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Loyal Tomboy  作者: EN
第八話「懐かしき新転地」
177/245

08-30:○飲み会[3]

第八話:「懐かしき新転地」

section30「飲み会」


ようやく訪れた平穏なる一時に安らかな溜息を大きく吐き付けて、口元へと運び入れた芳醇ほうじゅんなる美酒に舌鼓したつづみを打ち付ける。


無意識の内に選別消去された外野のざわめきもまた心地良いくらいで、しっとりと落ち着き座った身体の真中心部を舞台に、軽快なステップを踏み舞う意識が、異様な浮き立ち様を演じ奏で始めていた。


飲めば飲むほどに高揚こうようし行く感覚と、じんわりと微睡まどろみ行く感覚とが、得も言われぬ相乗効果を生みもたらしてくれているかの様で、見えているものの全て、聞こえているものの全て、感じているもの全てが、意図せずとも自然に心地良く捉え得られる様になっていた。



気心が知れた男性二人と、温厚な性格の女性二人とが形成する穏やかな輪の中で、無作為に飛び交っていたグダグダ感満載の他愛無き会話は、確かに低調なる冗談事を、ただ単に並べ連ね出しただけ・・・の完全なる酔っ払いトークだった。


無駄に騒がしいだけの、無意味に迷走し続けるだけの、非常に中身の薄いお粗末な遣り取りでしかなかった。


・・・が、しかし、それでも尚、彼女の表情は極々自然に漏れ零れた笑み色一色に塗れ、ほがらかな気持ちに浸り入った思いが、普段よりも一段高い音階の声色を発せさせている様だった。


取るに足らない瑣末さまつなる遣り取りの中に、奇妙な居心地の良さを如実にょじつに感じ得ながら、彼女はくすくすと笑った。そして時に、あっはっはと大きく笑った。


非常に楽しかった。その場から動き去ろうなどとは、少しも考えなかった。


一つの店舗を完全に貸し切って執り行われている大宴会である以上、誰が何処に行って誰と飲もうと各々の自由、各人の勝手・・・と言う事になるが、この時の彼女は、少しも動く気配を垣間見せなかった。


勿論、彼女の様に、一度座った席から全く離れない者達とは別に、積極的に各テーブルを渡り歩く輩達が数多く見受けられた事も事実で、完全に同じメンバーで固定化し、飲み続ける事が出来た者は、ほとんど皆無に等しかったと言えよう。


言うまでも無く彼女も、そう言った輩達の突然の訪問を、不意に受け食らわされる事になった。



(バネル)

「非常に盛り上がっている所すまんが、ちょいとばかり横槍を入れさせてもらうよ。」


(セニフ)

「はい?」


(バネル)

「実はこのテーブルに、フロアツーのパイロットが居ると聞いてやって来たんだが、何方どなたがそれに該当する方なので?」


(フロル)

「フロアツー?フロアツーなら、今日は私もやったけど・・・。」


(メディアス)

「そういや私も、一昨日ぐらいにフロアツーをやったね。」


(ビッテル)

(一尉。一尉。ネニファイン部隊は隊毎にメンバーを固定化していないって話ですし。)


(バネル)

「ああ。そうか。そう言う事か。・・・では、マリンガ・ピューロ跡地まで、出張ってくれたフロアツーと言えば、解ってもらえるかな?」


(セニフ)

「えっと・・・。私・・・だよね。」


(サフォーク)

「お前しかいないだろ。」


(シルジーク)

「・・・失礼ですが、どちら様で?」


(バネル)

「いやいや。これは失礼。私は第七機械化歩兵部隊のバネル・ラカゼッテ一尉だ。」


(ビッテル)

「私はビッテル・グレーブナー三尉です。以後、お見知りおきを。」


彼女達が座り屯すテーブルの脇に、突然姿を現した二人の男性は、見るからに屈強そうな体躯を携えた大男だった。


短く刈り上げた漆黒の直毛と、比較的のっぺりとした顔立ちが印象的な男の方は、名前を「バネル・ラカゼッテ」と言った。


そして、肩にまでかかる長い白銀髪と、幼げな顔貌がんぼうが特徴的な男の方は、名前を「ビッテル・グレーブナー」と言った。


(バネル)

