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この世界には数学がない!?

俺は周りの様子を確認する。近くには、木製の家が 一軒あった。玄関ドアには、「もし、転生させてもらう神様に対して必要以上に普通な顔といっていた者がいたら、自由に使ってもいいです。」と書いてあった。


「うわぁ……俺しかいないじゃん。」


そう呟くと、どこか違和感を感じた。理由は、


「声が、高い?」


声が以前よりも高くなっている。男の声よりも女に近い声だった。確認するべく恐る恐る手足を見てみると、それは白く細くなっていた。


「か、鏡は……」


とにかく自分の姿が気になった。この家は、使っていいらしいのでさっさと家に入って確認する。


「やっぱり女の子になってる……」


全身が映る鏡には、見たことのない女の子が写っていた。16歳ぐらいの見た目で、銀髪。左目が金色、右目が銀色のオッドアイが印象的な神秘的な顔だった。

鏡だけでは目の前の光景を信じる事ができなかった。とりあえず服を脱いで実際に確認する。


「な……ない!?」


わかっていたけれど、叫ぶほかなかった。あの神様に「いい感じに」としか言わなかったからだろう……せめて「かっこよくしてください」と言えば良かった。


「気にしても仕方ないか……どうせ普段は家にいるだけだし。前向きにいこう。」


性別の問題は、この辺りで終わりにしておき、窓を開けて外を眺めていると、


「おぉ。すごい!!スライムがいる!!」


青いスライムがいた。この世界で初めて見た生物であるスライムを眺めていると、スライムが襲ってきた。スライムの体当たりが肩に当たる。


「い、痛い……!!」


体当たりをされたところを見ても何も変わっていないが尋常ではない痛みを感じる。


「えい、えい…………はぁ」


痛みに耐えながら、スライムを倒す。それは、虹色の石になっていた。


「綺麗……」


前の世界では石に興味はなかったが、女の子になった影響か不思議なくらいずっとそれを眺めていた。とりあえずこれは大切に持っておいて、町に向かう。




町に着くと、周りの人から視線を感じた。よく見るとその人たちは皆、色目を使っている。目の前にギルドのようなところがあったので急いで駆け込む。


ギルドには結構多くの人がいる。混雑していて受け付けまでの列に並んでいると、


「お嬢ちゃん。うちのパーティに入らないか?」


と、声を掛けられた。この世界で初めて声を掛けられた人がナンパだなんて……まじショック。


「ギルドにすら入っていないので、またの機会にお願いします。」


とりあえず適当に返事をすると、ナンパ男の後ろの人たちはとてもがっかりしていた。俺は関係ないのでその人たちを無視して、ギルドの受付で冒険者登録をした。


「スライムを倒したら、こんなものが出てきたのですが?」


受け付けでさっきの石について尋ねると、


「魔石ですね。モンスターから出てきたり洞窟から採取したりして手に入るんですよ。これは、ギルドで買い取れるのでよかったら持ってきてくださいね。」


魔石! あらためてファンタジーな世界に来たのだと実感する。


「スライムの魔石は、銀貨1枚とこうかんできますよ。」と言われたので、魔石を銀貨1枚に交換した。


収入源確保したし、これからはモンスターを倒してお金を稼ぐ事にした。


兎のようなモンスターを倒したり、薬草を集めたりしてお金を稼ぎ本屋へと向かった。


本屋の店員さんに、「数学に関する本はないですか?」と、尋ねた。少し考えた後に店員さんは、


「あぁ、算術のことか。お嬢さんの子供にあげるんだったらこれがオススメだ。」


そう言われて渡されたのは、足し算引き算について書いてある幼稚園児の使うような優しい本でそれ以外には置いてなかった。この世界には、日常生活に使う算数しかないらしい。勝手に1人で遊ぶだけなので特に問題はない。


わざわざ尋ねておいて何も買わないのは悪いので、とりあえずその辺にあった魔法についての本を買っておいた。




家に帰って本を確認した。その本には生活に使う魔法の基礎となる事について書いてあった。


「また今度にしよう。」


初めからなにもわからないから読むのをやめて、数学で遊ぶ事にした。




そして、のんびりしているうちに500年が過ぎたのだった。

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