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Loyal Tomboy  作者: EN
第五話「平行線の彼方に」
93/245

05-12:○ブリーフィングルーム#2[3]@

※挿入絵は過去に描いた古い絵を使用しています。小説内容と若干細部が異なります。


ネニファイン部隊の人員構成に関して、少々手落ちがありました。以下の点を修正します。

ストーリーに影響はありません。

旧:我がネニファイン部隊の約7割が

新:我がネニファイン部隊の約9割が

第五話:「平行線の彼方に」

section12「ブリーフィングルーム#2」


挿絵(By みてみん)


(サルムザーク)

「ん?なんだ?何かあったのか?」


サラサラとした綺麗な黄緑色の髪をなびかせ、ゆっくりと狭苦しい会議室内へと姿を現した若い少年は、部屋に入るなり思わず怪訝けげんな表情を浮かべてしまった。


それまでこの会議室内で、一体何が有ったのか知るよしもない彼にとって、部屋の中央部で不思議な陣形を作り出す群集達に、一種異様な雰囲気を感じてしまった為であろうが、それ以上に一人の女性が発した一言によって、彼等の視線が一気にこの少年へと集中してしまった為でもある。


トゥアム共和国軍最年少佐官として、周囲の好奇な視線にさらされる事には慣れていた彼だが、それでも不気味に息を合わせた様に浴びせかけられた彼等の視線に、少し辟易へきえきしてしまった事は確かだ。


(カース)

「あ・・・。いえ・・・。ほら皆、休憩時間はもう終わりだ。早く席に着け。廊下に居る者達も中に呼び入れろ。」


やがて、そんな彼の表情に気がついたカースは、内心少なからず責任を感じてしまったのか、何処か慌てた様子で部隊メンバー達に席に着くよう促した。


そして、あたかも何事も無かったかのように装いつつ、サルムの元へと歩み寄ろうとしたのだが、ふと彼が背後に二人の人物を引き連れている事に気がつくと、驚いたような表情を浮かべてしまった。


(カース)

「ピエトロ一佐・・・。」


(ピエトロ)

「よう。久しぶりだねカース。元気だったかい?」


この二人の人物の内、深緑色の長い髪に優しげな釣り目が特徴的な女性は、ネニファイン部隊の通信オペレーター兼秘書官の「チャンペル・シィ」であり、常にサルムと行動を共にする事が多い職種柄、特にカースが驚くような事はない。


しかし、もう一方の品位漂う髭を蓄えた大柄な男性はと言えば、ネニファイン部隊の個別作戦会議に顔を出すような人物ではなかった。


彼の名前は「ピエトロ・トレイモイユ」。


サルムザークよりも2階級上の陸等一佐の階級に属するこの人物は、「リプトンサム部隊」や「チッチル部隊」を統括する後方支援部隊の長たる大物だ。


温和な性格の持ち主として知られる彼の物腰の柔らかさは、軍部内でも評判になるほどであり、時にお人好しとも揶揄やゆされるその優しさは、まさに軍人たる厳しさと威風いふうを完全にかき消しているようにも見受けられる。


しかし彼は、36歳と言う若さで複数の部隊を管理する、連隊長と言う肩書きを持った有能な指揮官の一人であり、軍内部の組織や対立関係と言う垣根を越えて、誰からも頼りにされる好人物であった。


一体、何処でどの様な繋がりが有ったからなのかは解らないが、この時、そんな頼もしいホワイトナイトを引き連れてやって来たサルムに、カースは懐疑かいぎ的な視線をぶつけてしまった。


(カース)

「三佐。何の悪巧みですか?」


(サルムザーク)

「まあ、そう言うなよ。とりあえず話を聞いてくれ。」


サルムはゆっくりと会議室の壇上へと歩み寄る過程で、チラリとカースの方に視線を向けると、ふざけた様に右手を振りかざして穏やかな言葉を彼女へと返した。


サルムとしても、ある程度事前に予測できた彼女の反応を、出来る限り和らげようと試みた行動だったのだろうが、嘘を付けない彼の瞳の奥に、何処か普段とは違う不自然さを感じ取ったカースは、すぐさまピエトロの顔色を覗き込んだ。


しかし、優しげな雰囲気を保ったまま、ニッコリと笑みを浮かべたぴエトロは、何も言わず壇上へと向かうサルムの方を指差して見せるだけである。


詳しい内容は部外者たる自分からではなく、彼自身から聞けという事なのだろう。


サルムは確かに優秀な士官の一人に違い無かったが、それでも軍務に忠実で勤勉な努力家などではない。


それは、彼のネニファイン部隊におけるカースへの依存度を見れば、誰が何を言わずとも明らかな事ではあるが、彼はどちらかと言えば、他人に任せられる事は全て他人に任せてしまい、自分は常に楽をしようと考えるタイプの人間だ。


