模擬戦っ
模擬戦……危ない?
え、死なないよね? 大丈夫だよね? この世界の魔法での対人戦なんか見たことがないので、とても嫌な予感がした。
「始め!」
エドワード先生の合図が掛かった。
「我が魔力よ。風の刃となり、我に力を貸し給え!」
女の子の方は、風の剣を使うようだ。特徴は……剣を盾に変えられるみたいな感じだっけ。
「我が魔力よ。土の刃となり、我に力を貸し給え!」
男の子の方は、土の剣か。なんかイメージとあってる。特徴はたしか、土を操れる的な感じだったはず……
どうでも良いようなことを考えていたその時。
「はぁ!」
女の子の方が切り掛かった。自身に満ち溢れてたしな……
「くっ……」
男の子の方は、土の壁を作ったようだ。壁を切らせている間に、剣を避けたようだ。
女の子の方はスパスパと、切り掛かっている。が、男の子の方は負けないようにひたすら壁を作って耐え続けている。女の子がすごい押していて今にも勝ちそうな勢いだ。
「あー、もう! 鬱陶しい! あんた、そんな根暗な性格をしてるから戦い方もうざくなるのよ! まったく……」
女の子は、男の子が耐え続けているだけだったのに頭にきているようだ。
「なんだと! 俺は、根暗なんかじゃない! 勝手なことを言うな!!」
男の子の方も怒ってしまった。
カキン、と音がした。なぜなら、土の壁が風の剣で切れなかったからだ。
「オラァ!」
男の子は、性格が変わったかのように剣を切り始めた。その速さはとても速く、思考速度上昇を使わなければ全く見切れないほどだ。
男の子の一撃。女の子の方はうまく避けた。が、足元には土で作った段差に躓いてしまい転んでしまった。
男の子の狙いは、斬撃ではなく相手を転ばせることだった。
男の子は、女の子の喉元に剣を構えた。
「そこまで!」
どうやら模擬戦が終わったようだ。危険だと言われたから、もしかしたら大量出血があったり、最悪死人が出るのかと思ったが、平和に終わってよかった。
「そっちが勝つのか……」「あの子カッコいい!」「あんな感じの戦術楽しそう」など、多くの人が呟いている。
「これから、勉強することだが風と土の剣は守備寄りの属性だ。守るだけではなく、攻めることもできると覚えておいてほしい」
「カミール先生! 私のセリフを奪わないでくださいよ〜」
そんなやりとりをして、笑いが起こったところで剣術の見学がおわった。
大変お待たせいたしました。ちょっと、忙しかったり眠かったりしたんです。おまけは、また次回ってことで……