episode3
朝日がベッドを照らす頃、ノワールは人間の姿に疲れ果てた様子で眠っている。ブランはそんな様子のノワールを見ながら彼の頭を撫でる。
「ん...ぶらん??」
「起きたか?昨日は暴れすぎたからな。」
「お前は大丈夫なのか?あの後オレ...」
「気にする程じゃねーよ。ただいつもより多めだっただけだ。」
ノワールは気だるそうにしながらも、ブランを気遣っている。
気が緩んだのかノワールは再び眠りへと落ちていった。
ブランはノワールのその様子を確認するとベッドから降り、神父服へと着替え教会へと向かう。
すると街の子供が二人、入口で待っているのが見えた。
「ボウズ達、どうした?」
「あ、神父様!おはようございます!」
「シスター・ノワールは今日はいないのですか?」
よく見ると少年の手には美しい白い花があった。
「ノワールに渡せばいいか?」
「よろしいのですか?」
「あァ。今日はアイツ出てこられそうにないからな。」
すると少年達は花をブランに渡し、お辞儀をして去っていった。
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夢を見る。またあの日の悪夢だ。
街は炎に包まれ辺りが紅く染まっている。
家にいるはずの家族達は皆血を流しながら倒れている。その中で見知らぬ男が一人立っていた。
「お前は誰だ?!オレの家族に何をした?!」
ノワールはその男に向け声を荒らげた。
男は「キヒヒッ」と笑いながらノワールをみた。
「この家の吸血鬼の血はとても美味いな。」
「お前もコイツ等の血筋か?」
「お前は瞳も紅いな。私は紅が好きなんだ。その瞳を奪ってもよいか?」
男は立て続けにそう言うとノワールに襲いかかる。
ノワールはとっさに剣を抜き受け身をとる。
男はまさかノワールが反撃してくるとは思わず、後退りをし、その場から逃げようとした。
「いつかその瞳も奪ってやるからな...キヒヒッ」
そう言葉を残し、男、いや魔人は姿を消した。
「母上!皆!!」
その場に残されたのはノワールと息絶えた家族達。
「絶対に見つけだして殺してやるからな...!!」
ノワールは紅い瞳を光らせそう呟いた。
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目が覚めた時、ノワールは涙を流していた。
あの日の夢を見るといつも涙してしまう。
「ノワール。昼飯できたが食えそうか??」
寝室の扉が開きブランが声をかけてきた。
どうやら昼過ぎまで寝ていたらしい。
窓から差し込む光にめをほそめる。
「食う...。今日子供達は?」
「お前相当疲れてたからな。とてつもなく残念そうな顔をされたが帰らせた。ほら、いつもの花だ。」
子供達から受け取った花をノワールへ渡すと、彼は花に顔を埋めた。
「お前こそ本当に大丈夫なのか...?その、昨夜は血を貰いすぎた...」
「オレはどっかの誰かさんと違って軟弱じゃないからな。」
「このヤロー...心配してやってるのに。」
「今夜の巡回は行けそうか?」
「ナメンな!ヨユーだし!」
ノワールはベッドから降り、シスター服に着替える。
「昼飯食ったら街に買い出しに行くか。」
ブランからの提案に「賛成〜」と気だるげにノワールは応えた。