勿論、カースはそのような有能ななまけ者こそ、指揮官として相応しい人物である事を知っていたが、この時の彼の働き者ぶりが、彼女に強い警戒心を植え付けてしまった事は確かだ。


彼が自らの重い腰を上げて行動を起こすと言う事は、彼が自ら行動を起こさなければならない状況に陥っていると言う事のあかしであり、彼が作戦会議の後で顔を出すと言った時から、少なからず疑念を抱いていたカースだが、まさかこのような人物を引き連れてくるなど、思っても見なかったのである。


やがて、会議室の壇上へと続く短い階段を軽やかに上り終えたサルムは、水を打ったように静まり返った室内を見渡した後で、堅苦しさを匂わせない言葉から切り出した。


(サルムザーク)

「さてと。部隊結成から1ヶ月近く経とうと言うのに、初めましてじゃ部隊長として格好がつかないが、俺が諸君等を取りまとめるネニファイン部隊隊長、サルムザーク・ハイフィリツ陸等三佐だ。実際にこうして面と向かって会うのが初めての者もいるだろうが、俺も堅苦しいのは余り好きな方じゃない。適当に座って聞いてくれ。」


綺麗な緑色の瞳を周囲に振りまいて、会議室内の主導権を手にした若者が、今だ立ち尽くした者達に軽く右手を振って着席を促す。


しかしこの時、そんな彼の隔たりの無い言葉に従って、即座に動き出したのは正規軍人達のみであり、セニフをはじめとするDQA上がりの傭兵達の多くは、壇上に立つ若者へと不思議そうな視線を据え付けたままだった。


それは勿論、事前に聞かされていた事とは言え、ネニファイン部隊の長たる指揮官が、こんな20歳にも満たない若造であるなどと、彼等も予想していなかったからなのだろうが、それ以上に彼等の意識を捕らえて離さなかったものとは、彼のその容姿にこそあったのだ。


(サルムザーク)

「どうしたんだお前等?立ったまま話を聞くつもりなのか?」


(セニフ)

「シル・・・?」


それは、セニフが思わず発してしまった言葉の示す通り、この若い司令官の風貌から、全く別の少年の姿を連想してしまった為であり、事前にネニファイン部隊のバックアップ担当者シルジークを知っていた者達は皆、一様に同じ疑念を抱いてしまったのだろう。


確かにこの二人を並べて比較してみれば、その髪の毛や瞳の色合いの違いから、簡単に各々を識別する事は可能なのだろうが、シルよりも若干、緑がかった程度の色合いを基調としたサルムの風貌は、まさにシル本人として見間違えても決して不思議ではない程、酷似していたのだ。


やがてサルムは、一人の少女の発した言葉にいざなわれて、ようやく彼等の視線に含められた疑念の真意を理解すると、小さく溜め息を付いたついでとばかりに、蛇足的説明を付け加えた。


(サルムザーク)

「ん?ああ・・・。そうか。そう言うことか。表立って公言するまでも無いと思っていたが、別に隠す必要も無いしな。つまらん事実だが、あえて説明すれば、俺とバックアップ担当のシルジークとは双子の兄弟だ。まあ、俺はそれ以上説明するつもりは無いし、聞いたところでお前等には何の得も無いだろう。さあ、もういいだろう?座ってくれないか?」



双子・・・の兄弟?


そ・・・そうだよね。


雰囲気が一緒だったから、一瞬戸惑ったけど、よく見れば全然シルとは違う人だ。


うん・・・。全然違う人。


でも、双子の兄弟がいるなんて、シルから聞いた事もない・・・。


どっちがお兄さんなんだろ。


私って、やっぱり・・・。シルの事、全然知らないんだな・・・。



抱いた疑念を払拭ふっしょくするだけの完全な回答を示されて尚、無性にやきもきした気分にさいなまれてしまったセニフだったが、やがてガタガタと小うるさく椅子を鳴らして着席した周囲の動きに合わせる様に、彼女もまた椅子の上へと腰を下ろした。


そして、会議室内にいるネニファイン部隊メンバー達全員の視線をかき集めるように室内を見渡したサルムは、少し真面目な表情をかもし出して、ゆっくりと話し始めた。


(サルムザーク)