「ふーむ。若いな。作戦中に聞いた声の感じからして、若い女性だろうとは思っていたが・・・、まさかここまで幼い子供だとは思わなかった。お前さん、今、歳はいくつだ?」


(セニフ)

「えっと・・・、16歳です。」


(ビッテル)

「16歳?」


(バネル)

「16歳?」


(サフォーク)

「16歳?」


16歳と聞いて、にわかに驚きの声色を発し上げた二人の顔を見て、彼女は一瞬、何故に?と思った。


・・・が、思いっきり蛇足気味に同じ言葉を吐き続けたサフォークが、直ぐにその意味を暗に示し出す発言を付け足し並べた。


(サフォーク)

「・・・お前、もう16歳だったんだな。俺はまたてっきり、まだ12、3歳なのかと・・・。」


(セニフ)

「そんな訳あるかい。」


(シルジーク)

「お前・・・。一体どう言うつもりでセニフを飲み会に誘ったんだよ。」


(サフォーク)

「別に酒を飲むだけが飲み会じゃないだろ?オレンジジュースを飲んでたって一向に構わないじゃないか。」


(フロル)

「そのネタ、もう飽きた。」


(バネル)

「ふーむ。16歳か・・・。しかし、その若さであれ程の境地とは・・・。ふっ。恐れ入ったよ。過去に一体どんな訓練を積み重ねてきたのか、非常に興味深い所だな。」


(ビッテル)

「そうですね。何せ相手は、あのツィー・ハゲンですからね。本当に見事な戦い振りでした。」


(セニフ)

「あ、いや・・・。私は別に・・・。」


(シルジーク)

「・・・。あの・・・、それで、ご用件はなんでしょうか?」


(バネル)

「いや。別に大した理由があった訳じゃない。ただ、フロアツーのパイロットが一体どんな奴なのか、一目見ておきたかっただけだ。」


(ビッテル)

「そうですよ。私達は別に喧嘩売りに来たって訳じゃありませんから。そんなに怖い顔しないでください。」


(バネル)

「昼間の戦闘では非常に世話になったな。感謝している。これからもよろしく頼むよ。」


(セニフ)

「あ、はい・・・。」


(ビッテル)

「それではまた。」


一組目の来訪者は、第七機械化歩兵部隊の隊員達で、一体どのルートからどのように聞き及んで、この店へと入り込んだのかは解らないが、恐らくは最初から彼女に会う事を目的として来店した様な感じだった。


余り長々と居座る風でもなく、軽い挨拶をかわす程度でその場を後にした二人の大男は、その後、直ぐに店の出口へと姿を消して行った。


そしてやがて、程なくして直ぐに二組目の来訪者達が彼女の元へと姿を現す。


今度は綺麗なウェーブのかかった金髪が特徴的な女性が一人と、非常に大人しそうな茶髪の女性が一人と言う組み合わせだった。



(メルヴィーナ)

「あら?シルじゃない。こんな所に居たの?」


(シルジーク)

「あれ?珍しいな。こんな場所で。」


(メルヴィーナ)

「うん。ちょっとね・・・。誘われたから・・・。」


(フロル)

「どうせランスロットの奴に、強引に引っ張り出されたんだろ?断る時はしっかりと断らないと駄目だぞ。メルヴィーナ。」


(メルヴィーナ)

「あ・・・うん。でも、結構・・・。」


(サフォーク)

「おおー。まさか医務室の女神様がいらっしゃる会だったとは、不覚にも露知らず・・・。御挨拶が遅れました。わたくし、サフォーク・モロと言う、名うてのDQ整備士にございます。」


(メルヴィーナ)

「メルヴィーナ・シャルトルと言います。よろしく。」


(セニフ)

(知り合い?)


