08-06:○ブリーフィングルーム#4
すみません。フライアシュートとデ・オウルの兵種を記載するのを忘れていました。追記しておきます。
第八話:「懐かしき新転地」
section06「ブリーフィングルーム#4」
<パレ・ロワイヤル基地3階 第1会議室>
作戦名「スティーブ・マウンテン・ダイビング」
皆さん。お集まりのようですね。
こう言った少ない人数での作戦会議は初めてかもしれませんが、現状、パレ・ロワイヤル基地周辺部の哨戒任務と、どうしても並行実施せざるを得ない状況にありますし、今朝方に発生した帝国軍との戦闘によって、今だ数多くのパイロット達が休養中と言う状態にありますので、今回は取り敢えず、作戦任務に参加するメンバー達だけで執り行う形を取りました。
尚、サルムザーク陸等二佐は、この後直ぐ、TV電話で軍上層部会議に出席する予定となっている為、今回の作戦会議については、私が司会進行役を務めさせていただきます。
多々至らぬ点があるかもしれませんが、どうかご容赦くださいませ。
それではさっそく、当作戦における詳細説明をさせていただきます。
本日午前九時十分頃、タリオへネス山脈北方裾野一帯を巡回警備中の「クラリオンベイル」隊から、「古都市マリンガ・ピューロ」上空付近にて、帝国軍所属の飛行小隊と、交戦状態に入ったとの報告がありました。
帝国軍飛行小隊の編成は、「MWW-31型護衛戦闘機ミル・バロール」三機と、「CQW-203型中型輸送機クリューネワルト」で、その進行経路から推測するに、恐らくはコンサット山脈を越えて北上して来たものと思われます。
その後、クラリオンベイル隊から齎された続報によれば、その内、護衛戦闘機二機と、中型輸送機一機を撃墜したとの事で、残る一機に関しては、「ラフロート都市」方面へと逃走離脱した模様です。
現時点において、帝国軍航空部隊が、何故少数兵力のみでこの空域へと侵入して来たのかなど、今だ詳しい事は解っておりませんが、古都市マリンガ・ピューロを含めたこの山岳地帯一帯は、帝国軍の秘密基地が数多く存在しているとも言われている暗礁地域であり、恐らくその何れかの秘密基地に、積み荷を運び入れる任務を負っていたのではないかと見られています。
その為、軍上層部では、撃墜した中型輸送機に、何かしら有益な情報が含まれているのではないかとの見方を強め、この中型輸送機の積み荷を調査回収する方針を固めました。
今回発動される、この「スティーブ・マウンテン・ダイビング」作戦は、中型輸送機の積み荷を調査回収する、強襲歩兵部隊が主軸を務める作戦任務で、私達ネニファイン部隊は、強襲歩兵部隊を構成する第七機械化歩兵部隊の指揮下で、当作戦を遂行する事になります。
そして、その主たる任務の内容は、強襲歩兵部隊の到着に先んじて、当該作戦エリア周辺周域の支配権を確保する事に始まり、強襲歩兵部隊が積み荷を調査回収する間、彼等を護衛する役割を担う事です。
中型輸送機が墜落したエリアポイントへの侵入は、周囲が険しい山岳地帯に囲まれていると言う事もあり、上空からの強襲降下を持って執り行う予定となっていますが、ミュートローズドとも揶揄される奥深い森の中に、直接降下突入するのは非常に危険であるとの判断から、今回の作戦では、当該作戦エリアより東側に5kmils程離れた草原地帯に、降下突入する形を採用しています。
中型輸送機墜落地点まで、かなり距離が離れている感は否めませんが、現在の所、周辺部で帝国軍地上部隊の姿を確認したと言う報告はありませんし、当該作戦エリアの航空優勢権についても、引き続きクラリオンベイル隊が掌握する事になっていますので、降下任務にさしあたって懸念すべき事項はほとんど無いと考えられます。
ただ、このクラリオンベイル隊を構成する「FX-77型制空戦闘機ストローダー」は、対地攻撃用兵器を全く装備していないとの事で、彼らに対地支援活動を期待する事はできません。
また、オクラホマ都市方面の軍事的緊張が高まりつつある現状においては、オクラホマ軍事空港に増援を要請する事も出来ない状況です。
そこで今回は、パレ・ロワイヤル基地に駐留する「デモアキート部隊」に要請し、私達ネニファイン部隊の行動を上空から支援する飛行部隊を編成してもらう事になりました。
この追加支援飛行部隊の編成は、非常に高い対地攻撃能力を有した「DAH-12型戦闘装甲ヘリ、フライアシュート」二機と、非常に広範囲に渡る索敵能力を有した「DAS-03型装甲ヘリ、デ・オウル」一機によって構成され、私達ネニファイン部隊にとっては願ってもない事に、予備の弾薬や追加火器類の輸送をも請け負ってくれるとの事です。
