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Loyal Tomboy  作者: EN
第三話「作れば壊れる自然の原理」
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03-08:○作れば壊れる自然の原理[3]

第三話:「作れば壊れる自然の原理」

section08「作れば壊れる自然の原理」


「裏切り者よ・・・。でも感謝している・・・。」


<アリミア・パウ・シュトロイン>


私は冷血で嫌な女。


誰もが私の事を忌み嫌い、近寄る事さえ避けられるほどの存在。


でも、そんな事は百も承知。私はそんな女。


そういう風に育ってきたのだから。


承知の上での行動。そう・・・それが私。


(シルジーク)

「もう少し言い方どうにかならないのかよ。感情に任せた殴り合いなんて、ただの子供じゃないんだからさ。」


先ほど部屋の中で繰り広げられた二人の争いに対し、シルがそれを辛辣しんらつに批評する。


一つの球体を失った彼等の周囲を、再び静かな空気が取り巻く中、残された者達の雰囲気は次第に黒く沈んだものへと移り変わっていく。


チクチクと肌に刺すように痛く冷たい空気に晒されて、セニフはじっとうつむいていることしか出来なかった。


誰しもが通りたく無かった「茨の道」のみを残して、すべての選択肢の扉が閉じられる。


いや、決してすべてが閉じられた訳ではないのだろうが、もはや彼等三人が迷い込んでしまった樹海を抜け出すためには、その道しか残されていないということに、皆気づいていたのだろう。


「誰もジャネットを追いかけないのね。」


疲れきった表情で、ゆっくりと椅子に腰を下ろしたアリミアが、小さくそう呟いた。


この言葉に対して、シルはチラリとアリミアの方に視線を向けるのだが、上体を反らして背凭せもたれに寄りかかると、黙ったまま腕組みをして見せただけだった。


ジャネットの後を追いかけたところで、一体、彼女に何をしてやれるというのだろう。


彼女の為を思って追いかけるという行為自体、彼女の悲しみを増幅させるだけの鋭利なナイフをかざすも同然。


そして、簡単な慰めの言葉をかけてやるなど、そのナイフの刃に激しい苦しみを伴う猛毒を擦り込むも同然。


(セニフ)

「今は、そっとして置いた方がいいよ・・・。そっとして置いた方が・・・。それを・・・。」


「そうね。私が悪かったわ・・・。」


アリミアは少し溜め息を交えながら、セニフの言葉を受け止めると、しばしまぶたを閉じて、反省の言葉を口にした。


日頃から冷静さを決して絶やさない彼女だが、時折こういった感情の高ぶりを押さえ付けることが出来ずに、暴走してしまうことはまれにある。


彼女自身、まさかここまでジャネットとやりあう事になるとは思っていなかったのだろう。


「ジャネットには悪いことをしたわ・・・。でも、それでも、ジャネットには早く立ち直って貰いたいの。あんな状態で生きていけるほど、戦場って甘くないものだからね。シルが言うとおり、うまい言い回しじゃなかったけど、あれが私の本気の言葉。私の本気の思いなのよ。」


再び見開いたアリミアの視線が、ゆっくりとセニフの姿を捉える。


アリミアには、決してジャネットを卑下ひげするようなつもりは全く無かった。


勿論、優しい言葉で慰めてやることも出来ないであることを解っていながらも、誰もいない通路の隅ですすり泣くジャネットを、この部屋へと連れ込んだのはアリミア自身だ。


重爆撃機ガーゴイルに設けられた小さな医務室で、負傷した右腕の治療を受けていた彼女の元へとやってきたセニフとシル。


まさか二人の方から自分の前に姿を現すとは思っていなかったのか、アリミアは少し驚いたような表情で彼等を迎えたのだ。


しかし、そんな二人の行動を見て、彼女はある決心へと至ることとなる。


「チームの中にあって、お互いの信頼関係って大切よね。今までは作り笑いのような仮面をかぶった私達が、必死になって自分を隠して、新しい別の自分を作ろうとした。それはそれで良いと思う。」