(シルジーク)

「ん?ああ。俺が以前、ブラックポイントで右足を怪我した時に、治療してくれた先生だよ。」


(セニフ)

(ふーん。)


(サフォーク)

「いやー。まさかこんな場所で貴方にお会いできるとは、まさに光栄の至りです。この上は~~~以下駄文~~~。」


(メルヴィーナ)

「あら?シル。もしかしてこのがセニフ?」


(セニフ)

「え?」


(シルジーク)

「そうだよ。このちんまいのがセニフ・ソンロ。」


(セニフ)

「え・・・。」


(メルヴィーナ)

「そうなの。初めまして。私、メルヴィーナ・シャルトルと言います。」


(セニフ)

「・・・初めまして・・・。」


(サフォーク)

「~~~省略中~~~。」


(メルヴィーナ)

「ふーん。聞いてた話よりも、随分と大人しいなのね。私、もっと活発でやんちゃなお転婆娘なのかと思ってたわ。」


(セニフ)

「・・・。シールー。あんた一体何を吹き込んだの?」


(シルジーク)

「俺じゃない俺じゃない!俺じゃないって!」


(サフォーク)

「~~~・・・もしかしてスルーされてるのか?俺は。」


(メディアス)

「見事にね。」


(メルヴィーナ)

「・・・うっふふ。本当に仲が良いのね。貴女達って。アリミアが言ってた通りだわ。」


(セニフ)

「え?アリミアが?」


(メルヴィーナ)

「うん。私、アリミアとは結構仲良くさせてもらっていたから。貴女達の事も、アリミアから色々と聞かされていたの。」


(セニフ)

「・・・そう・・・なんだ・・・。」


(メルヴィーナ)

「アリミアったらね。貴女達の話しになると、本当に嬉しそうな顔して、いつも以上に良く喋る様になるの。自分の事は全く話したがらない癖に、何でなんだろうなって、いつもいつも不思議に思って・・・・・・。あっ。」


(セニフ)

「・・・。」


(メルヴィーナ)

「ご・・・ごめんなさい。余計な事を言ってしまったわね。」


(セニフ)

「・・・ううん。いいの。・・・うん。」


(サフォーク)

「人生には乗り越えなければならない険しい山が幾つもある。その一つが今・・・って事だな。セニフ。」


(メディアス)

「良い事言うねぇ・・・。」


(メルヴィーナ)

「ええと・・・。セニフ・・・。あの、私・・・。」


(セニフ)

「ううん。いいの。本当に気にしないで。私自身、頑張って乗り越えて行かなきゃなって思ってるし、変に気を使われると逆に気が滅入っちゃいそうだしさ・・・。それに・・・。」


(サフォーク)

「まあまあ、立ち話もなんですから、取り敢えず座ったらどうです?皆で楽しくパーッと騒ぎましょうや。」


(メルヴィーナ)

「え・・・?でも・・・。」


(セニフ)

「・・・うん。そだね。皆と一緒に楽しく。それが一番。ほら。座って座って。一緒に飲もう。私さ、私が知らないアリミアの話しを、もっと聞きたいな。」


(サフォーク)

「ほらほら。木偶でく女二人はさっさとスペースを空ける。動いて動いて。詰めて詰めて。」


(フロル)

「殴っていいか?こいつ。」


(メディアス)

「止める理由が全く無いから、いいんじゃない?」


(パメラ)

「先生。先生。そろそろ・・・。」


(メルヴィーナ)

「あっといけない。もうこんな時間。私、医務室に戻らなきゃ。」


(セニフ)

「えっ?そうなの?」


(サフォーク)

「えっ?そうなの?」


(メルヴィーナ)

「本当にごめんなさい。もう直ぐ交代の時間なの。もう少し早い時間に気付いていれば、一緒に飲めたんでしょうけど・・・、それはまた今度、次の機会にって事で。」


(セニフ)

「・・・うん。解った・・・。お仕事じゃ仕方ないね。」


(シルジーク)

「あれ?じゃあ、もしかして全然飲んでないのか?」


(メルヴィーナ)