尚、当作戦における追加支援飛行部隊の指揮権については、強襲歩兵部隊を統括指揮するフレッチャー陸等二佐に帰するものと定められていますが、先行して当該作戦エリアを確保する段階においては、ネニファイン部隊の小隊長権限を持って指示を与える事が可能となっています。
それでは次に、当作戦におけるネニファイン部隊の編成内容について説明します。
<配布資料一部内容>
<Nyifine order>
No.1 Suppression force one [fror]
a Janet-cryeece-hosnow (twmalc)
b Senif sonro (twmalc)
c Rocco Miramarl (twmalc)
No.2 Suppression force two [glant]
a Bernce-Schumacher (twmalc)
b Ruwacy-oscaford (twmalc)
c Pegy-simon (twmalc)
今回の作戦に使用する機体は、全て高機動軽量型のDQ「トゥマルク」を用いる事としています。
使用する火器類の組み合わせに関しては、皆さんの判断に一任する事としますが、当該作戦エリアの地形的複雑性を考慮し、なるべく重火器類の装備を避ける様に心がけてください。
勿論、当該作戦エリアにおいて、帝国軍地上部隊と鉢合わせする可能性が全く無いとは言い切れませんので、それに対抗し得るだけの火器類は、最低限装備しておいた方が良いと思われます。
ただ、現状帝国軍の動向がはっきりと掴み取れていないと言う事もありますので、作戦当初から重装備を持って作戦任務に臨む様な愚は、出来るだけ避けた方が良いでしょう。
トゥマルクの機動性を著しく害する様な重火器類については、各小隊長の判断でデモアキート部隊に輸送してもらう事としてください。
尚、今回の作戦における主目的は、あくまで墜落した中型輸送機の積み荷を調査回収する事にありますが、積み荷が余りに大きく回収が困難である場合、また、帝国軍の攻勢が激しく、積み荷の調査回収が困難であると判断された場合に限り、この積み荷を爆破破壊する事になっています。
第一作戦目標である積み荷の調査回収任務を放棄するか否かについては、フレッチャー陸等二佐の判断を持って下される事となっていますが、戦況的に強襲歩兵部隊が墜落地点まで到達できないケースも考えられますので、その場合には、私達ネニファイン部隊とデモアキート部隊の戦力を持って、この積み荷を爆破破壊してください。
そして、作戦終了時における退路の説明についてですが、古都市マリンガ・ピューロ南東部に広がる水源地帯の東側辺に、回収用VTOL機を配置しておきますので、作戦任務が終了しましたら、皆さん速やかにランデブーポイントへと移動してください。
また、このランデブーポイントにつきましては、当該作戦エリアの戦況如何によって、已む無く変更を余儀なくされる場合があります。
その場合、第二、第三候補のランデブーポイントに順次切り替わりますので、後続部隊からの連絡事項にも、常に気を配るよう配慮しておいてください。
今回の作戦任務では、非常に地形的に不安定な山岳地帯での行動を余儀なくされる上、周囲は鬱蒼と生い茂る木々達によって、常に視界を遮られた状態が続くと予想されます。
しかも、余りに急な作戦任務ですので、当該作戦エリアの地形データやフィールド濃度予想値、帝国軍の動向など、情報が不足しすぎている感は否めません。
ですので、今回の作戦においては、同行するデモアキート部隊、強襲歩兵部隊と、常に密なる連絡体制を保ち、作戦参加者全員の意思統一と、目標へと向かう団結力を持って、これらの不足分を補っていかなければならないと考えています。
確かに現状、当該作戦エリアの航空優勢権は、私達トゥアム共和国軍側が掌握している状況にありますが、古都市マリンガ・ピューロ周辺部に広がる「魔境の森」には、「魔物」が棲むとも言われていますので、どうか皆さん、決して気を抜かず、作戦任務成功へと向かって、邁進していただきたいと思っています。
最後になりますが、私はまた、ここパレ・ロワイヤル基地で、皆さんと笑顔で再会できるものと信じております。
ですので、どうか皆さん、全員無事で帰って来れるよう、頑張ってください。
では、以上を持ちまして、今回の作戦会議を終了とさせていただきます。
ご静聴ありがとうございました。