これまではチームの皆が誰しもが疑わず、偽りでも楽しい一時が過ごせればそれで良いと思っていた。


自分の本当の思いなど、相手に悟られることが無ければ、それがそのまま相手の真実に成り得るからだ。


隠し通して、隠し通して、永遠に隠し通すつもりでいたはずだった。


「でもね。マリオが死んで、ジャネットがあんな状態で・・・。もう昔の私達みたいな関係は、二度と戻ってこないのかもしれない。それに・・・。あの部屋での一件・・・。貴方達が私の所に来た理由もなんとなく解っているつもりだし、私達はこれからのことを、色々と考えなければならない立場にあるのよね。」


形あるものは必ず崩れ去る。


はかなくももろく。あっさりと崩れ去る。


それを知りながらも、それを感じながらも、人は必死になって偽りの自分を作り上げる。


しかし、それはそれでも良い。


決して人と人とが全てを解り合う事など、不可能なことなのだから。


自分自身を漆黒の球体になぞらえて、ガチガチに凝り固まった意識のままに、必死に他人の球体を求めても、お互いに接することが出来るのは、ほんのわずかな一点に過ぎない。


自分の思いを優しく。相手を包み込むように柔らかく。


そして時に激しく。熱くたぎる自分の思いを精一杯に広げて。


強く求める想いを込めて接することで、その接地面積を広げることは出来るのだ。


アリミアは、ゆっくりと正面に向き直り、すでに冷たくなった椅子を強い眼差しで見つめる。


「私でさえ実際、そんな関係を壊すのは怖かった。だから私はセニフにも、うながしはしても強要はしなかった・・・。見守って上げる事しか出来ない自分が、無性に腹立たしかったけど、それがセニフの望んだことならばと安易に考えて、結局は目の前の障壁から目をそらしているだけだったのよね。私だって結局のところは、自分だけが可愛いという人間なのよ。本気の思いでぶつからない限り、決して相手にその思いが届くことは無いって。言葉では解っているつもりだったのに。」


私は生まれて初めて。何かを守りたい。そう思っている。


それは、私達の間を隔てた「暗な制約」でも無く、そして過ぎ去りし楽しい過去の一時でもない。


これからの私達のため。訪れる皆の幸せを願って。


本気で「言いたい事」を「言い合える」仲になりたい。


独り善がりでも構わない。自分一人が悪者になったって、全然構わない。


うまく行くのか行かないのかも解らない。


それでも、必死になって自分の思いをぶつけたい。


そして、それを阻害する大きな要因の一つなど、もはや私にとっては邪魔な存在でしかない。


過去、人種、身分、性別を一切問わず、且つ、一方的な干渉、詮索を禁ず。


「私はもう、あの約束を破り捨てるわ。」


その言葉を発すると共に、再びアリミアの視線がセニフの心を縛り付けると、セニフは少し、どこか脅えた様子で顔を背けてしまった。


こうなることは事前に解っていたはずで、なんとしても自分の事を隠し通そうと決意をしたセニフだったのだが、やはり、実際にその秘密に手をかけられそうになると、どうしても沸き起こる恐怖が彼女を包み込んでしまうようだ。


「セニフ。貴方は決して言いたくは無いのだろうけど、結局はいつか、誰かに知られてしまうかもしれないモノなのよ。貴方を連れ去ろうとした軍服の連中は勿論、あのユァンラオという男もそう。彼らはもう、貴方の隠したいモノに気が付いているはずよ。でなければ、あんな危険な手段を講じてまで、貴方を連れ去ろうとするはずが無いわ。いい?セニフ。一つ忠告するなら。あのユァンラオという男は危険よ。求めるモノのためならば、どんな手段でも用いる危険人種。彼の目的はまだ定かでは無いけど、決して貴方の事。諦めるはずが無いわ。」