「うん。ノンアルコールだけ。」


(フロル)

「何とまぁ・・・。飲み会に来て酒を飲めないなんて、とんだ災難だったな。ランスロットの奴には、後できつく言っておくよ。」


(メルヴィーナ)

「ううん。気にしないで。私もこの子も、元々余り飲まない方だから。それでは皆さん。お先に失礼しますね。」


(セニフ)

「またね。」


(サフォーク)

「次の機会にって約束、忘れんでくださいよ。勿論、俺は忘れませんぜ。」


(メルヴィーナ)

「はいはい。解っています。それではまたー。」


彼女達は、とても品の良いお嬢様風の出で立ちをしており、周囲に屯すむさ苦しい輩達とは、明らかに不釣り合いな清楚な雰囲気をかもし出していた。


特に、会話の中心部に居た金髪の女性は、見て取れば直ぐにそれと解る、小洒落こじゃれた銀色のエンゲージリングを左手の薬指に嵌め込んでいたが、その周囲に集まり群が来る男達の色めき立ち様は、もはや尋常ではないと言うに相応ふさわしきものだった。


勿論、彼女の後に付いて回る茶髪の女性も、非常に愛くるしい容姿の持ち主であったのだが、かなり引っ込み思案気味な性格が幸いしてか、こちらはそれ程しつこく男性に絡まれる様子も無く、少し歩いては直ぐに引き留められる金髪の女性を、上手くその会話の中から逃れさせる為の役割を黙々とこなし経ている様だった。


店の出入り口付近へと向かって歩き出した彼女達が、その通路沿いに並んだテーブルの数だけ足を差し止められると言う、悲しき事態に見舞われかれながらも、それ程多くの時間を浪費せずに済んだのは、この茶髪の女性の働きが見事に功を奏したからに他ならなかった。


・・・と、これが二組目の来訪者達だった。


それ以上、彼女達の事について、彼是あれこれと思考を巡り回さなかったのは、直ぐに次の来訪者が訪れたからである。


三組目の来訪者は二人組の男女で、真っ先に声を掛けてきた先鋒者は、良く見知った顔の女性だった。



(ジャネット)

「セニフ。貴女ねー。来ていたなら来ていたで、声ぐらいかけなさいよぉー。折角一緒に飲もうと思ってたのにー。」


(セニフ)

「あ、うん。・・・ごめん。」


(メディアス)

「あら。戻って来たね。」


(ジャネット)

「あーん。もうこんな時間・・・。私明日、何故か朝からなのよねぇー。もう、信じらんない・・・。」


(バーンス)

「まあ、今日の所は大人しく部屋に帰ってさっさと寝る事だな。寝不足による判断力の低下は、中々に侮れないぞ。」


(ジャネット)

「またそれぇ?私はバーンスと違って、まだ若いんだから大丈夫よぉー。」


(バーンス)

「そう言った油断が命取りになるんだ。明日以降も万事めでたく生き延びる権利を勝ち得たいなら、今日と言う日を我慢して過ごす事も必要だ。」


(ジャネット)

「あー、これよこれ。さっきからずっと説教ばっかり・・・。もー頭痛ーい。」


(シルジーク)

「それは単なる飲みすぎだろ。」


(サフォーク)

「・・・にしては結構楽しそうだったよな。」


(セニフ)

「うん。」


一番最初に絡み付いてきた女性は、普段よりも総じてテンションが高く、比較的穏やかな雰囲気をやんわりとかもし出している様だった。


明らかに泥酔し切った酔眼すいがんを携えた彼女の表情からは、かなりのハイペースで酒を飲み重ねたのであろう様相が如実にょじつに窺い取れ、もはや、小脇に佇む強面の男性の手を借りねば、真面に歩く事さえままならない様子だった。


(フロル)

「バーンスも明日は早いのか?」


(バーンス)

「いや。俺は昼からだが、歳のせいか、最近めっきり酒に弱くなってな。今日はもうこれで失礼させてもらうよ。」


(ジャネット)

