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第13話 魔王降臨

■■■

魔王城▼


アトリアに急かされるがままに魔王城へと転移してきた俺たちが驚いたのは、まずは玉座の間の在り様だった。


元々はスモッグゴーストが先代魔王の命令でずっと維持してきた空間だったのだが今ではその面影は全く見えない。


結論から言うと崩壊していた。圧倒的に、凄惨的に、悲劇的に、破壊されていた。


されていたと断定できる理由は語るまでもなく魔王だ。


俺たちを目先の敵にしているであろう、他の大陸を統べる魔王。


魔王軍幹部のヴァドルの話では少なくとも大陸間の移動には船が必要になるため相当時間を要するとのことだったが、なるほど。


俺と同じようなスキルを持っていると考えていいかもしれない。


「…え?どういうこと?スモッグゴーストは?どこに行っちゃったの?」


アトリアが震えた声で悲痛に叫ぶ。


「お、おお落ち着け!ま、まずはスモッグゴーストの安否を確認するんだ。いいか?こういう状況下ではパニックになるのが一番マズイ。れ、冷静になるんだ。」


「いや、僕よりもパニクってるサイカに言われたくないよ。おかげで冷静さを取り戻したわ。」


俺たちはもう一度周囲を確認する。視界内には魔王らしき姿は見えない。そしてスモッグゴーストも。


「とりあえず鏡の間に行ってみよう。死神との連絡手段があればどうにかなるかもしれない。」


「うん、行こう。」


■■■

魔王城「鏡の間」▼


鏡の間の扉は一切破壊されていなかった。


他の場所は原型を留めていないのにここだけ何もされていないのは不思議だ。


俺たちは扉を開ける、そして視界に飛び込んできた映像は意外すぎた。まずスモッグゴーストがいた。


しかし驚くところはそこじゃない、問題はスモッグゴーストが対峙していた相手だ。魔王。見ただけで分かる威圧感とオーラを兼ね備えている。


「ちょ、スモッグゴースト!お前無事なのか?」


声を聞いてやっと気付いたのかスモッグゴーストがこちらを見る。


「あ、魔王様お帰りなさいませ。どうしたんです?」


「どうしたも何もお前の目の前にいる奴は…!」


「あぁ、このお方ですか。北の大陸を統べる魔王ですよ。実は私このお方と面識がありまして。」


は?おい今なんて言った?平然と魔王と言っておきながら面識がある?


「ちょっと待ってくれ、頭が追いつかない。その北の大陸を統べる魔王とやらは俺たちを殺しにきたんじゃないのか?」


すると今まで黙っていた魔王が口を開く。


「ほう、お前がうちのヴァドルを倒したという魔王か。名は確かサイカだったな。我の名はギリ・ドーヴァ。その昔先代魔王とはよく酒を交わした。」


「え、先代魔王?待て、よく分からなくなってきた。あんたは俺たちを殺しにきたんじゃないのか?」


そう言うとギリ・ドーヴァは少し笑い


「そんなことはしない。元はと言えばヴァドルが勝手にキレただけだしな。非はこちらにある。」


意外にもまともな返事が返ってきた。てっきり俺は幹部を倒したことでこのまま戦争にでも発展するのかと思ってたけど。まぁうちにそこまでの戦力はまだ無いが。


「でも何で俺たちのところにやって来たんだ?報復が目的じゃないとしたらこんな場所に来る必要無いだろ。」


ギリ・ドーヴァは少し俯き何かを思い出すようにしている。


「実は先代魔王と約束していてな。次の魔王が現れたらそいつの力になって欲しいと。」


先代魔王。俺はその人がどんな人格者だったのか知らないが話を聞く限りではかなり優しかったらしい。


「それはありがたいんだけど、俺たち何もお返し出来ないぞ?もし見返りを求めてるんだったらの話だけど。」


「いや、そんなことは良い。これは我が勝手にすることだ。ただ、一つお願いがある。」


ギリ・ドーヴァが申し訳なさそうに俯く。やめてくれ、支援してもらうってのにその態度は逆にこっちが申し訳なくなる。


「お願いってなんだ?」


「我の娘を連れて行って欲しい。サイカ、お前のパーティに入れてやってくれ。」


む、娘さん?良いんですかお義父さん!


「何へんな想像してるの。パーティだって言われてんじゃん。」


横からアトリアが肘で小突いてくる。てかサラッと心を読むな。


「は、はい良いですよ。むしろ大歓迎です。」


緊張して敬語になったー!

仕方ないじゃん、娘さんだよ?聞くだけで萌えるだろ!


「よし、では早速紹介しよう。シリウス、出てきなさい。」


そう呼ばれ魔王の影の中から現れたのは魔王の娘というにはあまりにも雰囲気が違う。


髪は銀髪のショートカット、身長はアトリアよりも少し高いくらい。


瞳の色は緑色でどこか優しそうなイメージを持たせる。

格好は魔王の娘だからなのか黒いドレスを着ている。


「え、なんて綺麗なんだ…」


「あの子ものすごく可愛いね…」


「はえー、ギリさんのご子息を見るのは初めてです。」


それぞれがシリウスと呼ばれた少女に対して見惚れていると、少女はついに言葉を発した。


「ふっふっふっふ。遂に我を導く者が現れたか!我が名はシリウス・ドーヴァ!北の大陸を統べる魔王、ギリ・ドーヴァの娘だ!」


…あぁこの子もアトリアと同じで面倒くさそうだなぁ。

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