「今回俺がお前達の前に姿を現したのは、パレ・ロワイヤルミサイル基地攻略作戦の詳細内容を説明するためでも、部隊内の士気を高めるためでもない。どちらかと言えば部隊内、いや、軍内部の動きに関する後ろ向きな内容となる。現在、我がネニファイン部隊の約9割が、有事の際の傭兵契約によって集められた新兵と言う事になるが、この誓約書の内容によれば、お前等傭兵達は今後2年間の間、軍務を真っ当しなければならない事になっている。勿論、各作戦毎に与えられる作戦報酬を積み重ねる事によって、契約残期間に応じた違約金をクリアすれば早期除隊という道も開けるが、それでも契約期間内は、我々の命令に従わなければならない義務があるのだ。しかし、如何に指揮命令権の全てが俺の手に委ねられているからとは言え、DQパイロット、DQ整備士以外の任務をお前等に課す事は出来ない。それは誓約書の第二条第三項に記載されている、「DQパイロット、もしくはDQ整備士として」という、文面に制限されるものであり、正規軍人達には無い、お前等傭兵達だけの唯一の特権なのだ。まあ、俺には元々お前等を非効率な不得意分野で起用しようなど、意味を成さない以上に有害な愚行を犯すつもりなど無かったのだが、今回、我がネニファイン部隊の傭兵起用法を巡って、ある重大な問題が発生した。中には気付いている者がいるかも知れないが、実はこの作戦会議において、一人のアタッカーメンバーが欠席している。それがアリミア・パウ・シュトロインだ。彼女は昨日18:00を持って、ネニファイン部隊から諜報部第三課に、転属扱いとなったようなのだが、軍上層部から俺の方に正式に通達があったのが昨日23:00頃。部隊長である俺にすら何の断りも無く、突然、彼女は諜報部に引き抜かれる事となってしまった。」


(セニフ)

「えっ・・・!?」


セニフはこの時、壇上から発せられた友人の名前に、何処か不穏な空気が忍び寄る気配を感じ取ると、転属と言う二文字が放った衝撃的事実によって、思わず驚きの声を吐き出してしまった。


そしてそれは、この会議室内に集まったネニファイン部隊メンバー達は勿論、その事実を今だ知らされていなかったカースも、驚きの表情を隠しきれなかった。


(サルムザーク)

「確かにお前等傭兵達は、トゥアム共和国軍との間に結ばれた契約によって、軍上層部から下される命令に従わなければならない義務があるが、誓約書上にも記載されている通り、DQに関係する軍務以外を強制される義務は無い。もし、今回のような事例を一度認めてしまえば、今後お前等傭兵達は、何の制限も無く軍務に駆り出されるという、非常に危機的な状況を招きかねないのだ。俺は即座に彼女の転属問題に関して、軍上層部に異議を申し立てたのだが、特佐権限命令書付きの特別決定事項に当たる為と言うふざけた理由で、全く取り入れてもらえなかった。俺は今回の彼女の転属を絶対に認めるつもりはないし、強引に彼女を引き抜きにかかった軍上層部の決定は、お前等傭兵達に対する重大な契約違反に当たると思っている。そこで俺は、彼女の転属問題に関して、特佐権限を行使したヘイトーゼ特佐に直接問いただしてみた。するとヘイトーゼ特佐自身、そこに契約違反となる問題の存在を認識しながらも、彼女本人の同意が得られたため、転属に関する命令書を発行したと言う事だった。」


(メディアス)

「本人の同意があって、軍部の承認が得られれば、特に問題は無いんじゃないの?それに諜報部に引き抜かれるなんて、彼女にとっても名誉な事じゃないのさ。」


(サルムザーク)

「お前はあの部署がどういうものなのか知っているのか?」


淡々と状況の説明を重ねるサルムに対し、麻色の短髪を軽く掻き乱していたメディアスがタイミングよく横槍を入れる。


しかし、話の腰を折られた事に対する怒りでは無いにしろ、サルムの放った言葉の中には、最も強い怒気が込められているようにも感じた。


軍部内では掃溜めとも言われるネニファイン部隊の中にあって、諜報部と言う戦闘のエキスパート達が集結する部署に引き抜かれるなど、彼女のような一般兵士からすれば、まさに栄転とも言うべき人事にも見えたのだろう。


しかし、サルムの不穏な含みを持たせた問いかけに対し、外見の良い偽りのイメージを持って包み隠された、諜報部の真に黒い活動内容を知らないメディアスは、短く「いいえ」と返答するしかなかった。


(サルムザーク)

