第1話 転生先は異世界?
ミーンミンミンミンミン。セミですね。夏休みです。風流な俺はこのセミの鳴き声を聞きながら俳句を作る。
...なんてことは無い。誰が俳句なんぞ作るか。
この俺が誰だって?
俺の名前は千里条 災禍。至って普通の男子高校生と言いたい。
今俺は自転車に乗って本屋に向かっている、攻略本を買う為だ。
参考書?知ったことかそんなもん。レトロなゲームが好きで昔のゲームをやりだしたけど全然クリア出来ないから買いに行くことにした。
「それにしても暑いな。なんだか意識が朦朧としてきた…」
駄目だ、まともに前が見えない。うっ…
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バタンッ!ギャギギギ!
…おい!誰か救急車を呼べ!
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...うん?ここは何処だ?
俺は確か自転車に乗って本屋に行く途中だったと思うけど。
「やっと気がついたか、千里条 災禍。ここは何処だって顔してるな。ここは要するにあの世というやつだ。そして私は死神だ。ここで死んだ者の魂を管理している。」
俺の目の前には黒いローブの様なものを纏い、両手には細長い鎌を携えた骸骨が佇んでいた。
死神?ふーん、へぇ、そう。ん?
「何、じゃあ俺死んだの⁉︎まだ高校一年生で青春真っ盛りだったのに?」
「いや、見ていた限り青春なんて言葉が出てくるような生活じゃなかったと思うけど。ていうかずっと引きこもってゲームしてたろ。」
死神はため息混じりにそう言ってこちらを見ている。
「うるせぇ黙れ!俺にとってはそれが青春だったんだよ!あぁどうしよう。まだ逆鱗手に入れてなかったのに、これじゃあゲームできないじゃん...」
「あの、すみません。話を聞いて下さい。用がなかったらそもそもお前みたいなカスの前に現れないから。話を聞け。」
「分かったよ...はぁ。」
「私はここで魂の管理をしてるんだが、ちょっと依頼があって今回はその仕事の為にお前の前に現れた。」
「お前、ゲームは好きだろ?それを踏まえた上で話がある。転生してみないか?お前が想像するようなファンタジー世界に。」
「したいです。早速お願いします。」
「ま、待て!決断が早すぎる!なんかこう、未練とか無いのか?」
「無いよ。あんた自身が言った通り俺はまともな人生を歩んじゃいないんだ。ほら早く。」
「えぇ...卑屈過ぎだろ。まぁ良い。転生する上でいくつか注意点があるから説明する。」
・その1転生先の世界から元の世界には戻れない
・その2そもそも文明レベルが違うので常識が通用しない
・その3転生した時の種族及びその地位はランダムである
「こんな所かな。あとサービスで向こうの世界の言語を自動的に理解出来るようにするから。」
「ちょっと待て、種族がランダムってもしかしたら最弱モンスターに転生しちゃったりするのか?」
「可能性はある。けどまぁネタ被りしそうなんでそれは無いっしょ(笑)」
「(笑)じゃねえよ。そこは草を生やすべきだろ。いや別にそこは問題じゃ無いけど。っておい、お前何やってんの?」
「何って転生する為の魔法をお前というカスの為に駆使してんだろが。」
「おい、ちょっと待て!まだ話は終わってねえ!最弱モンスターに転生するのだけは御免だぞ!」
「知らねえよ。お前の素質次第じゃね?...あ、準備出来た。じゃ頑張って。」
「ちょ!おいおいおいおい!うわぁぁぁぁぁ!」