(セニフ)

「私・・・。し・・・知らないよっ。何も・・・。」


このアリミアの言葉に対して、思い立ったように反論を見せたセニフだが、やはり彼女の態度があからさまにおかしいのは、誰が見ても解ることだった。


しかし、恐らく彼女の口から直接真実を告げられる事は、決して無いであろうと考えていたアリミアは、セニフの表情をじっと観察しながら、ゆっくりと鼻から息を吐き出すと、少しばかりの間を置いて、真実の中心から的を外すように言葉を投げかけた。


「私もね。実は追われる身なのよ。実際あの軍服の連中が襲ってきた時、標的は私だと思ったもの。もはや私の素性が知れるのも、時間の問題だと思っていた。でも、もし襲われたら襲われたで、自力で逃げ切る自信も有ったけどね。私の事なんか、興味も無いかもしれないけど、セニフ。私は貴方に、どうしても伝えておかなければならない事があるわ。」


この時、アリミアの性格上、絶対にど真ん中直球勝負を、挑んでくるであろうと身構えていたセニフなのだが、どこか遠くを見つめるような眼差しで黙り込んだアリミアの姿に、少し不思議そうな表情を浮かべた。


それまで頑なに守ってきた自分の殻を破り捨てて。


柔らかく暖かい地肌を直に晒して。


アリミアはゆっくりと口を開いた。


「私はね・・・。帝国トポリ領北部の小さな町「ピピン」で生まれたの。ここまではセニフに話した事があったかしら。母は単なる町外れの酒場の踊り子だったけど、父はある組織の幹部として活動していた人物だった。生まれてからずっと。私もその組織の一員として過ごしていたの。何だと思う?やっぱり聞いたら驚くかしら・・・。」


そう問いかけながら、順番に二人の表情を伺ったアリミアは、少しだけ次の言葉を躊躇ためらうように、口元を緩ませて誤魔化ごまかして見せた。


セニフもシルも、これまでアリミアという人物に対して、全く何も不信感を抱か無かったのかといえば、決してそうではない。


むしろ、彼等としては「気になる不審点だらけ」の彼女の行動に、しばし、えもいわれぬ「恐怖心」のようなものを抱いていたことは確かである。


二十歳そこそこの年齢にしては、有り得ないほど冷静沈着な思考と判断。そして、時折見せる冷たい視線と、殺意のような怒気。そして何より、軍服の連中との戦闘におけるあの行動力は、決して「一般人」が成せる事ではない。


アリミアは再び、狭い部屋の壁の中に思い描く遠い記憶を浮かべて見据えると、突然、厳しい表情を浮かべて、自分で投げかけた問いの答えを示した。


「ファルクラムよ。」


(セニフ)

「え?・・・・・・・・・ファ・・・!?」


(シルジーク)

「ファルクラム!?」


それまで、興味津々(きょうみしんしん)に、じっとアリミアの話しに聞き入ろうと構えていた二人であったが、話の序編でいきなり彼女の話しを寸断してしまう。


どうやらセニフもシルも、その言葉が示す意味を理解しているようだったが、椅子から少し腰を浮かすように仰け反ってしまった彼等は、物凄い驚きの表情を浮かべたまま、完全に固まってしまった。


それもそのはず、彼女が発言した「ファルクラム」と言う組織は、数年前に壊滅したはずの帝国史上最大最悪のテロリスト集団の名称。


その洗練された戦闘能力に加え、悪魔すら恐れるほどの凶悪振りから、強大な力を持つ帝国貴族達も容易に彼等の行動を押さえ付けることが出来ず、長年にわたって帝国内部を侵食し続けた暗黒の地下組織なのだ。