「うー・・・。何か気持ち悪くなってきた・・・。」


(フロル)

「おいおい。大丈夫かジャネット。こんな所で吐くなよ。」


(メディアス)

「今日は何だかやけにテンションが高かったからねぇ。何か良い事でもあったのかい?」


(ジャネット)

「別にー。・・・単なるヤケ酒よ。ヤケ酒・・・。良い事なんか何一つありゃしない・・・。あー!もう!なんかむしゃくしゃする!セニフの馬鹿!」


(セニフ)

「ええっ?」


(サフォーク)

「おー。これはまた見事なとばっちりだな。可哀想なセニフちゃん。」


(シルジーク)

「願わくば、こちら側にまで飛び火して来ませんように。」


(ジャネット)

「サフォーク!貴方も確か、明日は朝一からの仕事でしょ!?こんな所で油を売っていていいの!?さっさと寝なさいよ!さっさと!」


(サフォーク)

「うへっ。」


(シルジーク)

「御愁傷様。」


時刻的には既に、時計の針がその日のゴール地点へと辿り着こうかと言う時頃だった。


それまで、一様にして暑苦しい盛り上がりを見せていた店内の様相も、次第に引き潮たるや風潮を色濃く香らせ始めていた様で、より一層幅を利かせて聞き捉えられる様になった物静かな背景音楽が、ゆめうつつ的魅惑の世界の終わりを告げ知らせているかの様でもあった。


特に、明日の朝一番からの出撃を予定されている者達にとっては、完全にタイムリミットと言える時間帯であった。


(ジャネット)

「私も寝なきゃ・・・。もう寝る・・・。それじゃおやすみぃ・・・。」


(バーンス)

「おい。ジャネット。」


(フロル)

「全く・・・。酷いていたらく振りだな。正体無くすまで飲むなよ。」


(メディアス)

「バーンス。手を貸すよ。部屋まで連れて帰ろう。」


(バーンス)

「すまんな。」


(セニフ)

「あ。私も手伝う。」


(フロル)

「いいっていいって。お前はゆっくり飲んでなって。私が付いて行くからいいよ。どうせ私もそろそろ撤収しなきゃいけない時間だしさ。」


(サフォーク)

「何だ。もう帰っちまうのか?つれない奴だねぇ・・・。」


(フロル)

「何言ってるんだ。お前も帰るんだよ。お前も明日朝早いんだろ?」


(サフォーク)

「・・・何の事かな?」


(フロル)

「冗談が通じる時と通じない時があるんだよ。ほら。さっさと立つ。」


(サフォーク)

「うひぇーっ。まだ飲み終わってない。飲み終わってないって。最後の一杯。最後の一杯。」


(シルジーク)

「女々しい奴め・・・。」


やがて、三組目の来訪者達に相乗あいのりする様な形で、そそくさと帰り支度を済ませ経た二人の女性が、子供染みた最後の悪足掻きを奏で上げる男性一人を強引に引き摺り出し、テーブル席に残された二人の男女と最後の軽い別れの挨拶をかわし入れ始める。


(メディアス)

「それじゃお二人さん。後はよろしくね。」


(フロル)

「明日遅番だからって、余り飲みすぎるなよ。セニフ。」


(セニフ)

「うん。解ってる。じゃあね。」


(サフォーク)

「おい!シル!助けろ!助けろぉー!」


(シルジーク)

「お前が飲み残した酒は、俺がちゃんと責任を持って処理してやる。心配するな。」


(サフォーク)

「くきーぃっ!この裏切り者ぉ!」


(フロル)

「ほら。ちゃっちゃと歩く。ちゃっちゃと。余り手間をかけさせるな。」


そして、程なくして、完全に酔い潰れた大柄な女性を、両側から挟み込む様に抱え上げ歩き出した二人の男女と、情けなき断末魔を無駄に吐き上げる男性を引きり歩く女性が、帰路へと就き至る。


その後は、言うまでも無く、静けさだけがそこに残った。


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