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魔力切れ

 「はぁ、はぁ……」


 どうにか学園には間に合ったようだ。かなり走ってきたので、想像以上に余裕があった。こんなことなら、もう少しゆっくり走れば良かった……


 カミール先生が来る前に早く教室に向かおう。




 教室に着いた。あれ、昨日配られた授業選択のプリント書いたっけ……書いてない!書かなきゃ!


 えーと、ペンのまほ……魔術の詠唱は確か……


 「我が魔力よ。世の事象を表し道具となりて、我に力を貸し給え」


 小声で言ったから、誰にも聞こえていないはず……詠唱をこの場で聞かれてたらすごい恥ずかしい。


 「あれ?」


 ペンが出来ない。いつもなら、500年使い慣れたあのペンが出てくるはずなのになんでだろう。


 ……あ、このペンダントかな。魔力を常に放出し続けているんだっけ。ペンを作る魔力すら自分には残ってないのか……?


 このままじゃ、プリントに記入が出来ない。どうしようかな……


 思考速度上昇を使って考えたけど、一番良いのはこのペンダントを外すことなのではないのか。よし、外そう。


 おお! 体がすごく軽く感じる。魔力の放出が止まったからかな。


 もう一回小声で詠唱を……


 「我が魔力よ。世の事象を表し道具となりて、我に力を貸し給え」


 よし! いつものペンが出来た。だけど、なんだか意識が遠く……


 「パタン」


 なんだかよくわからないが、体が動かない。なんだこれは……


 意識が……


◆◇◆


 「……は! 一体何が……」


 見たことのないベッドの上に寝ていた。ここはどこだろう……


 「ここはどこだろう……じゃない! 何勝手にペンダントを外して、魔術を使ってるんだ! 外すなって言ったはずなのに!」


 あ、やばい感じだ。普段から怖い人だったから、怒ってもいつもより強い口調だけって印象だなぁ。


 「何、冷静に考察している!? まぁ、別に怒っても変わらないからな。きっと朝プリントのことを思い出して、書こうとしたら魔術が使えなかったとかそんな感じだろう?」


 おお、すべてお見通しですか。そこまで、細かいことは心の中でも言っていないのに……


 「私が、ペンダントの機能をしっかり言っていなかったのも悪かったな……ペンダントには普段から魔力を吸収しておけるが、放出もできる優れものだ」


 すごくないか。これがあれば、実質魔力量は無限になるのでは……


 「魔道具に頼るのはなぁ……」


 「そういえば、ペンダントを外したのは謝りますけどなんで倒れたんですかね?」


 昨日から疲れやすかったが、突然意識がなくなるなんて……


 「……はぁ。本当に常識がないのだな、君は。これでよくこの学園に入れたものだ」


 それは私も思います。テスト記述で、『あれがこんな感じで、そんな風になるかり、あれがあれな感じでそれがあんな感じになるから。』って四十三文字の回答書いたからな。


 それで受かるとか、何考えてるんだか……


 「いわゆる『魔力切れ』だ。正確には、魔力が全てなくなっているわけではないのだが……魔力切れは、魔力がある程度なくなると、体が防衛反応として意識を落とすことを言う」


 魔力が少なくなると倒れる、こんな重要なことを知らないなんて……なんで今まで知らなかったんだ……


 そっか、今までそんなに多くの魔力を使わなかったのか。ペン作ったり、水だしたり、スライム狩ったり、そのくらいだ。


 「これからは、ペンダントの使い方をちゃんと教えるから勝手に外すなよ……」


 「はい! わっかりました!」

 令和2本目です! おまけは、ゲーデルの不完全性定理をやろうと思ったんですけど長めにかけたんでやめておきます。これからも、『数学ヲタクの異世界勉強』をよろしくお願いします。

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