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第7話 あいつとの再会

ーー朝


俺は何か違和感を感じて目を覚ます。

息苦しい、なんだか圧迫されてる感じだ。



ふと横を見てみると俺のベッドにスモッグゴーストが寝ていた。

いやいやいや、無理だろ。狭いわ!

だがもう一つ違和感を感じる。

まさかとは思うが、反対側は...いた。

スライムも俺のベッドで寝ている。おかしいだろ!



お前ら自分のベッドで寝てたろ。何で俺のベッドで寝てんの?

てかスライムが小さくなってるし!


「んぁ?...お早う御座います魔王様、ふぁ〜。」


スモッグゴーストが起きてあくびをする。

それとほぼ同時にスライムがスモッグゴーストの反対で

目を覚ます。


「むにゃ、おはよ〜魔王様。」


「あぁ、おはようって違うわ。何でお前ら俺のベッドで寝てんの?凄く狭いんだけど。」


するとスモッグゴーストとスライムは顔を合わせてから


「だって魔王様の匂いって落ち着くんだもん。

良いじゃんそれくらい。」


「そうですよ。日々の仕事で疲れてる私を労うと思って〜。」


と言い俺にダル絡みしてくる。


一晩で何があったかは知らんが、仲が深まったそうだ。


「別にダメだとは言ってないが、

寝苦しいから疲れてる時は勘弁してくれ。」


そう言うとスモッグゴーストとスライムは

少し残念そうにしていた。


「それにスライム、何でお前小さくなってんの?」


「僕の体は主成分が水で出来てるからね。大きさは自由自在に変えれるよ。まぁ流石に限度はあるけど。」


主成分が水って、まるでクラゲだな。


「ところでスモッグゴースト、昨日の鏡の間に行ってもいいか?

死神と連絡を取りたい。」


仕事の話になって切り替えたのかスモッグゴーストはキリッとしていつもの調子に戻る。


「はい、構いませんよ。

死神さんも今の時間なら休憩中でしょう。」


スモッグゴーストはもともとあの世で働いてたから休憩時間なども分かるのだろう。


「よし、早速行こうか。」


俺たちはベッドルームを出ると

昨日スモッグゴーストに案内された鏡の間に向かう。


■■■

魔王城『鏡の間』▼


中は昨日と全く変わっていなかった。

強いて言えば鏡が少し光ってたぐらいだ。


「これってどうやって使うの?」


「死神さんと連絡を取るときは

“コネクト死神”と言えば会話が可能です。」


なるほど、意外に簡単だな。

もっとこう呪文とかを読み上げるのかと思った。


「じゃあ早速、“コネクト死神”」


鏡に向かってそう言い放つと鏡が光り出し、死神の姿が映る。どうやらテレビ電話のような仕様らしい。


「すげぇ本当に繋がった。」


「ん?この声は、お前文句言いまくって転生した奴じゃねぇか。」


「おい、余計なこと言うな。俺の仲間も会話聞いてんだぞ。」


一言目で普通そんなこと言うか?

気が利かない死神だなぁ。


「で、何の用で連絡してきたの?

貴重な休憩時間を無駄に費やしたくないんだけど。」


「そっちでこの世界に勇者として転生した奴がいるか確認したい。教えてくれ。」


そう言うと死者は束になった紙を

パラパラとめくっていく。


「記録では勇者として転生した奴はいないけど、

何でそんな事聞くんだ?」


「あぁ、俺魔王に転生したから勇者がいつ来るか知っておきたくてさ。だから連絡したんだ。」


「ふ〜ん。え?お前魔王に転生したの?最弱モンスターじゃなくて?似合わねー(笑)」


コイツいちいちムカつくこと言うな。


「とりあえず、勇者に転生した奴がいないなら良いけどさ。あ、もう一つ聞きたい事があった。別の生命体になれるスキルとかってこの世界にあるのか?」


「は?無えよそんなスキル。でもそうだな、見た目だけだがどんな生物にもなれるスキルはあるぞ。《擬態》ってスキルだ。」


「あ、そのスキルの魔導書は魔王城にありますよ。

でも何で今そんなことを?」


何故この場で《擬態》スキルの話が出てきたのか

不思議に思ったらしい。


「あぁ、冒険者として活動するのにずっと一人は厳しいからな。この際だからスライムを連れて行こうと思って。」


そう言うと、スモッグゴーストは納得した様子を示したがスライムは急に自分の話になって驚いている。


「え、僕も一緒に行くの?別に良いけどさ、《擬態》スキルってのは僕が習得する事になるの?」


冒険について行く事はあっさりと承諾してくれたが魔導書を使ってのスキル習得には少し遠慮しているらしい。


まぁそうだよな、先代魔王が遺していった物だし。


「俺はスライムに習得してもらいたいと思ってる。今後【はじまりのまち】で活動するにしたってモンスターの姿じゃ困るだろ?」


「まぁ、魔王様がそう言うんだったら僕は良いけど。」


スライムとの一連の会話をずっと鏡から聞いていた死神が退屈そうに溜息を吐いた。


「用が無いならもう切るぞ。こっちも暇じゃ無いんだ。」


「あぁ、ありがとう。また連絡するよ。」


そう言うと鏡に映っていた死神の姿が消えて

鏡も元の光加減に戻る。


「お持ちしましたよ〜、はい魔導書。

これで《擬態》スキルが習得出来ます。」


俺たちが話している間に魔導書を持ってきたらしい。

準備が早いな。


「よし、じゃあ早速習得しようか。

スライム、魔導書の表紙を見てくれ。」


「ん、表紙?中身じゃなくて?」


そう言いつつ表紙をスライムは眺める。

だよな。俺も最初は中身だと思ったよ。


「これで習得出来たはずだ。使ってみてくれ。」


どうやらスキルの使い方は全てにおいて同じらしく、スライムは迷いもなくスキルを発動させた。


「《擬態》人間。」


スキルが発動すると共に徐々にスライムの姿が変わっていく。


人型に形状が歪んでいき、髪の毛は水色のロングヘアー。肌の色は白く、身長は低めで150cm後半といったところか。


瞳の色は紫でどこか知的にも見える。

まぁそんな感じの小柄な少女である。


たった一つ、俺的に言わせれば

…なんかもう、めちゃくちゃ可愛い女の子だった。

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