僕不安だよ・・・」


ママ

「心配ないわ。そうだ!なら、今日はママがおやつにケーキを作ってあげるわ!!」


ファットマン

「やったーー!!ママの作るケーキはお店のより甘くてとってもおいしいんだ!!」


・・・・・・・。

思えば、僕は昔、甘いものが好きだったんだよな・・・。

もう、今は食べていないや。

たまに、あの味を思い出したくて、食べるんだけど味がしないんだ・・・。

ファットマンは少し目の奥があつくなっていた。

あの、甘い味が忘れられない。あの味はどこにあるのか?

薄暗くカビ臭いジメジメとした空間から、ファットマンはドシドシと歩き始めた。

お腹は膨れてへそが飛び出し、服はピッチピチに伸びている。

年を取ったのか、お腹や腕に毛が生えてもじゃもじゃしている。

普通の人とは、比べ物にならないくらいに大きい身体であり、体長は三メートルくらいにはなる。

この体になってから、森で暮らすようになった。

ファットマンは思う。

森はいい。食べ物がたくさんある。

ウサギや鳥、川に行けば魚がとれる。

はちみつだってたくさんとれる。

クマとたまに取り合いになるが、

クマを倒して、食べた時はクマも意外に美味しかった。

虫も最初は気持ち悪いと感じていたがクリーミーでスナックみたいな味がした。


そして、最近は「ある」ものが、とってもおいしいと感じる。

毛があまりなく、生で食べても十分おいしい。

寄生虫などもいないから、処理をせずに食べるのも魅力だ。

たんぱく質が豊富で栄養価もある。食べれば十分に満腹になる。

とってもとってもおいしい。

そして、「それ」は甘いような気がした。

昔の幸せな時間を思い出すかのような味。

「それ」は、種類や取り方によって味が変化する。

取り方ひとつで、昔の記憶を再現するかのように、

悲しいことや嬉しかったことを思い出させてくれる。

特に、年数がたっていないほどおいしい。

弱ければ弱いほど、「それ」が苦しめば苦しむほど味が良くなる。


ファットマンは渇望する。

「あの」味がほしい!もっと、もっと食べたい。

たくさん食べれば、無邪気だった自分に戻れる気がする。

だから、ひとつ残さず食べないと。そして、パパにご褒美をもらうんだ!!

そして、今日も「それ」を探している。


「それ」とは、「人間」だったのだ。



最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

この作品は、暇があれば書いていこうと思います。


僕の別の作品である、崩れる王国の終末譚も良かったらぜひ読んでください。

クレイジー・ハングリー・ファットマンはモンスター役として登場させる予定です。


※3月13日修正 タイトル名を間違えるという致命的ミスをしました。

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