家の地下
「知っていたのは、なんとなく……」
「なんとなくなわけないわ! どこでこれを調べたの?! やっぱりあの噂が関係しているの?!」
あれ、噂って何?
「噂ってなんですか?」
「どこからでも聞こえてくる噂を知らないなんて……いいわ。教えてあげる。
それは、『仮面をつけた女神は不老不死であり魔術之神 ラマングルードの生まれ変わりかその人である』って噂よ」
そんな噂があったのか……あってるけどね。
それより、魔術之神 ラマングルード以外の神様を聞いたことがない。
やっぱり、転生させたあの普通神は、ラマングルードなのだろうか?
「あれ、本当は知っていたの? 驚きもしないなんて……」
「別の子を考えてました。そうなんですね。不老不……」
「どうしたの?」
確信犯を見たら、やっぱり確信犯であった。
そのカミール先生の魔術便利すぎないか?
「その噂は本当なの?」
「違います」
「そうなのね。じゃあ、今回の回答は?」
「たまたまです!」
「そうだったの……しょうがないわね。新しいおもちゃが出来るかもって思ったのに。これからは、しっかり授業を受けてね! これで私の話はないのだけど、ライトちゃんからいうことはある?」
「ないです」
「そう。じゃあ今日はありがとうね」
そう言われて、ヘロドス先生の話が終わった。
それより、カミール先生だよ!
会話してて言葉が出なくなるの本当に驚くからやめてほしい。
「無理だ」
そういえば、この人心が読めるんだった……
「なんでですか?」
「お前という奴は……」
盛大にため息をつかれてしまった。
「いいか? ライトが不老不死と思われて、研究所ができた。そして、ライトが不老不死と確定する。するとどうなるか? わかるよな?」
「あ……」
「ということだ。明日は休みだし大人しく魔道具の練習でもしておけ」
「そうですね……魔道具の練習はどこでしたら?」
「そうか、練習場がないのか。わかった。私が地下に作ってやる」
「おお! ありがとうございます」
「早速ライトの家に向かうぞ」
「はい、さっそ……く??」
目の前には、両開きの立派な扉が現れた。
それは、びっくりするぐらい、綺麗で、ひたすら魔導を極めないと使えないだろうと見ただけで思えるほど立派であった。
「えっと、これは?」
「ちょっとした魔術だ。これの扉は私の趣味だが……まぁ、細かいことは気にするな。早く入れ」
「気になりますけどね……」
やっぱりカミール先生がチートすぎる。
なんでこの人が先生なんかやっているんだろうか?
部屋についた。あっという間だった。
こんな便利な魔術是非共使えるようになりたい。
「使うのは、あと数百、いや、千年くらいは必要かもな。っと、この手紙は?」
カミール先生から見せられた手紙は私の書体で書かれた手紙だった。
これは、多分未来の私が書いた手紙だな。
「なんて書いてありますか?」
「えーと、大体は、『ちょっと強くなったからって調子に乗るな! 調子に乗っていたら、ぶち殺しにくるからな! あと、地下に魔術の研究室と、訓練場を作っておいたから、好きなように使うように。追伸 訓練中、俺の戦いの記憶を程よく、過去の俺に埋め込んだから何か影響があるかもしれないから、頑張れ』だそうだ」
「記憶を埋め込む? ……もしかして!」
「多分普段どうりに喋れなかったのは、このせいだろうな。もう引き返すのは無理だろうが……」
「無理ですか? 戻らないんですか? 困るんですけど? カミール先生?」
「出来るぞ。学園での立場は知らないが、コミュ障は直せる。これで大丈夫だろう」
「おお! ありがとうございます」
「しかし、未来のライトもすごいな。ちょっと記憶を埋め込むだけで、こうなるなんて。あれは、一体どれだけ人間不信なんだろうか……」
「それより記憶を埋め込むって……」
「そんなことより、地下を見に行こう!」
「あ、はい」
地下の施設は凄かった。
訓練場は、びっくりするくらい広くて、学園の講堂くらいの広さがあった。
家はこの大きさないのに……
研究室は、よくわからなかったが、カミール先生曰く、今まで見た中で、一番使いやすそうと言っていた。
私も、研究室で植物の栽培場があるなんて思ってなかったのだが……
「こんだけ広い訓練場なら私も戦えるな。ライト、ちょっとひと試合しようか?」
「え……」