表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Loyal Tomboy  作者: EN
第一話「ルーキー」
3/245

01-02:●Del-Qwolf-Amuzument

第一話:「ルーキー」

section02「Del-Qwolf-Amuzument」


「Del-Qwolf-Amuzument(デル・クォーフ・アミューズメント)」


帝国暦390年代前半から流行り始めた「あそび」の事で、主に当時の若者が熱狂した、いわゆる「戦争ゴッコ」である。


当初は各企業の開発した軍事兵器や、制御システムなどの、デモンストレーション用に開催される事が多かったのだが、最近では主に人々の娯楽の一つとして、世間一般的に知られるようになってきた。


勿論、真に相手の命を奪い合う戦争とは違い、決して相手を死に至らしめるような行為は、ルール上禁じられているが、たかが「戦争ゴッコ」とはいえ、使用する武器は当時の最新鋭人型軍事兵器、「Del-Qwolfデル・クォーフ」通称「DQディー・キュー」である。


「DQ」はEC360年後半から、各国での開発が本格化し、EC375年のセルブ・クロアート・スロベーヌ帝国「ストラントーゼ軍」に、初めて軍事用として登場する。


身長は10〜20m、自重は6〜15tが平均で、開発当初は歩く事もままならない、ただのガラクタ同然の固定砲台でしかなかった。


しかし、その後、各国のDQ開発力は著しい発展を遂げ、DQ移動制御システムに革新的な技術が次々に生み出されるようになると、2足歩行が可能な、人型タイプが出現するようになる。


そして、高出力動力システムの小型化や、機体軽量化などが進み、高速機動が可能なジェットエンジンを搭載したDQが、市場を独占するようになった。


瞬く間に大陸中に浸透した軍事兵器DQを用いた遊び「Del-Qwolf-Amuzument(以下DQAディー・キュー・エー)」は、戦闘を繰り広げるべき広大な土地を「DQA主催者」が提供し、限られた期間の中でいかに敵からポイントを奪い取れるかというものである。


ポイントの付き方は、地方によって様々だが、一番簡単なポイントの取得方法は、まずは戦闘に参加することであり、持ち点がゼロとなったところで、失格になるような事は無い。


自らの攻撃を相手のDQに命中させるだけでも、ポイントの取得は出来るが、もっとも高いポイントを稼げるのは、やはり相手のDQを戦闘不能にすることであろう。


しかし、逆に自機が戦闘不能となれば、減点の対象となるし、物資の補給、機体の修理などでも、そのポイントは消費されることとなる。


DQA大会において、何といっても有利なのは、DQ操舵に長けたパイロットであることは確かなのだが、そうも単純なシステムではないのが特徴だ。


DQA大会の開催期間は5日〜7日。


しかも、各企業スポンサーのついた約30ものDQAチームが、同じ会場内で一斉に戦闘を繰り広げるのである。


1チーム編成6人で3機のDQを使用し、この戦闘に参加する事になるのだが、火薬の量を抑えているとはいえ、使用する弾は実弾であり、毎年平均しても、各地で1〜3人死亡者が出ている。


本来、このような危険な遊びに関しては、国で規制すべきものなのだが、これが「若者の傭兵育成所」として、黙認されているのが現状である。


1人のDQパイロットを訓練し、一人前の兵士として育てるためには、かなりの時間を要する上、DQ10機分の購入費を軽く超えてしまう。


この戦乱の時代に、民間企業の資金力を使い、自国の兵力をアップさせる事が出来るのであれば、国としても大助かりという訳だ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