洗脳できる先生って……
「まぁ、良いや。おい! お前! あの時俺にしたこと許すわけないからな!」
あの時したこととは? 記憶に無いんですけど……
というか、体が焦げてることは無視するのか……
「えーっと、カミール先生?」
「指輪の効果で、縛り上げておけ」
「え、え? わかりました」
カミール先生、やっぱり凶暴そうだもんな……
「おいふざけんな! くそ! その魔道具ずるすぎるだろ! これで縛られるのも2回目だぞ!」
そんなことしたか?
「カ、カミール先生?」
「はぁ。面倒だな」
カミール先生が何かしらの魔術を使っている。
もう無詠唱なのは、突っ込まないでおこう。
「ライト様! 私の惨敗でした! 負けた上に色々なこと言ってすみませんでした! カミール様、これから教会に行ってきます。ライト様、この度の試合、ありがとうごいました。反省点が多く見つかる素晴らしい試合でした。では、私はこれで……」
「……」
ちょっと、待って。
見間違いだよな? そうだよな?
どう考えても洗脳してる気がするのは気のせいだよな?
「ふ、やっぱり便利だな」
か、確信犯だ……
◆◇◆
確信犯だったカミール先生はそのあと、ホームルームをして解散となったが、カミール先生と一緒にヘロドス先生に呼ばれた。
「カミール先生? 何で呼ばれたんですか?」
「私はライトが呼ばれた理由は知らないが、私はライトの担任だから呼ばれたんだと思う」
「そういえば、さっきの魔術……」
「着いたぞ」
さっきの洗脳について聞きたかったのに……
一体カミール先生は何者なんだろうか……?
「よくきたわね、ライト、カミール先生?」
「えーと、呼んだ理由は?」
今のはうまく喋れたと思う。
コミュ障が最近多くて困る。
なんか、頭の中でストッパーがかかるような感じがしてうまく喋れないんだよな……
あれ、敬語は?!
「そうね、理由はたった一つよ! あなたの回答についてよ!」
あれ、また何かしちゃいました?
「その問題は、『最近の研究では、この王都でも信者の多い宗教の神である、魔術之神 ラマングルードは人間であったと予想が立てられている。もし、人間であると明らかになったとすると、王都にもたらす影響は何か答えよ。また、そのときただ一人の人間が1700年以上も宗教として崇められるようになったか、その理由を自分で考えて答えよ』って言う問題よ」
あー、そんな問題もあったような気がする。
一夜漬けだから、忘れちゃたけど……
「この問題は私の冗談で作った問題なのかに、ライトは本当に起きたような回答をして、しかもそれが正しかったと後からわかったのよ! なんで、あなたはこんなことを知っていたの?!」
「そ、それは、カ……」
声が出ない。カミール先生と言おうとすると、『カ』までしか言葉が出ない。
そして、一緒についてきたカミール先生の方を見るとニヤッと笑っている。
確信犯め……
「カ?」
「知っていたのは、なんとなく……」
「なんとなくなわけないわ! どこでこれを調べたの?! やっぱりあの噂が関係しているの?!」
あれ、噂って何?