「トゥアム共和国軍とお前等傭兵達との間に結ばれた契約に関しては、確かにお互いの同意を持って、その条項を見直す事は可能かもしれない。しかし現在、お前等傭兵達に対する指揮命令権を与えられているのは、ネニファイン部隊長の俺自身であり、その俺の判断、決定無くしてネニファイン部隊の人事に手を出す様な行為は、軍部内の組織構成上、決して有ってはならない事なのだ。これに関しては、ヘイトーゼ特佐から素直に謝罪の言葉があったのだが、だからと言って俺は、彼女の諜報部転属を簡単に容認する事は出来ない。現在、同意書に書かれていた彼女のサインの筆跡鑑定を依頼中だが、それが捏造ねつぞうされた物ではないと言う確証が得られたとしてもだ。ヘイトーゼ特佐と彼女との間に、一体どのようなやり取りがなされたのか解らないが、それでも部隊長である俺を差し置いて勝手に話を進めた事からも、そこに何か後ろ暗い取引があったと見て間違いないだろう。この問題に関しては、まず俺自身が直接彼女にその真意を確認し、その上で確かに彼女自身に転属を認める意思があるなら、俺も彼女の転属を認めざるを得ないと思っている。しかし、俺が彼女への面会をヘイトーゼ特佐に求めたところ、彼女は既に、諜報部工作員として任務を遂行するため、ビナギティアへと飛び去ってしまった後だったのだ。それも、今回のオクラホマ攻略作戦における先行工作任務と言う、非常に危険な任務を背負わされた上でだ。勿論俺は、即座に彼女を呼び戻すよう強く要求したのだが、その時点で既に、彼女が出発してから6時間以上が経過しており、もはや現地へと潜入した工作員と連絡を取る事は、逆に彼女の立場を危うくするため不可能だと言われた。これはもう、ある種の確信犯的思考が、既にあの猿親父の中に有ったと言う事なのだろう。」


サルムはもはや、呼称や人名すらを排除した悪意のある揶揄やゆを用い、激しい怒りをその言葉に中に込めて発した。


そして、彼の脇にたたずんでいた、おしとやかな女性に向けて何やら目線で合図を送ると、少しだけ時間的間を置いた後で、ようやく今回の本題である話へと突入を開始した。


(サルムザーク)

「俺は彼女がまだネニファイン部隊の一員であると言う認識だ。ネニファイン部隊メンバー全員の命を預かる立場の者として、相手が軍上層部であろうと、特佐権限を持つものだろうと、この点において一歩たりとも譲歩するつもりは無い。現時点で彼女を連れ戻す事はもはや不可能な事であるが、それでも彼女の転属に関する問題は、彼女が任務を終えて戻ってきた後で、再度協議するという形で、猿親父に一旦保留させた。勿論、彼女が無事に帰還できる保証など何処にも無いのだが、出来る限り彼女の身の安全を図るため、任務終了後の彼女の退路を確保する特別回収チームを派遣する事を奴に約束させた。」


やがてサルムは、背後にそびえる巨大なスクリーンから、ゆっくりその身を退けると、チャンペルの操作によって映し出された、戦術画面を見上げながら言葉を続ける。


(サルムザーク)

「しかし、そこで一つ問題となってくるのが、完全に帝国軍の支配下にあるオクラホマ都市に、如何にして特別回収チームを派遣するかと言う事である。今回トゥアム共和国軍が発動したオクラホマ攻略作戦は、非常に不安定な情勢によって揺れ動く可能性があり、オクラホマ攻略軍本隊の足枷あしかせとなるような、軽率な行動を取る事は出来ないが、この特別回収チームの進入経路と工作員回収後の退路を確保するため、俺は軍上層部に新たな作戦プランを提案するつもりだ。勿論、堅物が多い軍上層部において、俺の様な佐官成り立てのド新人の提案が素直に受け入れられるはずも無い。そこで、次回の全体作戦会議の冒頭で、まず諜報部の方から正式に特別回収チームに対する支援要請を提示してもらう事になった。そして更にその上で、今回の作戦プランの発案者をピエトロ一佐と言う事にして、彼の方から軍上層部に提案する事をお願いした。」


なんとまあ・・・。


長い指揮官の話の中で、ようやくこの大物仕官を連れ込んだ理由が示されると、カースは小脇で変に照れ笑いを浮かべた年長者に対して、何処か白々しい視線を彼に突き刺してしまった。


(ピエトロ)

(そんな目で見ないでくれよ。君を抜きにして考案したにしては、中々良い物に仕上がっていると思うよ。作戦が成功したら彼の功績。失敗すれば俺の責任さ。君としては涙が出るぐらい嬉しい配慮だろう?)


(カース)

(何でまた、あの子とそんな危ない橋を渡る約束をしたんです?御自身の立場と言うものを、もう少しお考えください。)


(ピエトロ)

(なぁに。彼の抱き持った大いなる志に感動したまでさ。)


(カース)

(ご立派です事。でも、そうやっていつも真意をはぐらかす所は、以前と余り変わり無いようですね。)


(ピエトロ)

(君も頑固に自分を突き通す性格は直っていないんだろう?お互い様さ。)


決して周囲の者達に聞こえない様にして、小声でやり取りされた二人だけの会話は、何処か公人たる垣根を排除した親密性の漂うものだったが、カースにとってそれは、余り居心地の良いものではなかったのかもしれない。


カースはこのお人好したるピエトロに向かって、大きな溜め息を付いて見せると、そんな雰囲気を強引に振り解くかのように普段通りの自分を強く意識して、壇上へと視線を立ち返らせた。

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