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第26話 密会は程好い頻度で

「お姉様、最近行動が怪しくありません?」


 ヒョウタと初めて話をしてから三日。いつものメンバーで昼食を摂っていると、不意にシエルが言った。


「あ……怪しいって?」

「休み時間の度にお手洗いに行かれたり、そのお手洗いからなかなか帰ってこられなかったり……」

「何だ? サブリナ下痢か?」

「生まれも育ちもいいのに何でそうデリカシーがないんだお前は……」


 漫才を始めたロイドとジェフリーは置いといて、これはちょっと不味いわね。でもヒョウタが絡んでる事さえバレなければ……。


「……そういえば」

「どうしましたの、ミリアム様?」

「転校生のディアス……彼も、教室にいない事が多くないかしら?」


 ぎくり。お願いミリアム、余計な事に気付かないで!


「何!? サブリナお前まさか、シエルというものがありながら浮気したのか!?」

「ちょっと、人聞きの悪い事言わないでよ!」

「そういえばお姉様、三日前に、忘れ物を取りに行ってそのまま授業に来なかった事ありましたわよね……思えばあの時から、お姉様が一人で教室を抜け出す事が多くなった……」


 シエルのその言葉に、その場にいる全員の目が一斉に私に向く。ぐっ……き、気まずい……!


「おい……サブリナお前、まさかとは思うが、ディアスに襲われ……」

「てないから! そんな事実は一切ないから!」

「そんな事があればわたくしがすぐ気付きます。貴方と一緒にしないで下さいませ、ジェフリー様」

「ぐっ……お、俺だって今はしてないぞ……」

「で、どうなの? 貴女、ディアスと会っているの?」


 ミリアムに問われて、思わず言葉に詰まる。その通りなんだけど、まさかそんな事言えないし!


「……偶然よ。第一彼が、三日前に出会ったばかりの人間に気を許すような人間に見える?」

「それは……そうですけれど」

「少し一人の時間も欲しいと思っただけよ。それだけ」


 私がそう答えると、シエルも皆も不承不承といった感じで頷いた。……ただ一人、ヒョウタと面識のないロイドだけは、よく解ってないような顔をしてたけど。

 それにしても、いつかは行動を疑われると思ってたけど……。ヒョウタとする前世トークが楽しくて、つい会う回数を増やしちゃったわね。これからは少し自重しないと。

 呑気にそう考える私は、この時、全く気付いていなかった。私にストーカー紛いの愛情を向けるシエルが――。


 ここで大人しく引き下がったのが、そもそもおかしかったという事に。

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