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……強かった

 今日は戦争だ。なぜかって? 今日のテストは今後の学園生活がかかっているからだ。カミール先生が言うには上位三十位に入らないとダメらしい。かなりきつい条件だ。一夜漬けで挑むランクではない。


 戦場に着いた。頭の中ではひたすら知識が溢れ出る。


 久しぶりのカミール先生のホームルームが終わった後、テストが始まった。


 科目は魔術学、魔道具制作学あとは選択した歴史、神話研究学だ。


 たったの四科目。一夜漬けで完璧だ。あとは、どれだけ応用で取れるかの勝負だと思っている。


 さて、今日はどんな戦場か?



◆◇◆



 あとは、神話研究学を残すだけとなった。今までのテストは想像よりも簡単だったのでおそらく満点だろう。だが、こういうテストは平均点が高い。ミスはできない。ミスをしたら戦死だろう。私はこの戦場で生き残る。


 チャイムがなった。最後の戦いだ。


 ペンを魔術で作って、テスト用紙を裏返す。


 さて、問一は……


 「最近の研究では、この王都でも信者の多い宗教の神である、魔術之神 ラマングルードは人間であったと予想が立てられている。もし、人間であると明らかになったとすると、王都にもたらす影響は何か答えよ。また、そのときただ一人の人間が1700年以上も宗教として崇められるようになったか、その理由を自分で考えて答えよ」


 なんだこの問題は。教科書に一切載ってない。世界の宗教から神話を考える分野でなんでこんな問題を出した? さすが、授業は受けてはないが、あの神話研究学の先生だ。


 でも、この話は知っていたりする。カミール先生がボソッとつぶやいていたのを聞いていたのだ! 


 この激しい戦場で勝つのはこの私だ。

 


◆◇◆



 疲れた。あのテスト問題以降は難しい問題は特になかった。このテストは、多分どれだけ点を落としたかの勝負だろう。あの問一以外の問題で、一、二問ミスした時点でアウトだ。


 明日は、トーナメント型のテストらしい。クラスで戦って、クラスのトップが1組の下から戦うらしい。


 そして、負けた人は全て下のクラスへ、1組の人に一人でも勝てたらその人は1組に上がれるらしい。


 カミール先生にもし1組が全員負けたらどうなるか聞いてみた。すると、


 「そんな事例はない。もし1組以外で1組のトップに勝てることはありえない。そんなことができたら、いつでも簡単にクーデターを起こせるだろう?」


と言っていた。


 クーデターはよくわからないが大変なことはわかる。だが、私は明日の本当の戦場で負けるわけにはいかない。ここで負ければ、退学だ。


 帰りは、ギルドに寄ろう。



◆◇◆



 「あ、ライトちゃん久しぶり! 今まで何していたの?」


 「ミリアムちゃん久しぶりです。今日はギルドの訓練場で練習したかったんです」


 未来の私がいた時は困らなかったが、家の庭で素振りをするには少し窮屈だった。


 あの異空間を作り魔術をはやく使えるようになりたい。


 「ふふ。ライトちゃんすごく強くなった気がするわ」


 「……ありがとうございます」


 「……いいわ。私が勝負してあげる。ライトちゃんはまだ下のランクだし、練習相手なんかいないでしょう?」


 「え、いいんですか。でも……」


 「大丈夫。ちゃんと戦えるわよ。これでも、一番上のランクなんだから。あと、傷がついてもすぐに回復できるから安心してね?」


 「はい。ありがとうございます」


 「じゃあ、行くわよ」



◆◇◆



 ちょっとだけ素振りをしたあと、ミリアムちゃんと戦うことになった。


 「ライトちゃん。もし、腕とか切り落としたらごめんね。私は両手がなくても四肢が回復するくらいの回復魔法は使えるから」


 「私も手加減できないかもしれないですが、よろしくお願いします」


 風の剣を構えて準備が終わった。ミリアムちゃんの剣も風らしい。


 「じゃあ、行くわよ」


 「はい!」


 私が明日の戦場で必ず勝てるように頭の中でひたすらシュミレーションをしてきた。


 明日使おうと思っている戦術をどのくらい通用するのか試してみたかった。


 思考速度上昇は使わない。使うと、それに頼ってしまうからだ。


 まずは、剣の詠唱をしながら前に詰める。


 強めの一振りを打つ。このとき択ができる。


 攻撃を受けるかギリギリでいなすかだ。


 攻撃を剣で受けた瞬間私は、今詠唱しているもう一本の剣で勝ちだ。


 ギリギリでいなされた場合は、左手に持っている剣を捨て、右手に詠唱し終えた剣で立て直す。


 そう、私の考えた戦い方は択を一方的に押し付けることだ。


 相手は選択をひたすら責められる。一つでもミスれば負け。ひたすら最適解をもとめ考え続ける。


 私ははじめに優勢を作り出しそれを保つだけで自然と勝てる。


 しかも、接近戦の速攻を仕掛けるので速く決着がつく。つまり、試合回数を多く稼げるということだ。「未来の私が言っていたたくさん経験を積め」という言葉。経験を積むのなら一試合を短くするのが効率的だ。


 ミリアムちゃんは、ギリギリでかわした。だか、


 「……与え給え」


 すぐに体制を立て直す。しかも、捨てる剣を投げるおまけ付きだ。


 これも躱す。ミリアムちゃんって避けるのが本当にうまい。


 もう一度詠唱をしながら、詰める。


 今度は、速度を最大限まで上げる。そして、ひたすらに背後を取れるような択を仕掛けた。


 かかった。前から凸ると見せかけて、ジャンプし飛び越える。


 そのまま振り向いて着地し、背後から、スパッと切りつけて勝利だ。


 このアクロバティックな動きは身体強化の魔術を知らなくてはできないだろう。未来のライトが教えてくれたこの魔術は本当に凄い。


 「!? ライトちゃん! いつのまにそんなに強くなったのかしら? 守ることしかできなかったわ」


 「ミリアムちゃん、戦わないのかと思っていたのにすごく強かったです。私だったら攻撃を受ける対面を全部躱していました。凄い技量です」


 「まさか、詠唱しながら突撃するとは思わなかったわ。凄い集中力ね。ランク上げても良さそうね!」

 

 「どういうことですか?」


 「ふふ。ライトちゃんが一番下のランクなんておかしいと思っていたのよ」


 「……そうですか」


 「どうしたの? 嬉しくないの?」


 「明日テストなので、面倒ごとは避けたいなーと」


 「ふふふ。しょうがないわ。また今度にするわね。でも、この強さだと対戦相手がかわいそうね?」


 「そうなんですか? あまり他の人と戦ったことがないのですけど……」


 「まぁ、明日のお楽しみね! じゃあ、もう夕方だしまた試合しましょう」


 「はい、よろしくお願いしますね!」


 良かった。勝てた。明日の戦場、絶対に負けはしない。

 今日?2本目です。なんかモチベが上がったので頑張ってかきました。


 そういえば、戦場で思いだいましたが古戦場の季節ですね。私はやっていないのですが、古戦場がある方、頑張ってください。



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