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3・現実はつらい!

「ふむ、なにやら訳ありのような子供でしたね。」

神父さんはそうつぶやくと教会の奥へ入っていった



「さあ、行きますか!」

半ば投げやり気味に街をおるいてく

「さあこれからどうしますかね」

腰に見覚えのない巾着がぶら下がっていて、その中にはお金が少し

「う~ん、金貨2枚と銀貨が5枚、そして銅貨が20枚か、これでどのくらいの価値があるんだろ?」

他には何も入ってなかった・・・

「せめてこんな世界に送り込むんだったら短剣とか渡してくれてもいいと思うんだけどなぁ」

ぼやいてても始まらない

とにかく生活の基盤を作らねば!


「と、その前にっと」

ちょっとおなかが空いたので、定番の串焼きを買ってみる

「おっちゃん、1本ちょうだい」

「おう、見かけないガキだな、一本5銅貨だ、金は有るか?」

「はい、銅貨5枚」

「おう、金は有るようだな、ほいよ焼きたてでうまいぞ!」

「ありがとう!」

「おうよ」

「でも、おっちゃん、俺は子供じゃないぞ、歳も18だ」

「ん?何言ってんだぼうず、そんな身長で18の訳ないだろ?」

「へ?」

言われてみて、そう言えば目線が低くなったような・・・手も少し小さくなってる

「そんなこと言ってないで早く親の所に帰りな」

「あ、はい」


背が縮んでる?これも、あの神様の場所の影響??


まあ、考えても仕方ないので、とりあえずこの後のことを考える


うーん、串焼き1本で銅貨5枚か、銅貨1枚100円ぐらい?

すると銀貨1枚で1000円、金貨1枚で1万円ぐらいかな

すると残金は2万6千500円ぐらい・・・少なっ

まずはお金を稼がないとな・・・

となると、定番では冒険者ギルドか?

この世界にあるかな?

とりあえず聞いてみるか


「すみません」

道行くおばちゃんに聞いてみた

「おや?なんだい?」

おばちゃんは自分の顔をみると、1舜はっとした顔をした

「ん?」

「いやね、今ボクの姿がちょっと光って見えてね、ところでなんだい?」

「はい、冒険者ギルドはどこにあるか教えてもらえませんか?」

「冒険者ギルドかい?ならあそこに見える大きな建物がそうだよ」

本当にあった!

「ありがとう!」

「どういたしまして」


よし、冒険者ギルドはあった

自分は魔法も使えるらしいので、これでお金は稼げそうだ


「うん、これが冒険者ギルドか」

その建物は石造りで3階ある

「結構周りの建物より大きいな」

ちょっとビビりながら正面のドアを開ける

「テンプレだったら、ここで絡まれるな・・・」

「おう、坊主!見かけない顔だな!」

あ、やっぱり来た!

身長は190位あるガタイのいい冒険者から声をかけられた

「はい、今日この町に来ました・・」

「そうか、で、今日は親の手伝いか?」

「いえ、生活の為にお金を稼ごうかと」

「ん?そうかそうか、頑張れよ!」

「はい」

ん?なんかテンプレと違って清々しいな

まあ、喧嘩売られるより100倍マシか

勝てる気しないし・・・


とりあえずカウンターの方へ行ってみる


よし、あそこのカウンターが開いてるな

あの、綺麗なお姉さんの所に・・


「すみません」

「ん?どうしたの坊や」

「冒険者登録はこちらでいいんでしょうか?」

「ええ、ここでいいわよ、ボクが登録するの?」

「はい」

「そう、じゃこの紙に必要な事を書いてもらえるかな?」

「はい!」


なにか冒険者ギルドに入ってからさらに子ども扱いがひどくなってるな・・・


「えーと、なになに」

紙には、名前、年齢、得意戦闘を書く欄があった

とりあえず名前は・・・”アラタ”でいいか

年齢は18っと

得意戦闘は・・・魔法?

使ったことないけど・・・


「はい、書けました」

「ん~名前はアラタね、年齢は18?、ボク嘘はだめよ」

「いえ、嘘じゃなく18ですよ」

「じゃあ、この石板の上に手を置いてもらえる?」

「はい」

石板の上に手を乗せると、薄く石板全体が光って、文字が浮き出してきた

「ほら、あなた18じゃないでしょう?」

石板の上を見ると


名前:アラタ

年齢:12


と出ていた・・・


「なにコレ・・・」


「え~と、アラタくん12歳ね、じゃあ親からの許可証を出してもらえるかな?」

「はい?」

「あれ?知らなかった?10歳から14歳までは冒険者になるには親の許可証がないとなれないのよ」

「え?知りませんでした」

「そう、じゃお父さんかお母さんからの許可証を持って、また来てね」

「・・・はい」



「やばい、詰んだかも」

街をとぼとぼ歩きながら、つぶやいた


この世界には親はいない、よって冒険者になれない

よってお金が稼げない・・・

「どうしよう・・とりあえず泊まるところを探すか・・・」



「ここでいいか」

冒険者ギルドからそう離れていない場所に

ベッドの絵が描かれた看板のある建物を見つけた

中に入ると食堂の様な店内の奥にカウンターが見えた

「すみませーん」

「はーい」

「こちらは宿泊できますか?」

「ええ、できますよ、おひとり様食事付きで銀貨4枚です」

「では、2泊お願いします」

「はい、では保護者の方は?」

「え?」

「ボク、ここは保護者と一緒じゃないと泊れないのよ」

「そうなんですか?」

「そうよ、ごめんね」


まさしく、詰んだ!

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