表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

プロローグ ~朝~

 


 ジリリリリ…


 目覚ましの音で俺は目を覚ました。片腕を伸ばして頭に響くその音を止めた。


 今日も、いつもと変わらない朝が来た。

 あぁ今日も、冴えない朝だ。爽やかな空気が、却って辛くなる。

 なんでだろう、独りの時は、センチメンタルになりやすい。

 俺は沈んだ心を抱えながら、もぞもぞと布団から這い出て服を着替える。そしていつものように、時間を確かめる。


 7:45


 カーテン越しに太陽の光しか差さない薄暗い部屋のなかで、枕元に置いたデジタル時計の数字が光る。

「はぁ……」


 俺は寝室を出てすぐの台所で、昨日炊いておいたご飯と、コンビニで買ったおかずを電子レンジで温め、誰もいない食卓にそれを並べる。いつもの通り手を合わせ、独りでモソモソとそれを頬張った。

 朝の支度を終え、玄関へ。


「……行ってきます。」

 誰もいない部屋に、今日も虚しく響く声。

 1DKのアパートの二階、一番右端にある部屋だけが俺の安寧の場所。唯一の幸せの場所にドアを閉め、鍵をかける。


 さぁ、今日も仮染めの幸せが俺を包む。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