「生まれたときからずっと。反帝国制を唱えるイカレた思想を叩き込まれて育ったわ。戦闘教育の他にも、薬学とか人体学とか、戦争で兵士として必要な技術は、ほとんど幼少期に覚えさせられたわね。組織の方針が正ならば自分の考えも正とする。組織の方針が負ならば自分の考えも負とする。当時の私にとっては、それが当たり前であって、人を殺す事なんてなんとも思わなかった・・・。全ては組織のため。私自信の考えなんて関係無かった。命令されて行動することが当たり前だったし、死んでこいと言われれば、死にも行ったわ。まあ、実際はなんとか生き延びて、貴方達の目の前にいるわけだけどね。」


どこか普通に、自分の身の上話を淡々と語るアリミアの姿に反し、未だに唖然あぜんとした表情で固まった二人。


シルは一つ大きく唾を飲み込んで気持ちを落ち着けると、セニフとお互いを見合うように視線を合わせた後に、ゆっくりとアリミアに問いかけた。


(シルジーク)

「お前・・・。・・・ファルクラムだって!?ストラントーゼとロイロマールが、手を組んでまで壊滅に追いやったて言う・・・。あのファルクラム・・・。なのか?完全に全滅させられたって聞いてるぞ。」


少しどこか。おびえたような表情でも含んでいたのだろうか。


そんなシルの表情をまじまじと見つめていたアリミアが、その不安を払拭してあげるように、ニッコリと微笑んでこう答えた。


「表向きにはね。もう他には誰も生き残っていないかもしれないわね・・・。でも過去の話よシル。心配しないで。なんの得にもならない貴方達を、理由無く殺そうなんて思っていないから。ね。」


アリミアが浮かべたのその笑みは、とても優しい感じで二人へと振り撒かれたものだったが、何か作り笑いのような印象も拭い切れずに、逆に彼等二人の恐怖心を煽り立ててしまった。


勿論、彼女としては何の気なしに放った言葉のつもりだったのだが、サラッとそんな言葉を発した彼女の姿に、後ずさりしたくなるほど恐怖したのはセニフの方だ。


殺そうなんて思っていないから・・・。


理由無く殺そうなんて思っていないから・・・。


なんの得にもならない貴方達を、理由無く殺そうなんて思っていないから・・・。


そこに何かの得があり、そして、理由が有ったのなら。


平気で私を殺すのだろうか・・・。2年間も一緒に暮らしてきた私を・・・。


セニフはとっさに、かち合ってしまったアリミアとの視線を無理やりに振りほどくと、どこか挙動不審に視点を部屋中に散らばせた。


狭苦しい薄暗い部屋の中で、猛獣を放たれた檻に閉じ込められてしまったような感覚を味わいながら、セニフは彼女の送る視線に恐怖していた。


セニフが必死にひた隠している過去。


アリミアはあの悪名高きファルクラムの元兵士。


もし・・・。もしアリミアが、私の過去を知ってしまったのならば。


私を殺してしまうのだろうか・・・。


セニフにとって、ニッコリと微笑むアリミアのその笑みは、天国のような暖かさを与えられながらも、その身を永遠に燃やし続ける地獄の業火のように熱く苦しい。


知らず知らずの内に頬を伝う汗が、やけに冷たくも感じてしまう。


「ファルクラムは帝国貴族達でさえ恐れた最強の反逆者集団。本来なら簡単に壊滅するはずじゃなかったの。それが掃討作戦から2日足らずで壊滅したのには理由があるのよ。恐らくは用意周到に仕組まれた罠だったのだろうけど、話は単純。それは内部的に裏切り行為があったからなのよ。もっとも信頼している人物にいきなり裏切られる。これほど有効な攻撃手段は他に無いわ。結果は貴方達も知る通り。ファルクラムのメンバーは皆、反撃する暇も与えられなかったわ。私みたいに憲兵隊に捕らえられて、監獄行きになった人もいたけれど、恐らくほとんど全員が殺されてしまったでしょうね。」


