いっしょにあそぼう
白い天井。
白い壁。
白いベッドに、
白い心。
何もかもまっさらで、ただ感じるのは言葉にできないこの感情。
暑い夏の日、ここは涼しい病院の中。楽しいはずの夏休み。だけど憂鬱、夏休み。
何か考えてた気がするけれど、それすらもう、覚えちゃいない。ベッドの上でごろごろして、いつもの訓練の時間になるまで、何かをしていた。何をしていたかは、やはりもう、覚えてはいない。
夏休みの一カ月と数週間。つい最近まで、私はこれを繰り返していた。
――なんだかなあ。
心の中で、ため息ひとつ。
だけどその時、思いがけないお客様。
それは、私より年上の男の子。よく知った男の子。
その子が何を言ったのかも、今はもう覚えていないけど、遊びに誘ってくれたのは確かだった。
廊下の片隅。小さな椅子に、少年少女は腰かけて。
憂鬱なことは忘れて。少しだけ、一緒に遊ぶ。
そうすると、とても楽しくて。時間が過ぎるのが早かった。
病院の屋根の下。
私の生まれた夏の月の、とある日の小さな幸せ。




