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第二章『神獣の村のフドゥ』

目が……いいや しっかり物を捕えれるようになった時 俺の眼中には、獣耳の女性、男性、ご老人が賑やかに歩いていた。おい…さっきの市内と大違いじゃないか 賑やかすぎないか?とふと思った時 俺の横にいたはずのセレナの姿が見えなかった。アレ?と首をかしげていると




『ミチカゲ こっちです』




遠くから俺をよb……セレナだよな。俺の眼中には、黒色の猫耳に似た獣耳が天に反るように立っていた。髪型、容姿、セレナだが獣耳アニマルイヤーが生えるだけでこんなに違いが出るとは……もしかしたらセレナが厳つい男たちに捕まっていた理由ってこれじゃないかと考え出す。




『・・・ミ…チカ…ゲェ ミチカゲ』




ひたすら俺の名前を連呼していたので、さすがにセレナの元に向かって小走りした。




『ミチカゲ ここは、一番栄えている神獣族の村〝猫夜村びょういやむら〟です。ここには、多くの神獣族上位種〝猫神びょうしん〟が暮らしてます。八割が猫神で、残り二割に犬神けんしん、狐神こしんなんですよ』




歩きながらセレナは、この村の事を言っていた。ビョウシンか……セレナも猫神なのでは?と考えていた。




『この耳は、猫狐びょうこ。つまりハーフの印で、その印に他の猫神と比べると耳が大きいんですよ』




そうセレナは、言った。この異世界だとハーフも普通にいる つまり人間もいるかも知れないのだ。だがまじまじセレナの獣耳を見るとやっぱり猫耳にしか見えない…。そんな事を思っているとセレナが……。




『ここですよ 〝ファムフドゥ〟。ここがお探しの場所だと思います。』




とニコニコしながら答えた。確かに佇まいは不動産屋そのモノ。だが一点違うと言えば……何故か店の前に売り込みとか書いていないのだ。




『ミチカゲ 入りますよ』




そう言って彼女に引きつられながら フドゥの中に入っていった。フドゥの中身は、思ったよりも質素しっそで普通な空気だった。




『ようこそ ファムフドゥへ』




その普通の空気の中で一際目立つ女性に話しかけられた。


挿絵(By みてみん)


『ここは、建物探しから依頼までなんでも受け取るフドゥ屋 そして、ここの社長のルナと申します』




折り目正しい女性はルナと名乗る社長さんだったのでした。ルナ曰くどんな依頼でも解決する万能屋のことをフドゥと呼ぶらしい。彼女に早速 事務所のことを言うと……




『では、早速、パスポートをお見せ下さいませ 能力値、攻撃属性、守り属性から将来のお金を予想し、建物を渡す役割となっています』




ルナは、ひょいっと俺のパスポートを見る。




『こ、これはExスキルが一つありますね おおよそほとんどの建物を貸し出す事が出来ますね』




とルナは、言った。俺は、迷わずガレージのような建物を選んだ。




『レベル1で、こんなExスキルがある人は、初めてですね では、契約に入らせていただきますがパスポートを使い 契約をします。私が見本で使い方を見せますね』




〝 職業 商人


名前 ルナ・ファム


能力値 78


MP 130


攻撃属性 時を止める


守り属性 鋼鉄(中)



……こんな感じと言いながらルナは、契約のやり方を教えていた。職業商人か……職業色々だな。




『聞いてますか?』




そう言われて慌てた。違うことを考えていて、あまり聞いていなかったとは言えなかった。




『では、先程教えたように、これにパスポートを翳して下さいかざしてください 』




言われた通りにパスポートを翳す。確かに翳しただけで契約は成立したらしいんだが、ちゃんと聞いてなかったせいか、それとも間違えたのか名前が……〝ミチカゲ・フルシハラ〟になっていた。これじゃ英語と一緒じゃないかと心に思い ルナの顔をじっと見る。




『はい これで合ってます』




あ、あ、合ってます!?これ合ってるの?




『苗字があとで名前が先ですよ 常識じゃないですか』




そうルナは、言った。ま、まさかな……じゃ今までこれを見るまで俺の名前〝道影 古市原〟と思われていた事になる。ただ単に恥ずかしいじゃないか……。セレナは、うしろでニッと笑っていた。ルナ以外の職員も何気に笑ってるし、恥ずかしい……。




『ミチカゲ おもしろぉい♪』




そう言いながら三分ほどずっと笑っていた。職員は、多少なり笑っていただけだったがセレナに比べれば少ないものだった。




『これで、契約成立です。またご利用の機会がありましたらどうぞ寄って下さいませ』




そう言ってルナは、席に戻った。




『ミチカゲ 神獣の村一緒に歩こう』




とセレナは、言ってきたのを遮るかのように職員の一人が資料を渡し忘れたと言って届けてくれた。資料を手に取りペラペラとページをめくる。あのガレージがある場所が示されていた。ば、場所は……〝多種族国家 来亜国〟。俺がそう呟くと横でセレナが真っ青な顔をしていて、気になったからどうした?と聞く




『ミチカゲ……聞き間違いじゃなかったら…〝来亜国〟と言ったよね?』




あぁと俺は、答える。やはり知らないがセレナは、震えていた。




『来亜国は、東の端に位置する国よ ここからどのくらい遠いって分かってる?』




確かここが北側……遠くね。で、でも門があるからすぐに着くんじゃないか? ほら門でシュパシュパって……。だがセレナは、震えた顔でこう言い返す。




『門は、神獣族の村のみを繋いでいるの だ、だから来亜国に一瞬で飛べる門は、ないわ つまりほぼ徒歩で東に向かうの』



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