相当に凄惨な過去を持っているだろう事を予想させながらも、全く悲しそうな表情を見せないアリミアが淡々と話しを続ける。


まるで他人事の様に。そして客観的に。


次々と知ることのなかった友人の過去が露呈ろていされていく。


「父も母も作戦行動中に死んでしまった・・・。私を育ててくれた人も。そして・・・。多分、私の探している人も・・・。」


っと・・・、突然、アリミアの表情にかげりがぎったのを、シルは見逃さなかった。


淡々と語り続けていたアリミアの視線が、次第にうつむき加減で足元へと落ちて行くと、えもいわれぬ思いつめたような不思議な表情へと変貌を遂げたのだ。


こんな不思議な表情をするアリミアは初めてだ・・・。


(シルジーク)

「その人ってのは・・・。アリミアの恋人か?」


彼女の話し方が、自分の父親、母親よりも比重が大きかったような印象を受けたシルが、ふと、誰しも思いつくであろう疑問を投げかける。


しかし、そんな問いを一蹴するかのように、再び厳しい表情を浮かべたアリミアは、今度は素っ気無く返答を返した。


「その裏切り者の事よ・・・。」


その声は、少し黒味かかった低い声。


激しい怒りがその言葉に込められているであろう事はすぐに解ったが、それでも彼女は再びシルに微笑み返すのだ。


「スパイとして活動している以上、常に死とは隣り合わせ。それがたとえ任務の依頼者であったとしても、口封じのために謀殺される事だってある。陰謀渦巻く帝国内部でのスパイ活動ですもの・・・。もう始末されている可能性の方が高いわ。でもね。私はその裏切り者に、少しは感謝しているの。私をファルクラムという檻の中から解き放った事は事実だし、それにね・・・。私の心の支えでもあった。私がよく本を読むようになったのも客観的世界の情報、知識を得るためなの。偏った世界からの離脱。自立した自我の創作。生きていくって難しい事ばかりなのよね。他人を生命を侵食する行為が、同時に自分の生命をも侵食している事に気づいたのもつい最近。こんな人として最低の人間である私が言うのもなんだけど、人が生きていく為には、相対する他の人の思いが必ず必要なんだって、気づいたのも最近なのよ。」


他人を殺す事に全く何の躊躇ためらいもなかった。


他人から何かを奪う事に対して、何の罪悪感も感じなかった。


そしてそういう生き方に、一遍の疑問も抱かなかった。


そんな私が、今一番欲して止まないもの。


「セニフ・・・。さっき私が貴方に話さなければならない事があるって言ったわよね。」


お互いのわだかまりを取り除くの・・・。そして・・・。


(セニフ)

「う・・・。うん・・・。」


こうする事が決して正しいのかどうかなんて、私には解らない。


でも私は、貴方のことを守ってあげたいのよ・・・。守ってあげたいの・・・。


「貴方の過去を知ってしまったの・・・。」


アリミアが突然発した核爆弾のように危険な言葉に、セニフの動きが完全に硬直した。


まるで見えない黒い空気の刃が身体中を包み込んでいるように。少しでも動いてしまったのなら、全身を切り刻まれてしまうかのように。


身じろぎもしない彼女は、ゆっくりと瞳だけをアリミアに宛がっただけだった。


そして少しの間を置いて、ようやく開いたその口から、必死に平静さを装った彼女の言葉が返される。


(セニフ)

「冗談はよしてよ・・・。アリミア・・・。誰も私の事なんて知らない。知っているはず無いじゃん・・・。」


そうね・・・。そうよね・・・。


このセニフの返答に、アリミアは少し悲しそうな表情を浮かべた。


私は冷血で嫌な女。


誰もが私を忌み嫌い、近寄る事さえ避けられるほどの存在。


でも、そんな事は百も承知。私はそんな女・・・。


そういう風に育ってきたのだから。


承知の上での行動・・・。そう・・・それが私。


「私達がまず相手にしなければならない本当の敵は、ユァンラオでも帝国軍でもない。自分たちの中にあるのかもしれない。」

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